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幼女の、幼女による、幼女のための楽園(VRMMO)  作者: 雪月 桜
第1章 スタートダッシュ:CASEカナ

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何でもやるって言ったよね?

「……どうして、こんなことに」


もはや、自分の家の庭のように歩き慣れた、第1層の森で、みのりんは小さく呟いた。


その隣には当然、デュエルをねだったカナも同行しており、その言葉に反応する。


「ん? だから、さっき説明したじゃねーかよぉ。称号まで使った、今の俺様の全力が、どこまで通用するか試してぇんだって」


ウォーミングアップのつもりか、シュッ、シュッとシャドーボクシングの動きを取りながら、みのりんの疑問に答えるカナ。


「それなら、別に相手が私じゃなくても良くない? また暴漢さんでも、とっちめて来なよ」


周囲に迷惑を掛けないよう、デュエルする前提で、ここまで来ておいて、今さらかも知れないが、一応、そう提案してみる。


しかし、カナは露骨に嫌そうな顔で肩をすくめた。 


「アイツらと戦ってもつまんねーし、なにより相手にならねーよ。さっきだって一方的だったのに、今は多少レベルも上がって、称号まで持ってんだし。それに俺様は、何をしでかすか予想が付かねぇ、みのりんと戦いてぇんだ! VRは初心者だっつーから、俺様が先に始めてたら勝負にならなかったけど、その心配もないしな!」


グッと親指を立て、ニカッと笑い、全身から喜びを溢れさせるカナ。


とはいえ、みのりんの心境は、カナほど沸き立っていない。


「うーん、いまいち気が乗らないけど、こうなったカナちゃんは止まらないしなぁ」


確かに、みのりんもゲームの戦闘は好きだが、別に戦闘民族という訳でもなければ、戦闘狂でもない。


カナとは違って、強い敵と戦う事に拘りはなく、ただ楽しく遊べれば、それで良いのだ。


しかし、カナと戦うとなれば、それはもう本気の本気、全ての力を出しきる事になるだろう。


カナには相手の闘争心を引き出す性質があるからだ。


これが終わったあと、とてつもない疲労感に襲われるのは想像に難くない。


「う~ん、そう言われると困っちまうな~。俺様としても、みのりんには、やる気を出してほしいし。……よし、分かった! じゃあ、こうしようぜ! みのりんが、この勝負に勝ったら俺様が1つだけ何でもしてやるよ! その代わり、俺様が勝ったら——」


「やる」


「……えっ?」 


「何でもやるって言ったよね?」


突然、みのりんが放ち始めた、妙な気迫。


その見えない圧力に押され、カナは一歩、後退(あとずさ)る。


「お、おう。いや、でもほら、俺様に出来る範囲でだぞ? 世界一周旅行に行きたいとか言われても無理だからな? そういうのは、シオンに頼めよ?」


手をワタワタと振り、みのりんを落ち着けようとするカナ。


しかし、目の前に特大のエサを用意された、みのりんは、そんなことでは止まらない。


「大丈夫だ、問題ない。むしろ、カナちゃんにしか叶えられない、お願いだから!」


端から見れば、明らかに問題しか感じない。


その目は暗く、怪しく、爛々と輝いており、鬼気迫る【何か】を感じたらしいカナは、ゴクッと生唾を飲み込んだ。


「い、いったい何をお願いするつもりなんだ……」


「それは、後のお楽しみ♪ まさか、(オンナ)に二言は無いよね? いつも、そう言ってるもんね?」


「お、おうよ! もちろん、(オンナ)に二言はねぇ!」 


「なら、よし。もちろん、私が負けたときは、私が何でも言うこと聞いたげる。……お望み通り、【()る気】で行くから!」


言葉と共に魔導銃を抜く、みのりん。


「字が違ぇ! つーか、デュエルの一撃決着モードだぞ!? ()るとか()らないとか関係ないからな!?」


「……いざ、参る!」


「いや、聞けよ!」


既に、みのりんの意識は戦闘モードに入り、深く集中しているため、カナのツッコミは自然にスルーされることに。


カナも、それが分かったのか、一つ舌打ちしてメニューからデュエルを承認し、拳を構える。


デュエル開始のカウントダウンが1秒ごとに減っていき、それに応じて少しずつ、場の緊張感も高まっていく。


それが0になった瞬間、二人は同時に地面を蹴った。

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