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第14話 喰者の始まり

こんにちは、市九郎です!

少しややこしい14話、どうぞ!ではっ!

第14話


 「………」


 目を開けると、部屋に充満した煙で涙が出た。頭がボヤついている。


 「ウググッッ!」


 隣でうめき声がする。頭だけを動かして見ると、祈祷師の老婆がうずくまっていた。

 ハッとして、急に頭が回り始めた。


 「おばあちゃん! んっ……はぁっ」


 息が苦しい。煙を吸い込んでしまった。だが、先に助けるべきは老人だ。

 何とか老婆を引きずって外に出た。


 「はぁっ……はぁっ……おばあ……ちゃん」


 煙を吸ってビリビリしている手で老体をゆすると、窪んだ目が開いた。


 「ウゥ……ソニアや……ディアを……」


 「……っ! おばあちゃん、ごめんなさい! 少し待ってて!」


 そうだ、中にはまだディアがいる。

 はずだったが。ディアの姿はなかった。


 「おばあちゃん! ディアがいないの!」


 慌てて老婆のもとへ戻ると、上体を起こし、何やら唱えている老婆の姿があった。


 「おばあちゃん! ディアが!」


 老婆は唱えるのをやめ、ソニアに向き直った。


 「やはりおらんかったか。これはまずい事になったねぇ」


 やけに冷静な老婆に対し、ソニアは混乱していた。


 「どういうこと? 何が起きたか知ってるの? ディアはどこに行ったの?」


 「とにかく落ち着きなさいねぇ。ソニアや、あんたさっきの事を覚えてるかい?」


 「さっきの……」


 老婆の話を聞いている途中で、急に記憶が途切れていた。


 「やっぱりだねぇ。あれは幻術じゃ、それもとても強い術だねぇ。咄嗟に対抗術を施したんじゃが、打ち負けてしまったんじゃ。相当な手練れだねぇ」


 「手練れ……何で急にここに来てディアを攫うんですか! もう何が何だか……」


 本当に何が何だか分からなかった。ディアと出会ってからまだ数日しか経っていない。だけど、この数日で今までの人生よりも強く記憶に残る出来事が二回も起きているのだ。

 しかし、とにかく分かることは二つ。ディアが連れて行かれてしまった。そして、ディアに助けられた私がするべき事は、決まっている。


 「おばあちゃん!」


 「何じゃ?」


 老婆は分かっている。私が言い出す事を。


 「私、ディアを連れ戻しに行きます! だから、知っている事を教えてください!」


 老婆はまっすぐソニアの瞳を見つめ、決意を確かめたようだった。


 「そう言うと思ったわい。出会って数日だと言うのに、あんたらの絆は本物じゃ。厳しい道が待っておる事は確実じゃ。それでもやるかい?」


 ソニアの決意は微塵も揺るがなかった。


 「はい。絶対にディアを連れ戻します」


 「分かったよ。今からあたしに分かる事を全て話す。しかし、ディアをすぐに助けに行けるわけではない。心して聞くように」


 騒ぎを聞きつけてやってきた村人達に助けられ、とある宿の空き部屋に場所を貰った二人は、そこで話し始めた。


 「まず、ディアを攫ったのは軍属祈祷師じゃ。力の強さからして恐らくエルフ族じゃろう……」


 「どうしたんですか?」


 「そう言えばあたしの事を話してなかったねぇ。あたしの名前はスーペ。元エルフ軍の軍属祈祷師じゃ」


 「スーペさん、ですね。分かりました」


 「うむ。そして、ディアを攫った理由じゃが、それは多分ディアが喰者イーターである可能性が高いからじゃ」


 「その喰者イーターについて詳しく教えてもらえますか?」


 「うむ。さっきも話した通り、常人よりもソウルの器が大きい者が喰者イーターになりえるんじゃ。喰者イーターは非常に大きな力を持っておる。ソウルの器というのは、人が体内に溜め込む事のできるソウルの量を決めるんじゃ」


 「なら、魂の器が大きければ、誰でも喰者になるんですか?」


 「いや、そういうわけではない。喰者になれる者はごく限られておる。まず第一に、相当な大きさの魂の器が必要なんじゃ。喰者は、魂喰術ソウルイートという力を使う。魂喰術を使うには、とてつもない量の魂がいるんじゃ。次に、血じゃ。喰者は突発的に発現するのではなく、必ず遺伝によるものなんじゃ」


 「じゃあやっぱりスーペさんを助けた男性は、ディアのお父さんだったんですね?」


 「うむ。恐らくそうじゃろう。という事は、ディアにもかなりの大きさの器が遺伝している事になる。それが厄介なんじゃ」


 「なぜ厄介なんですか?」


 「うむ……特別に力の強い喰者は、『聖喰者ホーリー・イーターになれる可能性があるからじゃ……」


つづく

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!

最近、暖かくなってきましたね。桜もそろそろ咲きそうで、春の雰囲気が漂っていますね!ディア達の世界はこれから秋になっていきますが、僕は秋と冬が好きですね。暑くないので!

ご意見、ご感想、ご指摘等、お待ちしております!

ではっ!

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