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【書籍化】腕利きシェフは『王家の至宝』⁉︎〜悪役は恋しちゃダメですか?2〜   作者: 葉月クロル


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★おまけ★荒くれどもの愛

ゴールデンウィークだし、ちょっとした息抜きです(*^^*)

「おい、大変だ! アナベルが貴族に連れてかれちまったらしいぞ!」


「なんだって、『緑の風亭』のベルちゃんが⁉︎」


「金に物を言わせやがって、だから貴族って奴は嫌なんだ! 肉料理くらい、自分のとこの料理人に作らせやがれ!」


「そこかよ⁉︎」


「そこかよ⁉︎」


「料理じゃねえだろうが!」


「あ……貴族の野郎め、アナベルの外見に惑わされやがったな!」


「おせーよ!」


「まあとにかく、見た目はえらい別嬪だからな、ベルは」


「見た目はな」


「見た目はな」


「防具一式を身につけても、包丁を持ったアナベルには逆らいたくねーわ」


「俺もだ」


「俺もだ」


「俺もだ」


「さばかれたくねーからな」


「骨から出汁も取られちまうわ」


「……貴族、今頃滅んでるかもな……」


「あー、肉と出汁にされちまってるかもなー」


「いやいや、貴族を肉と出汁にしちまったら、ベルちゃんがお咎めを受けるんじゃねえか?」


「そいつはヤベーな! 牢屋に入れられちまう!」


「そうだ、アナベルの肉料理が食えなくなると、力が出ねーしな」


「そこかよ!」


「そこかよ!」


「おめーは食欲が突出しすぎだろう!」


「あ……小さい頃から可愛がってたアナベルには、幸せになってもらわねーとな」


「だからおせーんだよ」


「じゃあ、貴族が滅ばねえようにしてやらねーと、アナベルの身がヤベーだろ」


「だな」


「アナベルの気をなだめるには」


「やっぱ、肉じゃねーか?」


「肉だろうな」


「そういや、マグナロックが森の奥の方に出たらしいぜ。ギルドに緊急以来が出てた」


「マグナロックか! ありゃ手強いが、肉は特別美味いからな」


「でけえから、あれを与えときゃ、しばらくはアナベルの気がまぎれるんじゃねーのか?」


「そうだな、あれだけ肉がありゃ、貴族の奴らをバラそうとは考えねえだろうよ」


「ったく、手のかかる娘っ子だな」


「だが、可愛いからな」


「許すぜ」


「じゃあ、とりあえずパーティを組むか? マグナロックは単独じゃあ狩れねえからな」


「ベルっ子のためなら仕方ねえな」


「一丁パーティ組んで、肉を狩ってきてやるか」


「おう」


「じゃあ、ギルドに行こうぜ」


「おう」





 そして、リシュレー伯爵家に、『冒険者一同より アナベルへ』というメッセージと共に、巨大なマグナロックが届けられた。


「な、こんな、解体してもいないマグナロックが、なぜ?」


「うわあーっ、素敵なお肉だわ! こんなに立派なマグナロックが、丸っと一頭! 嬉しいな、ささ、料理長、ヤっちゃいましょ♡」


「ヤっちゃうって、え、姫、それは解体用の包丁? え? ええ? うええええええええーっ⁉︎」


 血 塗 れ 肉 乙 女 の 乱 舞 ☆


 それ以来、リシュレー伯爵家の厨房にアナベル姫が訪れて、どんなに無茶振りしても、誰も彼女に逆らうことができなかったのであった。


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