193 女性の体になって・・・
小出葵です。
もう9月になりました。まだ暑い日がありますけど、確実に涼しくなっていくこの頃です。
タイでの手術を成功させ、日本に帰り、しばらく安静していたあと、学校に通うことができるようになりました。
何とか普通に歩けるようになったし、トイレもまとも?にできるようになったけど、まだまだ大変です。
まさか、おしっこするのにこんなに苦労するとは思いませんでした。
毎日のことですからけっこうショックです。
そして、ダイレーションという、手術後のトレーニングもけっこう大変です。
やはり、普通の日常生活を送れるようになるまで、時間がかかりそう。
何とか学校に通ってるけど、普通の生活になるのは10月以降かな?
でも、股間がすっきりしたのはすごい事です。まさに生まれ変わった気分です。
とにかくその点はうれしい!
今まで、女性用の下着や女性用のパンツ(ズボンのことです)を履いてて感じた違和感がすべて解消されました。すっきりしました。性転換手術ってすごいなーって感動してます。
そして、偶然にも、女性ホルモン投与においても効果が出てきています。
お尻がまた少し大きくなって、胸も一回り大きくなってきたのです。
胸はついにEカップ。
母と姉がFカップなので、その二人よりは小さいのですが、豊胸手術をせず、ホルモン投与だけでこれほど大きくなるとは意外でした。お医者さんもびっくりです。
ちょっと太った気分ですが、ウエストサイズは変わらないんですよ。
近所に住んでいてよく遊びに来る幼馴染みの由奈は、呆れています。
「なんで、元男の子がこんな胸が大きいの?
ボヨンボヨンじゃない!
私より全然大きい!
すごく目立つよ。
ずるい!」
と、私の胸を服の上から触りまくります。
「ちょ、ちょっと、やめて!
恥ずかしいよ。
それから、くすぐったい。」
抵抗するけど、お構いなしです。
そして、もっとすごいことを言い出します。
「ねえ、おっぱい見せて。服を脱いでみてよ!
どんな形してるか見たい!
すっごく興味ある。
私も見せるから、いいでしょ?」
「えっ、それは・・・恥ずかしいよ。
由奈は恥ずかしくないの?
困ったなー。
そうだ・・・
大学受験終えたら温泉にでもいっしょに行って見せあおうよ。
それなら、いいよ・・・」
「ええっ?そんな先!
じれったいよ。
いいじゃない!女同士なんだから見せてよ。」
そんな押し問答をしちゃいます。
結局は由奈が折れてくれて、由奈が大学に受かったら、胸を見せ合うということになります。
受験勉強の話をすると、由奈も冷静になるんです。
さすがに受験勉強中に私の胸のことを気にするのはよくないと気づいたようです。
あ、それから・・・
日常生活が満足に送れていないのですが・・・
放課後は図書館で、板谷君の勉強に付き合っています。
板谷君が勉強する席の横に座って、板谷君が大学に合格するための対策を練っているんですよ。
具体的には、板谷君の模試の結果をみながら、板谷君の不得意な科目、不得意な分野を徹底的に分析します。そして苦手な部分を克服するための勉強法を考えます。
また、私と同じ大学、同じ学部を受けるための、過去問の研究。傾向と対策もやります。
私って、板谷君専属の家庭教師と言うか、参謀みたい。
私も一緒の大学行きたいから必死!
その成果は出てます。板谷君は弱みを一つ一つ克服しています。
板谷君はやればできるんです。
演技だって、急激に伸びたんだから・・・
うん、サポートする側としては実に嬉しいっ。
とは言っても、受験本番まで、数か月あります。まだまだ油断はできません。
板谷君も、
「もし、大学受験失敗したらどうしよう?
違う大学に受かっても、小出が合格している大学に不合格になったらどうしよう?」
と心配そうに弱音を吐いたりすることがあります。
私が合格したのは地方の国立大学。
板谷君は滑り止めとして、東京の私立も何校か受けることにしています。
もし、私立が受かって、国立が不合格になった時は、浪人するのか?という問題に直面します。
ご両親は好きにしなさいって言ってくれてるみたいだけど、割り切れる問題じゃありません。
1年浪人しても、受かる保証はないのですから。
まあ、今から心配しても仕方ないのでなるようになるしかないって、板谷君を諭してます。
そりゃ同じ大学に行きたいけど、別の大学になったら永遠の別れというわけではありませんしね。
でも、板谷君が別の大学に行って、彼女とか作っちゃったら悔しいかなあ。
ともかく、最善は尽くす。
今はそれだけです。
あ、大学側に、私の事情を伝えたかって?
もちろんです。
私は20才にならないと戸籍は女性に帰られないのですが、医師の診断書と意見書を提出することによって、大学側は私を女性として入学させてくれるようです。
正式な女子大生になれるんです。
スゴクうれしい!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
板谷翔です。
自宅で勉強していると、妹の佳織が俺の部屋に遊びに来た。
「おにいちゃん、この間、街で偶然に葵さんと会ったけど、すごく女っぽくなっててびっくりしたよ。
胸とか大きくて、すごく色っぽかった。
あんなにセクシーになっちゃうと、油断すると誰かに取られちゃうよ。
絶対同じ大学に合格しないと・・・」
「おっ、小出と会ったのか?
すげえだろ、あいつの体つき。
グラビア・アイドルかと思っちゃうよ。
まあ、お母さん、お姉さんが色っぽいからな。遺伝なんだろうな。」
「どうせ、私は遺伝的に、色っぽくはなりませんよ!
葵さん、どんな裸なんだろう?
一緒にお風呂入りたいなー。」
「そうだな。あいつも女の体になったから、女風呂入れるんだな。
そのうち、一緒に温泉でも行ったらどうだ?」
「おっ、それいいね。
柚さんも誘って行こうかな?巨乳姉妹といっしょにお風呂入りたい!」
「何、言ってるんだ。
さあさあ、俺は勉強だ。
小出と同じ大学入るために、大変なんだぞ。
時間は無駄にできない。」
「そうだね。
お兄ちゃんたち、同じ大学になったら、ホント素敵だよ。
住むところも一緒にしちゃったら?」
「何言ってるんだ?
変な事想像しちゃうじゃないか?
余計なことを考えちゃうだろ?
住むところなんて・・・
そんなことはどうでもいい。
とにかく合格しないと。
もう、邪魔しないでくれ。」
「はいはい。勉強頑張ってね!」
うーん、もし一緒の大学に合格したら・・・
同じところに住むのは無理としても、近くに住むのはいいなって思ってしまう。
同じアパートの別の部屋とかいいなあ。
もしくはすぐ近くのアパートとか・・・コーヒーが覚めない距離とか・・・
そう言えば、あの大学、男女の同棲比率が高いって聞いたことがあるぞ。
別々の部屋を最初借りても、そのうち一緒に暮らすようになるって話があるみたいだ。
あーダメだ。ダメだ。
まずは勉強第一。
余計な事考えちゃだめだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そういえば、演劇部は全国大会どうしたかって?
何とまた優勝しました。連覇です。すごい!残った3年生と後輩たちに感謝です。




