──*──*──*── 翌日
朝日が昇ると、結界が消えた。
分身体達が夜通し、キノコン砲を放って結界を壊そうと頑張ってくれていたのに、全くの無駄だった。
分身体達はオレの無事を確認すると安心した様に胸を撫で下ろしている。
どうやら、キノコン砲を放っても壊す事が出来なかった今回の結界に対して緊急会議を開く事にした様だ。
ミニマムキーノを頭の上に乗せて、シュンシュンと《 厳蒔屋敷 》へ帰る事にした。
朝食を食べて一眠りしないとだ。
マオ:厳蒔磨絽
「 結界を壊す事は出来なかったけど、消えてくれて良かったよな。
あんな結界が作れる奴が居るなんて凄いよな 」
霄囹:厳蒔霄囹
「 感心してる場合かよ。
朝を迎えると消える様に結界を作るなんて──、何処のどいつだよ! 」
マオ:厳蒔磨絽
「 鬼人ってのと関係有るのかな? 」
霄囹:厳蒔霄囹
「 さぁな。
キノコン達が結界に関しては調査するらしいから任せておけば良いだろ。
外出する時は必ずミニマムキーノを連れてけよ。
いざっと時はミニマムキーノを残してでも《 厳蒔屋敷 》へ戻るんだ。
僕は別行動で居ないんだから、今回みたいに残るなんて馬鹿な真似はするな 」
マオ:厳蒔磨絽
「 分かったよ…… 」
霄囹:厳蒔霄囹
「 ミニマムキーノは分身体だから、倒されても問題ないんだからな 」
マオ:厳蒔磨絽
「 う…うん…… 」
霄囹:厳蒔霄囹
「 転移陣も使えない、式隷,死乃人,式神の召喚が出来ない結界は厄介だな。
僕も対策を考えないと…… 」
マオ:厳蒔磨絽
「 弓弦さんも此方へ戻ってる時が有るんだよな?
オレ達みたいな目に遭ったりしてなかったのかな? 」
霄囹:厳蒔霄囹
「 弓弦は大丈夫だろ。
妖血,天血,人血が混ざってる奴だぞ。
転身した弓弦には結界も耐えられないだろう 」
マオ:厳蒔磨絽
「 そうかな……。
オレ、《 裏野ハイツ 》に戻って弓弦さんに聞いてみるよ! 」
霄囹:厳蒔霄囹
「 好きにしろよ。
弓弦が《 裏野ハイツ 》に居てくれれば良いがな 」
マオ:厳蒔磨絽
「 そうだよな……。
セロにも相談してみるよ。
シュンシュンは予定通り、材料を取りに行くのか? 」
霄囹:厳蒔霄囹
「 そうだな。
朝食を食べたら出掛ける 」
マオ:厳蒔磨絽
「 そっか。
呉々も気を付けてな 」
霄囹:厳蒔霄囹
「 あぁ、用心はするさ。
ミニマムキーノも同行させるから、いざって時は《 厳蒔屋敷 》に戻って来るさ 」
シュンシュンと話しながら歩いていると《 厳蒔屋敷 》の前に到着した。
漸く帰宅する事が出来た。
長い1日だったな……。
シュンシュンとオレは門を潜って《 厳蒔屋敷 》の敷地内へ入った。
──*──*──*── 厳蒔屋敷
キーノが用意してくれた朝食を食べた後、シュンシュンは飛行タイプの式神を召喚すると《 厳蒔屋敷 》から出て行った。
オレは〈 テフ 〉を体たい内ないに蓄積する為に確しっかり睡眠を取る事にした。
因ちなみにキギナは昨日きのうの事が余よ程ほど堪こたえたのか《 厳げん蒔じの屋敷 》から出でるのを拒こばんでいる。
──*──*──*── 夕刻
──*──*──*── 自室
確しっかりと睡眠を取ったオレは[ 自室 ]を出でると[ 温泉 ]に入はいる為に[ 脱衣室 ]へ向かう。
──*──*──*── 脱衣室
棚の前まえで寝ね間ま着きに使っている浴衣を脱ぐ。
脱いだ下着と浴衣を籠の中へ入いれたオレは天然温泉に浸つかれる[ 温泉 ]へ入はいった。
──*──*──*── 温泉
マオ:厳蒔磨絽
「 はぁ~~~~(////)
目覚めた後あとの温泉、サイコぉ~~(////)」
温泉に浸つかって癒されていると、ガラッと言う音おとが聞こえた。
誰かが入はいって来きたみたいだ。
誰だろう??
???
「 先客が居いた様ようだな 」
あっ!
この声は──、“ 会いたい ” と思っていた人の声こえだ!!
なんてタイミングが良いいんだよ!
マオ:厳蒔磨絽
「 弓ゆ弦づるさん!
久し振ぶりだね! 」
厳蒔弓弦
「 マオか。
あぁ、久し振ぶりだな。
元気にしていたか? 」
マオ:厳蒔磨絽
「 うん!
