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第二十四話 紅茶とお菓子とお礼の正体

そして約束の金曜日。私は仕事を早めに片付け、急いで駐車場に向かった。


すると、ちょうどすぐ出たところに赤いジュリアが付けていた。 中に佇んでいた美都は「おいで おいで」と手招きをしていた。なので、軽く会釈をして失礼しまーす・・・・と言いながらドアを開け、乗り込んだ。


「あ・・・・えと・・・この間はありがとう。お礼がしたかったんだ・・・・とりあえず、あたしの家に向かうね。」


「え・・・うん・・・・わかった。じゃあ、よろしくね!」


こくりと軽く頷いた後、ジュリアはソロリと動き出し、駐車場を抜け、公道を駆け抜けていった。


ポカーンとしたようないつもの雰囲気と違って車の運転をしている姿はなんというか・・・・キリっとしていて、普段の天然オーラとはおおよそ違ったような感じであった。


運転もキレが良くスムーズで、これだけ混んでいる都内の車列を縫うようにジュリアはスムーズに走り抜けていっていた。 所謂ステアリングを握ると性格が変わる人というやつなんだろうか。


暫く走り、都心から少し外れたところに出た。どうやら美都の家は私の家からそう遠くないところにあるようだ。 住宅街の奥にある如何にもでかい家が美都の自宅だったようだ。

大きな門を通り抜け、100mほど走るとそこには大きな白い家が佇んでいた。どうやらガレージハウスと言われるものらしく、家の真正面には大きなシャッターがあった。


ジュリアをシャッターの前に着けると、美都がセンターコンソールからリモコンを取り出し、シャッターを開けるとそこにはなんとガラス張りになったリビングの横に、なんとアルファロメオが更に二台鎮座していたのであった。


「・・・なんか凄いね。 本当にアルファ好きなんだね。新しいのからクラシックなやつまで。」


「うん♪大好き。美しいスタイリングに、思わず熱くなっちゃう気持ちのいい走り・・・・本当に最高だわ。さ、上がって。」



ジュリアをその2台の横に止め、降りて入り口から家の中に上がり込んだ。インテリアは赤に纏められていて、所々にアルファロメオのエンブレム等が散りばめられていた。 どうやら予想していた以上に熱狂的なファンらしい。


「・・・・・とりあえず、そこに座って・・・・。紅茶・・・・レモン・・・・ミルク・・・?」


「あ、じゃあミルクで。」



「わかった・・・・ちょっと・・・待っててね・・・・。」


と言って、奥のキッチンの方へ消えていった。どうやら車から降りるとまたいつものしゃべり方に戻るらしい。部屋の中を見渡すと、家具はイタリアンなもので纏められていてなんだかイタリアにいるような気分にさせられるようだった。ソファに腰かけると、ちょうど正面が前述した通りガラス張りになっていて、3台のアルファロメオが一望できるようになっていた。中々に壮観である。

暫く待っていると、おぼんに二つのカップとお茶菓子と思われるお菓子が山のように盛ったボウルを上に乗せてトボトボ歩きながらこちらにやってきた。


「あの・・・・これ・・・・どうぞ・・・召し上がれ・・・・。」


「ありがとう!じゃ、頂きます!」


二ッと微笑みながらこくんと頷いたのを見てから、私は紅茶を飲んだ。紅茶とミルクの合わさった芳醇な香りが口いっぱいに広がり、思わず笑顔になってしまう。お茶菓子のクッキー(?)のようなものも美味しい。これは何なのか美都に訊ねたところ、イタリアのトスカーナ地方に伝わるパンフォルテというお菓子なんだそう。 かの有名な元F1ドライバー、アレッサンドロ・ナニーニの実家として有名なナニーニ製菓から取り寄せたものなんだそう。かなり甘めな味付けではあったが、紅茶とよく合っていた。


暫く私が紅茶とお菓子に舌鼓を打っていると、美都が突然話を振ってきた。



「・・・・で、その・・・・・お礼の事なんだけれど・・・・・。」


「お礼?・・・あ、お礼ってこの紅茶とお菓子の事じゃないの?」


美都はゆっくりと首を横に振った。


「ううん違う・・・・お礼はまた・・・別にある・・・の。」


「そう・・・なんだ。聞いちゃっていいのかわからないけど、お礼って・・・?」


「お礼・・・・はね。あたし自慢の4Cで首都高の夜景眺めに行こうと思って」


「要するに、夜景ドライブに行こうってこと?」


「・・・・そうよ。」


ふふんっと笑って美都は答えた。 ちょっと意外というか、色々びっくりしたけれど彼女なりの最大限のお礼なんだろう。車好きとして、ここは楽しんでくるか。


凛子は余ってた紅茶を飲み干し、荷物をまとめて準備をした。



続く。


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