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開錠といえばコレ

 動き出した人々は、どれも目が虚ろで、クロマさんが操っていた人とはまるで違う

感じでした。

 あの動きはそう……ゾンビ! ゾンビのような動きです! 

 シュールなゾンビ動き! 

 俺もちょっと真似してみよう。

 ……後ろ脚がプルプルします。

「シロンちゃんがプルプルしてる……可愛ゆい……」

「おいおい。こいつら動くのか。それじゃクロネ族が操ってる奴らとは違うんだな」

「おい爺さん。俺とクロマが動きを止めてる間に助けてやんな」

「むう。すまん。彼らに危害を加えるわけにもいかんからな」

「少しくらいの怪我だったら直します!」

「魔術招来、タンドリースネーク、メキチカ!」

「フシュールルルル!」

「よし、巻き付け!」


 クラマさんがメキチカに命令するように指をさすと、光の糸みたいなので指先と

メキチカがくっつきました。

 すると――メキチカは大きくなって、グルグルと動き出した人たちに巻き付いてい

きます。

 全部で四人巻いてもまだ長さが余ってる! 

 これは便利ですね。

 どうやって伸ばしたんだろう。延し棒か何かですか? 


「この首輪、外れないサ。どうしたらいいサ?」


 カエサルさんがすかさず首輪を外しにかかりますが……外れない? 

 そういうのって呪いアイテム系ってことですか? 


「鍵穴とかありませんか? そういうのって結構鍵で開けたりしますよね?」

「鍵穴……あったサ。鍵はどこサ?」

「肥後さ、肥後どこさ、熊本さ、熊本どこサ?」

「……何言ってるニャシロン」

「うっ……思わず。この四人のうち誰かが持ってません?」

「探ってみるサ……この人たち、何か結構悪そうな人たちサ」

「私も調べてみよう……ダメだ、見つからない」


 どうしよう。このままだと抑えているだけで精一杯で埒があきません。

 そうだ! こんなときこそ異界召喚じゃないか! 


「出でよ針金!」


 ぽとりと落ちる細い謎の物体H。

 これこそ! HA・RI・GA・NE! 


 お忍び七つ道具のうちの一つ! 

 これがあれば……「ちょいとそこの火炎ちくりんさんや」

「誰が火炎ちくりんよ! ホノミィ! 私の名前はホノミィ!」

「それじゃほのちくりんさんや。この針金でちょいと鍵穴をカチャカチャしてやって

くれませんか?」

「何これ? 変なの。こんなので鍵が開くとは思えないけど、いいわ。出してくれた

らやってあげる。妖精は器用なんだからね!」

「へー。言ったな? 開かなかったら器用とは認めません」

「何よ! 絶対開けてやるんだから!」


 ……こいつ、ちょろいぞ! 

 ククク、俺は高みの見物といかせてもらおうじゃないか。


「がんばれー応援してるぞーファイトー」


 カチャカチャしだすホノミィを見て、全員不思議そうな目で見守る。

 しばらくかちゃかちゃしていると……ガチャっという音とともに一人の首輪が外れたで

はありませんか! 

 いいぞ。この妖精結構使えるかもしんない。

 

「やったわ! どう!? 私ってすごいでしょ?」

「おーすごいぞー残り三つだがんばれー」

「ニャトル眠くなってきたニャ……」

「そういえばまだ私たち、何も食べて無いんだ」

「おう。クロマが食事を作ってきてやるから待ってな。お前らも泊っていっていいぞ」

「本当!? よかったぁ。そういえばサルサたちは?」

「寝てると思います……俺たちをこき使って!」

「ちょっとぉ! 私が頑張ってるのに酷くない? 酷いーーいやーーー」


 ちんちくりんの絶叫とカチャカチャ音を聴きながら、シロンは全員の首輪が外れるま

で、のんびりと休むのであった。




「なんで私だけこき使われてるのよぉ!」

「いいか、ローグってやつはな。一番こき使われるのさ!」

「私はローグじゃなくて火炎妖精! 火炎妖精のホノミィ!」

「よかったな。ホノチクリンのホノミィからログちくりんに変化したぞ!」

「まともに名前呼んでくれないならこうしてやる! シュボッ」

「熱っ! ちょ、やめ、やめろぉーーー!」


 また来週! 

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