第二話@貴方は誰?俺の人生は―――。
<あらすじ>
自分の人生に対して疑問を持っていた主人公。
ある日トラックに轢かれそうな猫を助け、自分は死んでしまう―――。
そんな中、怪しい少女、莉織が現れ、生き返らせることができる、と言うが―――?
「それで貴方は―――。」
莉織は俺に問いかけるような目で見つめてきた。
俺はごくっと喉を鳴らす。冷や汗が止まらない。
「俺は⋯生き返ってもきっとまた同じことを繰り返す。退屈な人生を持て余して。」
正直死ぬのは怖かった。でも、また生きてるか死んでるかわからない人生を繰り返すくらいなら―――。
「やっぱり貴方はそう言うんですね。」
今までにないほど冷酷な声で莉織は言うと、その瞬間信じられないことが起こった。
背中の羽は漆黒に染まり、持っていた鎌は二倍の大きさへと変化した。
「貴方は・・・人生に面白みを求めなさすぎなんです。この世の人間どもすべてが神や天使の教えで生きてると思ってるんですか!?幸せは自分で掴み取りにいったらどうですか!?」
莉織は息を荒げて叫んだ。俺は本能的に震える。抗えない。殺される。
「はぁ・・・すいません。感情的になりすぎ、ですね。」
漆黒の羽は白色へと戻り、鎌はもとの大きさに縮小した。
「もう一度問います、貴方は、どうされますか―――?」
俺は震える手を必死で抑え、冷や汗を拭った。
「こんな俺のために、そこまで感情的になってくれるなんてな。お手上げだ、俺は俺の人生に可能性を感じちまった。生き返らせてくれ。頼む。」
―――特別ですよ。
その瞬間、目の前が真っ暗になった。
翠が消えたことを確認すると、莉織は静かにため息をついた。
「私は、最後まで、見れないけど―――。」
するともう一つ、莉織よりもワントーン高い声が響く。
「莉織、血ぃ、使っちゃうの?あたし、莉織がいないといやだヨ!!!」
「ごめん、ね。リィ。頑張ってね―――。」
リィ、と呼ばれた声の主は、
「やだヨ!莉織!?莉織っ!?」
「―――翠、さん⋯。貴方の人生、私がおもしろく、してあげますよ。サービス、ですよ?」
俺は最後にそんな声が聞こえた気がした。
気がつくと俺は自分の部屋にいた。
莉織の姿も見えず、なんだか頭が痛い。
「起きたのネ。」
声がする方を見ると、小さな女の子がいた。それはそれは小さく、手に乗りそうなサイズだ。
「あんたのせいで莉織は消えちゃっタ。あんたの命、最期まであたしが見てやるのネ。」
その声には、どこか復讐心もこもっているようだった。
「あぁ・・・。俺は―――正解、だったのかな。」
「あんたの正解なんかどうでもいいのネ。今あるのは莉織の命と引換えにあんたがいるっていう事実だけネ。」
俺は、その言葉を聞いて―――。強く声を上げて泣いた。何時間も。現実は変わるわけじゃないのに。
でも不思議と後悔はしなかった。莉織の命も背負ったのだという決意しかなかった。
次回
第三話 これからの驚くべき運命




