135 探索する話
皆と別れてから幾つかのスキル習得情報を情報板に書き込んでおく。
さっき決めた称号【魔女見習い】、200万、ビギナー、と。
ほんとに情報を買いに来る人がいるんかねえ。
デネボラは仲間に借金してでも来そうだが。
マイスさんからスキル1つにつき1万は取った方がいいと言われたので、【○○知識】を5万に設定する。
手持ちの【鉱物知識】、【アイテム知識】、【植物知識】をまとめたものだ。
図書館に行けば他の書物も見つけられるのだから、プラスアルファしてあっても文句はないだろう。
あとは称号の【料理人】か。
これは1万にしておく。住民に食事を振る舞えばいいだけだからな。
孤児院でも探して炊き出しをすればすぐ得られるだろうよ。
そして俺はどこかに雲隠れする。これで完璧だ。
とは言ってもビギナー教の信者さんたちが、俺の所在を逐一掲示板に報告してるらしいから、あんまり意味はなさそうだが。
さしあたって、この前に行った廃村とかどうだろう。
大穴あけちゃった後がどーなったのか、すげー気になる。
特に準備するものもないので、そのまま坑道へ向かう。
中で別のプレイヤーPTとすれ違った他は、変わったことはなかった。
あちらのプレイヤーはすれ違ったのが俺なことに驚いていたようだ。
「ビギナーさんが死に戻りだと!?」
とか呟いていたところから察するに、この坑道で俺が死に戻るような敵がいたのだと勘違いしたのか?
それとも廃村まで行ってゾンビメーカーと戦ったのかな?
前回壁を崩したところは何故か塞がっていたので、ぶん殴って壊す。
塞がっているから行けるのは1度だけかと思っていたが、そんなことはないようだ。
前回と違いゾンビの類いが出現しないので、ゾンビメーカーは復活したりはしてないと思われる。
廃村までに出たのはリンルフが3匹だけで、アレキサンダーとツイナだけで倒してしまった。
肉はアレキサンダーに渡し、毛皮はシラヒメに渡す。
裁縫して大きな毛皮にするらしい。
廃村は中央に大きな穴があり、大半の家屋が崩れたり吹き飛ばされたりして土台しか残ってなかったりだ。
かろうじて無事な家を覗いてみる。
壁は劣化して崩れているわ、天井に穴があいているわで、家の中には落ち葉が積もっていた。
廃村の周囲を調べてみたところ、グリースが雑草に埋もれていた轍の跡を発見した。
半分雑草で半分薬草やら毒草だったけど。
「採取しながら行くか」
ぽよん。
「ハーイ」
「ぴぴぃ」
「ぐる」「メー」
シラヒメたちは【植物知識】のスキルを得るまでには至らないが、事前に教えてやれば1種類くらいなら判別できる。
シラヒメとツイナに薬草を。
グリースとアレキサンダーに毒草を任せ、俺はそれ以外を採るようにしてのんびり進む。
シラヒメは10本を糸で縛ってその都度俺に渡してくる。
アレキサンダーは自身のインベントリに貯めているようだ。
グリースがクチバシで毒草の茎をくわえ、体全体を使ってなんとかへし折る姿が微笑ましい。
そういえば【草を食む者】の効果を確認してなかったな。
さすがに雑草を口にする気にはなれないので、ステータスの満腹度を見つつ食用の草をそのまま食べてみる。
調理してないので青臭いが、それでも草1本につき2%くらい満腹度が上がるようだ。
満腹まで最大50本も食えってことなのか。
余程の飢餓状態でなければ、この青臭さは遠慮したいところだ。
塩をかけたらマシになるかな。
目算にして2~3kmほど進んだだろうか。
空がオレンジ色になりかけたところで、森の中の拓けた場所に辿り着く。
「ここも人の気配はないようだな。どーなってんだこっち側は?」
荒れ果てた広場に10棟以上の家屋が密集している。
どうやらここも廃村のようだ。
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