戦闘のこだわり
「うーん、【空中ジャンプ】は楽しいけど、すぐにMPが切れるのが困るよねぇ。一応、MPにいくらかステータスを割り振って連続で使えるようにはしたけど……。それはそうと、あの白狼は後で絶対、お仕置きしてやるんだからっ!」
初めてゲームにログインした時と同じく、街の広場に飛ばされた、みのりんは周囲から向けられる視線も気にせず、怒りを露にしていた。
とはいえ、周りにいるのはNPCばかりなので、特に気にする必要もないのだが。
「……ん? おし……おき?」
と、両手を突き上げ、プンスカ怒っていた、みのりんは、ふと、あることに気付く。
「私、このゲーム始めてから一度もモンスターを倒してなくない?」
記憶を思い返してみても、目に浮かぶのは、葉っぱを毟ったり、穴を掘ったり、森を駆け回った場面ばかり。
仮にもRPGと名の付くジャンルのゲームで、こんなにも長時間、モンスターとろくに戦わなかったのは初めてだった。
「よく考えたら、私の遊び方っておかしい……?」
よく考えなくても、おかしい。
少なくとも、いくらシステム的に可能だからといって、真っ先に森の葉っぱを毟りまくって遊んだプレイヤーは、みのりんだけだろう。
他のプレイヤーは順当に、街で情報を集めるなり、装備を整えるなり、モンスターと戦うなりしているはずだ。
「ま、まぁ遊び方は人それぞれだし、別にいいんだけど。まさか、初のVRMMOだからって、こんなに興奮して周りが見えなくなるとは……。恐るべしだね、ネバーランド!」
なんとなく気恥ずかしいので、矛先をゲームに向けて、自らの失敗については意識の外に追いやっておく。
「それはそれとして。うーん、どうしようかな? 取り敢えず適当に剣でも買ってステータスを攻撃力に振れば、モンスターを倒すことは出来るけど……」
その場面を想像しても、なんとなく、今までのプレイと比べて地味というか、あまり魅力を感じられなかった。
今までのプレイが奇抜すぎたせいもあるが。
「なんかこう、ちまちましてるよねー。皆と一緒に冒険するなら、それも悪くないけど。どうせ一人で動くなら、もっとテンポよく戦いたいな!」
と、みのりんが今後の方針に迷っていると、もはや聞きなれたファンファーレが耳に届いた。
ついでに、例のウインドウも目の前に開かれる。
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獲得称号
☆【全身全霊】
効果:MP消費量が1.5倍になり、
効果や威力が倍になる。
獲得条件:1時間以内に10回、
MPの枯渇による硬直状態のまま
死亡する。
獲得称号
☆【蛮勇】
効果:HPが50%以上の時、
HPがゼロになる攻撃を受けても
一度だけHPが1残る。
クールタイム10分。
獲得条件:1時間以内に10回、
異なる種類のモンスターに
一撃でキルされる。
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「これだっ!」
どれだ!?
仲間がいたら、そんな疑問も上がりそうだが、少なくとも今ここに居るのは、みのりんだけだ。
あとは先程から騒ぎまくっている、みのりんを、遠目から微笑ましそうに眺めるNPCくらい。
特に、老夫婦と思しき二人は、孫の成長を喜ぶかのような、穏やかな笑顔だ。
「【蛮勇】も便利だけど、この【全身全霊】って称号! 今の私にぴったり! たしか、前に図書館で調べた武器にちょうど良いのがあったハズ!」
そんな周囲の様子にも気付かず、ハイテンションのまま今後の方針をさくっと決めた、みのりんは、まず確認のために図書館に向かう。
そして、書物を漁って記憶に間違いがないことを確認すると、今度は武器の扱いを学ぶ修練場に足を向けたのだった。
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Name:みのりん
Job:冒険者
Level:1
HP 10/10
MP 10/10
攻撃力 1
耐久力 1
技術力 1
機動力 73
魔法力 1
運命力 1
獲得スキル
【不意射ち】【空中ジャンプ】
獲得称号
【奈落の住人】【韋駄天】【全身全霊】【蛮勇】




