#side of Yui
※性的な描写があります。
幼稚園のバスをタクヤの家の前で降り、そのままいつものようにタクヤの家に遊びに行く。
うちは、お母さんも仕事で昼はいないから、この子の家で時間を過ごし、夕方にお父さんかお母さんに迎えに来てもらっている。
いつものように一緒にテレビを見て、おやつを食べて、ソファで寝そべりながらニンテンドーDSでゲームをする。今日はマリオカートだ。
いつもと違うのは、タクヤのお母さんが出かけていて、この家にわたしとタクヤ、二人っきりということだ。
テレビの音、おやつを食べる音、ゲームの音。音を出しているのはわたしたちだけで、家の中も外も、シンと静まりかえっている。まるでみんなで息をひそめて、二人のやっていることをジッと観察しているみたいに。
「やった、ハイスコア! ユイに勝ったぜ!」
ついたままのテレビをぼーっと見ていたら、タクヤが大声を出してDSをブンブン振っている。
え、うそ!
タクヤあんなにへたっぴいだったのに?
わたしは負けず嫌いだ。
「ちょっと見せてよ、ズルしたでしょ?」
「ズルなもんか」
「どれどれ」
その子はゲーム機を持った両手を上げて、わたしの邪魔をする。
「ちょっと、ズルしてないなら、ちゃんと見せてよ」
「ほーら、見えるだろ?」
そう言いながら、DSを余計にわたしから遠ざける。
タクヤの体の上に乗っかり、手を伸ばし、ゲーム機をつかんだ。
「こら、そんなにふっつくな!」
ゲーム画面をのぞこうとしたら、私を手で押して密着した体を引き離そうとした。
タクヤ、なんか妙にモジモジしている。様子がおかしい。
様子がおかしい所が、具体的に一か所あった。
タクヤの半ズボンの前がふくらんでる。
「なに、これ? なんか隠してるの?」
「んなわけないだろ」
「じゃあ見せてよ」
「見せられるわけないだろ……ちょ、ちょっと!」
わたしは、必死に隠そうとするタクヤの手を払いのけて、半ズボンのチャックを開けた。
上のホックもはずれたので、エイッと脱がせた。なんでそんなことしたかって? だって、急にそうしたい気持ちになったから。
だけど、探していたものは、パンツに隠れていて見えない。
……でも、なんだろう?
このドキドキは。
私は我慢できず、タクヤのパンツも引きずり下ろした。
そこに現れたものから目が離せなかった。
「こ、これ、なーに?」
「おまえ、そんなのも知らないのかよ」
「知っているよ……ちんちん……でも、おっきくて固そう」
そう言うと、それはもっと大きくなったような気がした。
知っているよ、それ。だって父さんとお風呂に入ってた頃、見たことあるし。
でも、わたしが知っている「ちんちん」とは違う。
「見たな!」
「うん、見たけど」
「じゃあユイ、お前も見せろ」
「やだ、恥ずかしい……それにわたしには、なにもないよ」
「不公平だ! もうゲームしてやんないぞ」
別にゲームなんかもうどうでもいいもん。
二人ぼっちのこの家で、二人だけで、いけないことをしている……でもタクヤとなら、いけないことは、いいことだ。
「……じゃあ、ちょっとだけ」
そう言ってわたしはソファの上でスカートを脱いだ。タクヤが目の前でじっとお腹のあたりを見ている。そこがジンジンする。
「こら、あっち向いててよ」
「わ、わかった」
パンツを脱ぎ、スカートの上に放り投げた。
ちょっと迷って……でも声をかける。
「……もう、いいから」
そして、自分からテレビを見ていたタクヤの前に立つ。
「?」
わたしのあそこを見て、男の子は不思議そうな顔をする。
「どうしたの?」
そう聞きながらも、わたしは恥ずかしさを閉じこめるので精いっぱいだ……いや、恥ずかしさだけじゃなくて「こらえられないなにか」があふれそう……なんだろう、これ。
「よく見えない」
「なにが?」
「いや、なにも見えない……だからもっとよく見せて」
「ちょっ、なにするのよ?」
タクヤは、わたしの腰を抱えて、ソファに寝かせようとした。
負けず嫌いなわたしは、逆にタクヤをソファーに押さえつけ、体の上に乗っかった。
「こ、こら、それじゃ、よけい見えないだろ!」
そう言ってるのにタクヤはじっとしているだけ。ちょっと驚いた。
気がつくと、なにか固いものがわたしのお腹に当たっている。
「これ、なーに?」
ちょっと意地悪して聞く。
「ち、ちんちん」
その言葉を聞いて、わたしの体の「こらえられないなにか」がまたモゾモゾ動き出しす。
私は体を起こし、それをつかんだ。
「わ、やめ、やめろよ!」
そう叫ばれ、あわてて手を離す。
……でも、じっと見る。見たい。
そうしているうちに、「こらえられない、なにか」が、お尻から体じゅうに広がっていく。
再び私はそれをつかみ、自分の両足の間に当ててみた。
なんでそんなことをしたの? ……わからない。でもそうするもんだとわかっていたから……わかっていた?
アツイ!
お尻から背中が熱い……これ、なんなの!?
これからわたしとタクヤはどうなるんだろう?
どこに連れてくの?……ねえ!
まるで、家から、町から、地球から放り出されて、宇宙を漂うような気分。
タクヤと二人ぼっちの、ずっとずっと続く幸せな時間。
そしてわたしは、その男の子から届けられた、なにかを受けいれた。
でも、それはなんだったのか。
〇
……思えば、これが私が人と愛し合う初体験だった。
……初体験にして、最高の、なんて言ったらいいかわからない時間。
それから間もなく、私とタクヤは離ればなれになった。この秘密が誰かにばれたからではない。私が親と一緒にアメリカに移り住むことになったからだ。
こんな経験があったからだと思う。
私は性には、かなり積極的だった。学校の授業で、友達から、ネットから様々な知識を得たが、その「習得」とともに新たな経験を重ねていった。中学から、色々なタイプ……つまり、性格・容姿・そしてサイズの男の子とつきあい、体を重ねてきた。
気持ちはよかった。
でも、それだけ。
回を重ねれば、あの状況が再現できると思っていたのに。
しかし、それが再び訪れることはなかった。
なにが違うんだろう?
タクヤだったから……それがなんとなくの答え。
でも、私が渡米してからは、彼との音信は途絶えてしまっている。
誰かに抱かれれば抱かれるほど、悲しくなる。絶望した。
だから、私は早々に、無駄な欲求を封印し、高校、大学と勉強・研究に打ち込んだ。
それでも、わたしの中の「こらえられない、なにか」は消えずに潜んでいる。
それがなんなのか、知りたい。




