01.引っ越し物語
この作品に興味を持ち開いてもらい、ありがとうございます。
独特な書き方で大変慣れがたいと思いますが、なんとなく眺めてもらえるだけでもありがたいです。
改めて感謝とこの作品をよろしくお願いします。
「ここが...新しい学校....」
===数日前===
夏が終わって、葉こぼれの季節。
静かな住宅街に忙しくしている一家庭があった。
父「誰でもいい、そこの荷物持ってきてくれないか」
私「はーい」
朝比 歩。
都会生まれ都会育ちの私は、お父さんの仕事の都合でとある町に引っ越してきた。
まだ住宅街しか見てないから実感はないけど、前に住んでいたところよりもはるかに田舎。
都会とは違い肉体的な過酷が待っていると聞いた私は、少しだけ覚悟しているつもり。
母「あるく~、こっちも手伝って」
私「ちょっとまってて、これ置いたらいく」
お父さんもお母さんも得意なことは一つもないけれど、できないこともほとんどない。
そんな両親の間に生まれた私は、なにもできることがない。
でも...いいの。できることが、ないほうが今は幸せだから。
母「お兄ちゃんといっしょに買い物に行ってほしいの」
私「今日引っ越してきたのにお遣い...?」
母「ごめんねぇ...。
ほんとうは私が行きたいんだけど、家具の配置をあいつに任せるわけにはいかないのよ」
私「そっかぁ。大変だねー」
母「お兄ちゃんには先にお願いしているから、玄関で待っているはずよ」
リビングに並べられた段ボールを華麗に避けながら、私は玄関へ向かった。
そう、木造だと意識してしまう淡い原木の断面を踏みつけて。
兄「ん。行くよ」
私「うん!」
兄の名前は一歩。
確実に一歩ずつという意味が込められてるんだって。
本人は響きが可愛いらくて気に食わないらしいけど...私は好きよ。
兄「どこまで行く..?」
私「んーと、確か来るとき。あっちにスーパーがあったはず..」
兄「わかった。行ってみよう」
ちょっとした大通りに出るとそこには大きなお店がいくつが並んでいる。
ドラックストアや毎日通うことになるであろうスーパーマーケットがある。
人通りは少ないけれど、車の交通量は都会と比較にならないほど多い気がする。
そんなことを考えてるうちに店の中に入り、母に渡されたメモ通りに物色を始めた。
兄「今日は唐揚げなのかな..」
私「鶏ももかぁ、そうかもね~」
私がセール中の最後の鶏ももの手を伸ばした時、誰かの手とぶつかってしまった。
私「っ...すみません」
?「いえいえ、こちらこそ...」
私「よかったらどうぞ」
?「いいえ、そちらこそどうぞ」
「迷いながら手を伸ばした私のほうが身勝手なので...」
私「そ、それじゃ遠慮なく...」
このようになれない土地となれない人柄に惑わされながらも、母のメモ通りカゴに詰めていった。
メモの一番下をじっくり観察してみると、こっそり「お礼に好きなもの一個買っていいよ」と書いてあった。
私「いっぽは決まった?」
兄「うん。このグミおいしそう」
兄はなんやかんや趣味が可愛い、そんな気がする。
私はというと、特別趣味もなければ物欲もない。
こういう気遣いってたまに困っちゃうよねとか考えてしまう。
??「そこの迷っている君。そう、そこの君」
「お迷いなら僕はこれをおぬぬめするよ」
私「おぬぬめ...?」
母の行為を断ることができずあっちこっちしていると、お菓子コーナーにいた少女が話しかけてきた。
手には何やら怪しげなお菓子を掲げて、これが目に入らぬかと言わんばかりにこちらへ向けてくる。
私「こ、これは...?」
??「誰もがトリコにされる食べ物。その名も...みたらしチョコレートだぁ☆」
少女は私に向かって、自由の女神もびっくりするほどのインパクトあるポーズで叫んでいる。
私「あ、いえ。あ、あぁ...」
断ろうとしたけども勢いに負けて、よくわからないチョコを買うことになった...。
まぁ、面白そうだしいっか...。
私「ただいまぁー」
兄「ただいま...」
買い物を終えて私たちは家に帰ってきた。
そして、夕ご飯は案の定唐揚げだ。
下ごしらえはどうしたんだろうね?
私の母はやらないタイプなのだろうか。
でも、不思議なことに味付けが全体に行き渡っていたわ。
そのあと食後のデザートとして食べた例のチョコだけど、、、、。
みたらし団子のタレのかかったチョコは私には甘すぎたわ。
それから数日間は町を散歩したりしながら、土地慣れをさせていき。
ついにその時が訪れた。
私「ここが...新しい学校....」
そう、新しい学校。転校生として新たに始まる学校生活が待ち構えていた。
道路の端にあるためか裏門である自動車用の門が道路側にあり、生徒用の正門は裏路地側にあった。
仕方ないことと言えど、都会では考えられないほど独特な設計だと私は感じた。
?「ルンルンルン♪」
「あ、君!あの時の人だ!!同じ学校だったんだねー」
数日前に手をぶつけたあった人の声が後ろから響いた。
あの時はテンパってて気づかなかったけど、歳が近かったんだ....。




