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8-2

「崩落した瓦礫の下敷きになってるんじゃないかって心配されたの。

 でも、こっちはそんなこと知らないし、怪我一つしてないから別の場所にいるって思ったみたい。おかしな状況(、、、、、、)になって地下通路から出られないって、一生懸命伝えたんだけど――」

「うーん、まず信じてもらえませんね――」

 桧垣のため息に、美香子の喉から熱い固まりが込み上げ、涙も浮かんでくる。

「美香子っ、泣くのはもうおしまいにしたよ」

「うん、わかってる」

 花織の叱咤に美香子は涙を拭いた。

「崩落事故か――オレたちほんとに異界にいるんだな」

 東山が天井を見上げつぶやいた。

「でもさ、現実世界で崩落してるってことは、あっちにいたら大怪我してたかも、下手したら死んでたかも、ってことだよね。

 だから今ここにいるのは一応助かった、ってことでいいよね?」

 誰ともなく訊ねる花織に、

「うーん、どっちにしても悪いのですが――」

 桧垣が項垂れた。

「それで、そっちはどうだった?」

「わたしたち――」

「オレら――」

 美香子の問いに、桧垣と東山二人同時に口を開いた。

「あ、桧垣さんどぞ」

「いいえ、東山君こそどうぞ」

「どっちでもいいから早く言ってよ」

 花織が先を促し、東山が身を引いた。


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