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プロローグ

プロローグ:見えない戦場

神城の街は、誰もが憧れる先進的な都市であり、表向きは繁栄を誇る。高層ビルの窓から見下ろす景色は、まるで未来のように洗練され、通りを行き交う人々の顔には安堵と無関心が交じり次に起きたのは、ある大学の教授が突如として大学内で倒れ、命を落とした事件。公式には心合う。しかし、街の真下には、誰も気づかない戦場が広がっていた。

数ヶ月前に発生した、ある企業幹部の失踪事件。警察はすぐに捜査を開始したが、手がかりは一向に見つからない。最後に目撃された場所は、街の中心部にある高級レストラン。その後の調査では、幹部がそのレストランに入る前、同じ人物が数回その場を訪れていたことが判明する。しかし、どのカメラにもその人物の顔は映っていなかった。

筋梗塞とされたが、関係者の間では「何かおかしい」と囁かれていた。教授が研究していた内容は、極秘の軍事技術に関するもので、その内容が漏れることを恐れたのは、誰もが感じていたことだ。

そして、最近では、地下鉄の爆破事件。表向きはテロリストによる犯行とされているが、犯人の正体も、爆破の背後に潜んでいた主犯格も一切不明のままだった。すべての事件に共通しているのは、関係者が少しずつ消えていき、疑問が残されたままであるということ。なぜ、誰も何も語らないのか。

警察やメディアは、事件を次々と「解決」し、また新たな日常へと進んでいく。しかし、街の住人たちの間では、次第に不穏な空気が漂い始めていた。耳をすませば、誰かが呟く「この街、もうおかしい」という言葉が増えていった。

裏では、知られざる力が動いている。ある者は暗闇で、またある者は光の中で、すべてを見守り、調整していた。神城の人々が気づくことのないように、彼らは完璧に隠れていた。

突然、深夜のビル街に足音が響く。昼間の喧騒が嘘のように静まり返る中、ビルの一角で不意に停まった黒塗りの車の中から、一人の男が降り立つ。彼の目の前には、開けられた窓の向こうに、すでに待機している人物がいた。その顔は見えないが、何かしらの合図が交わされると、男はゆっくりと歩み寄る。

「次の手を打つ時が来たようだな。」

声は低く、冷徹だ。響くのは、決して感情を交えない、無機質な声。そのまま、男は何事もなかったかのように静かに去っていった。しかし、彼の存在が街に新たな波紋を呼ぶことになるのは、時間の問題だった。

その瞬間、神城の「普通」に閉じ込められていた人々は、まだ何も知らない。彼らが知ることのない戦争が、今まさに始まっていた。だが、その戦争がどのように広がり、どのように収束していくのか、誰にも予測できない。

表に現れることのないその戦場では、既にいくつもの駒が動き始めていた。政府の力が届かない場所で、組織の影が暗躍しているのだ。誰もがその存在を知らず、また気づくこともないまま。

神城は、表の顔を保ちつつ、静かにその裏側で変化を迎えようとしていた。



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