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淡い恋は弾けて消えた  作者: maruko
マリベル・ノーラ

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1 守られなかった約束

「いつかまた、此処に帰ってくるよ」

「本当?」

「うん、約束する」

「ふふっ約束」

いつも遊んだ夕日の見える丘で、ユーリスは私に小指を差し出した。

約束の印にゲンマン。

絡めた私の小指にユーリスはそっと唇を当てた。

王子様の様な容姿のユーリスは、その大人びた仕草もとても似合っていて、上目遣いに私を見るその瞳に、いとも簡単に私は初恋を捧げた。


その約束から8年。


初めて届いたユーリスからの手紙。


『収穫祭に一緒に行こう』


1行だけのその手紙を私は胸に抱いた。


(もう少しだけ頑張ろう。だってユーリスが収穫祭に来るんだもん)


ユーリスが去ったあと、私の周囲はとても様変わりした。

本当は収穫祭前の喧騒に紛れてこの領地を出るつもりだった。

でもユーリスがやってくるのだ。


一目だけでも会いたい。


私はその日を指折り数え、とてもとても楽しみにしていた。

だけどユーリスは来なかった。

私の住む領地で行われる収穫祭は3日間。

3日間、夜が明けきらぬ早朝から、星だけが瞬く夜中まで、門の前で待つ私に声を掛けてくれる人は現れなかった。


初恋の人との約束は、守られる事なく、私は予定より3日遅れで領地を旅立った。







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