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「崩落した瓦礫の下敷きになってるんじゃないかって心配されたの。
でも、こっちはそんなこと知らないし、怪我一つしてないから別の場所にいるって思ったみたい。おかしな状況になって地下通路から出られないって、一生懸命伝えたんだけど――」
「うーん、まず信じてもらえませんね――」
桧垣のため息に、美香子の喉から熱い固まりが込み上げ、涙も浮かんでくる。
「美香子っ、泣くのはもうおしまいにしたよ」
「うん、わかってる」
花織の叱咤に美香子は涙を拭いた。
「崩落事故か――オレたちほんとに異界にいるんだな」
東山が天井を見上げつぶやいた。
「でもさ、現実世界で崩落してるってことは、あっちにいたら大怪我してたかも、下手したら死んでたかも、ってことだよね。
だから今ここにいるのは一応助かった、ってことでいいよね?」
誰ともなく訊ねる花織に、
「うーん、どっちにしても悪いのですが――」
桧垣が項垂れた。
「それで、そっちはどうだった?」
「わたしたち――」
「オレら――」
美香子の問いに、桧垣と東山二人同時に口を開いた。
「あ、桧垣さんどぞ」
「いいえ、東山君こそどうぞ」
「どっちでもいいから早く言ってよ」
花織が先を促し、東山が身を引いた。