弓ゆ弦づるさんも元気だった? 」
厳蒔弓弦
「 あぁ、変わらず元気だったぞ。
マオも温泉に入はいりに来きたのか? 」
マオ:厳蒔磨絽
「 オレはシュンシュンとキギナと一緒に《 厳げん蒔じの屋敷 》へ戻って来きたんだ 」
厳蒔弓弦
「 シュンシュンとキギナも居いるのか? 」
マオ:厳蒔磨絽
「 シュンシュンは陰陽術と闇呪術に道具を作る為に必要な材料を集めに出掛けたよ。
キギナは昨日きのうの出来事が原因で引き籠っちゃってるんだ 」
厳蒔弓弦
「 そうか──。
マオは出掛けなかったのか? 」
弓ゆ弦づるさんは、キギナの事を完全にスルーした。
弓ゆ弦づるさんから、昨日きのう何なにが遭ったのか聞いてくれない。
オレから切り出ださないと駄目かぁ……。
マオ:厳蒔磨絽
「 昨日きのうのい・ざ・こ・ざ・で朝あさ帰がえりになっちゃって──、さっきまで寝てたんだ(////)」
厳蒔弓弦
「 朝あさ帰がえり?
何なにか厄介事ごとに巻き込まれたのか? 」
“ 朝あさ帰がえり ” 発言で弓ゆ弦づるさんの雰囲気が変わった!
一寸ちょっと怖い……。
其そ処こには反応するだなぁ……。
何なにはともあれ、昨日きのうの事に興味を持ってくれたみたいで良よかった。
オレは昨日きのうの夕刻に起こった事を弓ゆ弦づるさんに話はなす事にした。
弓ゆ弦づるさんはオレが “ 朝あさ帰がえり ” をする原因となった出来事を真剣な面おも持もちで聞いてくれる。
マオ:厳蒔磨絽
「 ──ってな事が起きたから、朝あさ帰がえりをする羽目になっちゃって……。
結界に関してはキノコン分身体達が調査をしてくれる事になったんだ。
外がい出しゅつするのに不安で億おっ劫くうになっちゃったんだ…… 」
因ちなみに “ 外がい出しゅつに対して不安で億おっ劫くうになっている ” のはオレじゃくてキギナの方ほうだ。
だけど、これは弓ゆ弦づるさんには内緒にしとく。
だって、弓ゆ弦づるさんは異性のキギナに対して、眼がん中ちゅうに入いれてすらないのか無関心しん過ぎるからだ。
マオ:厳蒔磨絽
「 鬼き人じんって言う聞き慣れない単語にも不安で…… 」
もしかしたら、弓ゆ弦づるさんは “ 鬼き人じん ” について何なにか知ってるかも知れない。
知っているなら教えてほしい。
だから敢あえて、“ 鬼き人じん ” って言葉に不安を感じている風ふうに呟つぶやいてみたんだ。
厳蒔弓弦
「 鬼き人じんか……。
そう言えば、そんな呼ばれ方かたをしていた妖魔が居いた様ような…… 」
マオ:厳蒔磨絽
「 そうなの? 」
厳蒔弓弦
「 あぁ……。
とは言え、私は山や森の中で修行三ざん昧まいな生活をするからな、定さだかではない 」
マオ:厳蒔磨絽
「 弓ゆ弦づるさん、修行好すきだもんね 」
厳蒔弓弦
「 鈍なまった身体からだでは主マ人オを守れないからな。
≪ 和わ國こく ≫の妖魔は倒しても直すぐ生うまれるから修行には持って来こいの場所だ 」
マオ:厳蒔磨絽
「 ≪ 日にっ本ぽん国こく ≫の怪異より強いんだよね 」
厳蒔弓弦
「 お蔭で倒し甲が斐いが有る。
重ちょう宝ほうしているな 」
マオ:厳蒔磨絽
「 弓ゆ弦づるさんは今回も修行には来きたの? 」
厳蒔弓弦
「 いや、今回は温泉に浸つかりに来きただけだ 」
マオ:厳蒔磨絽
「 そう…なんだ…… 」
厳蒔弓弦
「 そんなに不安なのか? 」
マオ:厳蒔磨絽
「 う…うん……。
だってキノコン砲でも壊こわせない結界だったし……。
シュンシュンの転移陣も発動しない結界だよ。
また結界に閉じ込められる事にでもなったら……。
御免ね、弱よわ音ねなんか吐はいちゃって……。
オレらしくないね(////)」
厳蒔弓弦
「 いや、弱よわ音ねは吐はいて良いい。
マオの弱よわ音ねなら皆みな、喜んで聞くからな 」
マオ:厳蒔磨絽
「 そうなの? 」
厳蒔弓弦
「 マオはも・っ・と・眷属に頼って良いいし、甘えても良いいんだ。
我わが儘ままを言って困らせても良いい。
眷属はセロの代わりにはなれないが、マオの為に存在しているのだからな 」
マオ:厳蒔磨絽
「 弓ゆ弦づるさん…(////)
有あり難がとう、弓ゆ弦づるさん(////)
………………あの……我わが儘ままを言っても良いいかな? 」
厳蒔弓弦
「 勿論だ。
何なんでも言うと良いい 」
マオ:厳蒔磨絽
「 うん……。
弓ゆ弦づるさんにオレとキギナの護衛を頼めないかな──って 」
厳蒔霄囹
「 キギナは身体からだを張ってマオを衛まもる立場だろう。
私が護衛するのは主人あるじであるマオだけだ 」
マオ:厳蒔磨絽
「 そ…そうだね…… 」
厳蒔弓弦
「 マオ主人あるじからの要望ならば、引き受けよう 」
マオ:厳蒔磨絽
「 良いいの?
