第11•5話 昼下がりの午後の始まり
こんにちは、市九郎です!
3月11日。全ての日本人にとって、永遠に歴史に残るであろう日付。
あの日被災し、命を落とした方へ。心より、ご冥福をお祈りします。
また、被災した全ての方へ。復興と更なる発展を、心より支援しています。
穏やかな午後を描く11・5話、どうぞ!ではっ!
第11・5話
暇だ。
さっきからディアとお婆さんは目を閉じ、微動だにしなくなってしまった。
暇になった私の頭は、ここ数日間を巡り始めた。
思えば、不思議な巡り合わせだ。つい数日前までは、何年間も汚れた服を着続け、泥にまみれ、残飯を漁ったり、泥棒することで命を繋いでいたのに。ふいに現れた人族の旅人に拾われて自分の種族を知り、ごはんを貰い、キレイな服まで着せてくれた。
「運命……なのかなぁ……」
何となく声に出してみると、何だかとても恥ずかしい。
今まで出会った中で、一番優しくて、私の事を気にかけてくれる人。
「ソニアかぁ……ふふっ」
ディアに付けてもらった名前。ディアに呼ばれると、何となく心があったかくなる。
「ディア……」
でも。あの時だけは、ディアを怖いと思った。宿場村で感じたあのオーラは、本当にディアだったのだろうか。
「はらが……へった……」
あの時のディアは、苦しんでいた。それでいて、寂しそうにも見えた。怒っているようにも。
「私なら、ディアの事……満たせるのかなぁ……」
ディアの中にポッカリと空いた穴。その穴を塞ぐ事で、ディアが幸せになるなら。
「ちゃんと恩返し、するからね」
おんぶしてもらった時の、ディアの匂い。ちょっぴりの汗の匂いと、たくさんの幸せな匂い。
動かないディアに、少し鼻を近づけてみる。変わらない、幸せな匂いがした。
これからも、一緒にいられるかな。ずっと一緒は、迷惑かな。
そんな事を考えながら、ディアの隣で、ソニアは目を閉じた。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
この特別な日に、不安を感じておられる方に。少しでも心が落ち着く時間を、と考え、この11・5話を書きました。先程も東北地方で震度4の地震が発生し、とても不安を感じている方も多いと思います。
しかし、震災から9年が経った今日。決意を新たに、一歩を踏み出す日となることを、水の女神の名を持つソニアも、願っているはずです。
この想いが、少しでも届きますように。
では、引き続き12話もお楽しみに!ではっ!




