暗闇の攻防戦 しかしシロンはには見えなかった!
「まずいニャ! 囲まれたニャ! 七人じゃなくて四人しかいないニャ?」
「先に戻った奴らがいるか、違うとこで見張ってるか。何れにしてもまずい」
「おいおいワンちゃんたち。そいつらどこに連れて行こうとしてたんだい?」
「俺たちゃクロネ族には関わらないようにしてるんだがよ。事と次第によっちゃ」
「戦う事もやぶさかじゃねえんだよなあ」
うわー。刃物抜いたよ。ハゲ傷頭と刃物ってよく似あうなー。
あいつらが腰に下げてるのってただのランタンなのかな。よく光って見えるけど。
でも反射してるのは刃物だけだー。ハゲ頭、光ってないやー。
コゲクロさんとクロマは一度俺たちの影に戻りました。
連れて来た人たち、やっぱりそうすると動かなくなるなぁ。
意識は無いけど死んではいない。
精神支配とやらはサルサさんに聞いてみないと。
その前にこの状況、どうしよう!
「おっとおかしな真似はするなよ。こっちは四人……」
「お前ら。別に人を捨ててくのは気にしないけどよ。俺たちもその方が面白いし。
でも、町で暴れたら黙っちゃいないぜ」
「あん? 何言ってんだこの犬」
「俺じゃないんだなー、これが」
「おい。こいつ口動かしてねえぞ」
「まさか、クロネ族か!? おい、このランタンんがあれば近づいてこないはずだろ!」
「知らねえよ。前にランタンかざしたら逃げてったって言ってたの、お前だろ」
「びびるこたぁねえ。別にそいつらが捨ててった奴を隠してくれっから共存共栄出来るって
思っただけだ。歯向かうってんなら容赦は……」
あれ? 何か周りに黒いものが映ったと思ったら、真っ暗になっちゃった。
何も見えないよー。
「まぁいいかぁ。これ以上住民増えても、そろそろ一杯だったからな。
モドクロ、ヤサクロ、オニクロ、クロアシ、手を出すなよ。こいつらは俺の獲物だ」
「いいなー」
そう呟いたのはクロマさん。一体何が始まるっていうのさ?
「あ、あれぇ? 俺の体勝手に動きますよ?」
体が勝手に奴らがいた方面へ走る! いやぁーーーー!
あいつら刃物だって持ってた……傷頭ですよ?
自分でやった可能性だってあるじゃないですか!
「み、見えねぇ! くそ、やべぇ逃げ……足が動かねえ!」
「俺も見えないよー! ボスケテ、ニャトルゥ!」
「ニャトルだって体が勝手に動くニャー!」
「お前らここがどこだと思ってるんだ? 俺たちクロネ族の町だぞ。逆らって
逃げられる訳ないだろ。そんな事しなくてもお前たちなんかには負けないけどな。
光の届かない世界で、クロネ族に逆らうな。こんなの魔族の間でも常識なんだぜ」
「ひ、ひぃー、お助けぇ!」
「ままま、待ってくれ。金だろ? 金なら置いてくから。頼むよ。な?」
「金が必要なのはおいらたちじゃないんだよな。あの人間たちは食わせねーと死んじまう
からよ。そうだな。文字通り身ぐるみはいで、縛り付けてやるか」
「ぎゃーーーーー!」
見えないよー。何が起こってるの? 凄く怖いんですけど。
……クロネ族さんたちが怖いのはわかりました。
そして、俺たちも暴れなくてよかったー。
静観するってのも大事なんですね。いい勉強になりました。
でも、これで事件解決一件落着てわけにはいかないよね。
そもそもご主人たちはどうしてるんだろう?
「あのー。コゲクロさん。もう縛り終わりましたかー? 見えないから明かり
灯す奴、出していいですかー?」
「おう。待ってな。こいつらが持ってたランタンっての、これだろ」
すると何かを俺の背中の上に乗せてくれました。
「それ、中に何か入ってるニャ」
「およ? 火を灯してあったんじゃないんですね。何だろ? 見えないよー」
「ああ、あなたが助けてくれたの?」
「へ? 中にいるのが何か喋った?」
「生物みたいだぞ、それ。面白いな。あいつらからクロアシが取り上げたら勝手に
明かり消えたぞ」
何だろう。この世界は大抵不思議生物で満ち溢れています。
俺もなんだけどねー!
「ま、待ってください。今明るくします……ふぅふぅ」
「ふぅふぅ言ってるニャ?」
「ちょっと待って何か嫌な予感がするのでやっぱ後……」
「シュボッ」
「熱っ熱っー! 背中、熱っ、熱ーー!」
「結局何だったニャ?」
「さぁ……」
「さぁじゃなくて続き書くニャ! 毎回毎回気になる所で終わるニャ!」
「そう言われましてもですね。作品が……これでもキリキリ書いてるんですよ!」
「趣味な癖によく言うニャ」
「ギクッ。痛いところを突く猫にはこうしてやる!」
「ニャガーーーハハハハ、肉キュウをくすぐるのは止めろニャ!」
また来週!