第二十七話 激突!ポルシェキラーvs紅のくノ一 前編
え・・・・ちょ・・・・・勝負って何の勝負?」
「じ、じゃんけんかなんかでしょ!?美都ちゃん??」
すかさず微妙なフォローを入れた私だったが、美都はすぐに首を横に振りあっさり否定した。
「もちろん車よ・・・・・。あたしの4C・・・・とそのシビックと。・・・・・・チンピラシビックさん・・・・・・いえ、的場ユリ・・・・・・。あなた・・・・・・『ポルシェ殺し』なん・・・・でしょ。・・・・・・前から噂は聞いていたわ。」
「ふん、あなたも知ってた口なのね。あんなノリだったからてっきり知られてないのかと思ってたわ。」
「・・・・・・・もちろん・・・・・知ってるわよ・・・・あたしだって・・・・走り屋なんだし・・・・・・。これはまたとない機会・・・・・・。」
美都は今まで浮かべたことのなかったような不敵な・・・・というか少し邪悪さすら感じるような笑みを浮かべていた。この子、マジでやる気だ。
「ち、ちょっと待って・・・・。流石にタレントに事故されちゃったら困るよ。曲がりなりにも私は関係者だし、莉緒もタレントなんだから何かあったら・・・・・・・。」
「その点・・・・なら、心配・・・ないわ。私のおじさん・・・・・官僚だし・・・・事故したり何かあっても・・・・・もみ消せるわ。」
これまでにないくらいのどや顔で、美都はそう答えた。
それなら確かに・・・・・っておい、そういう問題じゃなくないか??と私は思わず突っ込みそうになった。 でもねえ・・・・・と言いかけたその時、美都は
「・・・・もちろんそんな問題じゃないのは分かってる。・・・・・・でもさっきは不完全燃焼・・・・・な勝負だったし・・・・・名の知れたポルシェ殺しって獲物が前に・・・・いるんだもの。・・・・・・何があってもアタシが責任は持つわ・・・・・・。ここは・・・・勝負をさせて。」
「・・・・まあいいわ。とりあえずこの勝負、やりましょ。」
とユリが啖呵を切った。
「ちょっ、ユリ!!!?」
「別にいいじゃない。この子が責任取るって言ってるんだし。まあ、この子はともかくアタシはあくまで一般人だしさ。ひとまずここはただの走り屋の的場ユリと二階堂美都の勝負、ってことで手を打ってくれないかしら。」
ユリはウインクしながらそう言った。
「ったくもう・・・・・。とりあえず、二台とも無事に走ってよね・・・・・。」
私は目を瞑ることにした。
「・・・・・そうと決まれば・・・決定ね。勝負・・・・しましょ・・・・。ルールは江戸橋JCT・・・・からC1を先に一周した方の勝ち・・・・・でいいわね。・・・・1時間後。」
ユリはうん、と首を縦に振った。
「後はハンデ・・・・ね。車の重量差・・・・があるし。シビックには凛子ちゃん・・・・あたしの4C・・・・には白洲さん・・・・でいいわね。」
「え?なんで入れ替えがハンデになるの??」
莉緒が突っ込むと
「え・・・・だって・・・・白洲・・・・・さん大きいじゃないその・・・・・何かが。 だから凛子ちゃん・・・・の方が軽いだろうし。」
美都はジト目で莉緒の豊かな胸元を凝視していた。おい、言いたいことは分かるがそれはハンデにはならんだろ。ってか暗に私の胸のサイズdisってねえか?と、凛子は心の中でツッコミを入れた。
「ちょっとお・・・・!?あたしが重いってそういうことお!?」
と莉緒は少し顔を赤らめて胸元を腕で覆いながらそういった。
「貴方がそうしたいならそうしたらいいわ・・・・。ま、アタシにハンデなんて関係ないけど。とりあえず、一時間後ね。楽しみましょ。」
ユリはそう言い残してPAのトイレの方へと向かっていった。
ポルシェ殺し対『紅のくノ一』の対戦の時がじわじわと近づいていっていた。
続く。




