おしゃべり(6)
お、可愛いね今の子。
「おっさんかよ」
でも可愛くない?今、テレビでCMに映ってた子。
「まあ、そうね」
でしょ。二人並んでいたけど、僕的には右の子がいいな。ああいう飾らない感じの顔好きだな。
左の子も綺麗だけど、ちょっとキツそうな感じ。
「床に寝そべってテレビ見るとか、おっさんかよ」
そんなあ、二回も言わないでよ。
はいはい分かったよ、座って見てればいいんでしょ?
しょうがないなあ。どっこいしょ……
「おっさんかよ」
ひっど〜い!どのみち言われるなんて!
「はあ……」
あれ?急にため息ついて、どうしたの?
「アンタ顔しか見てないのね」
ああ、さっきの話?そうだよ。
「いや、そんなはっきり肯定されても……」
だって、みんな普通外見から入るだろ?
内面なんて長年付き合ってなきゃ分かんない。むしろ長々一緒にいても分かんないことだってあるくらい。
「それでも、一番大事なのは中身でしょう?」
中身なんてすぐに分からないじゃないか。どんなに性格良くても見えないんだから。
「そうだけど……」
他にパッと見で分かる情報が無いんだから仕方ないだろう?
まずはその人の入り口が見た目なんだよ。その人を知る上での最初の地点。玄関さ。
そこから始まって、色々あって仲良くなったりする訳で。
「でもほら、その人の『雰囲気が好き』とかあるじゃない」
その雰囲気を纏った見た目が好きって事だろ?
雰囲気『と顔、あるいは体』が好きなんだよ。
「うわ。身も蓋もない言い方ね」
いやでもね、蓼食う虫も好き好きって言うし。顔っていったって好みはみんなバラバラだよ。
本人にとってはコンプレックスでも、逆にそれが好き!って言う人がいたりする。
顎だったり、鼻だったり、目だったり……えっそこ?ってところまでほんとに色々。
よくできてるよね、世の中は。
「だからって。アンタは極端に惚れっぽいのよ、見た目ですぐ好きになる……それはそれで逆にすごいけど」
すごいでしょ〜?
ドラマとか映画もそうだけど、スポーツとかの試合見ててもすぐ『推し』ができるもん。あっこの子いい!って。
「言っとくけど全然褒めてないから」
あ、ちょうど時間になった。待ってた新作ドラマ始まったよ。
ラブコメのドラマ。今日から第一話だ。楽しみだね。
ほら、見よう見よう。
「終わるまで静かにしてて。私は集中して見たいんだから、雑音を入れないでちょうだい」
は〜い。
あっ、今回の主人公の子可愛い。
「その口縫ってやろうか」