有あり難がとう!
オレ、近距離攻撃しか出来ないから助かる(////)」
厳蒔弓弦
「 いざと言う時ときには、キギナを盾や囮おとりにして逃にげれば良いい。
眷属もマオと同様に不老不死なのだからな 」
マオ:厳蒔磨絽
「 う…うん…… 」
弓ゆ弦づるさんの前まえで、キギナを女の子扱い,特別扱いなんかしたら、怒おこられる事は無いかもだけど、めちゃんこ説教されそうだ。
気を付けないとだぞ!!
でも、戦闘力の高い弓ゆ弦づるさんが一緒に行動してくれるなら心こころ強づよい!
厳蒔弓弦
「 マオは何ど処こに行きたいんだ? 」
マオ:厳蒔磨絽
「 キギナに初めての≪ 平安京 ≫を案内したいと思ってるんだ 」
厳蒔弓弦
「 そうか。
マオは優しいな。
私は《 裏野ハイツ 》へ戻り、魔ま喰ぐらいの弓を取って来くるとしよう 」
マオ
「 うん。
弓ゆ弦づるさんが戻って来くる迄に昼食を済ませとくよ 」
厳蒔弓弦
「 ははは。
もう15時だがな 」
マオ:厳蒔磨絽
「 そうだった! 」
久し振ぶりに弓ゆ弦づるさんと話せたのは嬉しいな。
相変わらず弓ゆ弦づるさんは、筋肉が引き締まって逞たくましい細マッチョな肉体をしている。
山や森に入はいっては、鬼ハードな修行しているからだろうな。
弓ゆ弦づるさんに付き合って一緒に修行をした事が有るけど、オレが「 遠慮したい 」と思ってしまう様ような、かなり質素でハードストイックな修行を長期間したりする。
セロのスパルタ修行を受けてる様ような気分になって、かなりのトラウマになっている。
弓ゆ弦づるさんに修行へ誘われたら、嘘を吐ついて断っちゃうかも知れない。
男も惚れちゃう様ような身体からだをしてるのに、蕁麻疹が出でる程ほどに女性不振で苦手なんて勿体無いよな……。
オレの眷属になった事で、態わざ々わざ人間と結婚しなくても済む様ようになったから、弓ゆ弦づるさん自身にと・っ・て・は救いなんだろうけど……。
無理してトラウマを克服する必要も無いか──。
弓ゆ弦づるさんは、攻タめチと受ネけコのど・っ・ち・なんだろう??
オレは受ネけコっぽいんだけど……。
玄げん武ぶさんを夜よ這ばいした前科持ちのシュンシュンは、攻タめチの方ほうだよな~~。
受ネけコのシュンシュンなんて想像が付かないし!
攻タめチの自オ分レも想像が付かないけど……。
弓ゆ弦づるさんも過去に夜よ這ばいされた経験が有るから──。
ハッ!? Σ(´□`;)
オレは何なんて不謹慎な事を考えてるんだよ!(////)
攻タめチとか受ネけコとか──、キギナから悪あく影響をガッツリと受けちゃってるじゃないかよっ!!
必要以上に弓ゆ弦づるさんの肉体を見ちゃ駄目だ!
変な目で見てしまうから!(////)
くぅ~~~~キギナめぇ~~~~!!
マオ:厳蒔磨絽
「 オレ、そろそろ出でるよ。
逆の上ぼせちゃったら困るし(////)」
厳蒔弓弦
「 そうか。
私はもう少し入はいっている 」
マオ:厳蒔磨絽
「 うん(////)」
弓ゆ弦づるさんを残して、オレは温泉から出でた。
[ 脱衣室 ]に入はいっても古代エンシェント魔法マジックで湯ゆ冷ざめしない様ようになっている。
濡れた身体からだと髪を風ウインド魔法マジックで乾かしたら、下着を穿はいて浴衣を着きた。
[ 脱衣室 ]を出でたら、[ 中庭 ]が見れる縁側へ向かって移動する。
[ 中庭 ]を眺めながら、遅い昼ひる食げを食べたいと思ったからだ。
廊下で遭遇したキーノ分身体に昼食は縁側で食べたい事を伝えた。