Σ(゜д゜lll) 活路(後編)
エピテリカは猛攻を仕掛けた。
さまざまな角度から、鞭を連打する。
この波状攻撃に対して、徹底防御を続ける石化少女たち。
さっきまでは片手で握っていたハリセンを、今は両手で握っていた。
そうやって、鞭の威力に対抗している。力負けしないようにしていた。
これほどの猛攻なのに、あの二人の防御が全然崩れない。
エピテリカの方に、小さな焦りが生まれてきた。
石化少女たちを甘く見ていたことを、素直に反省する。このままだと、時間切れになるだろう。
ならばと、攻撃を中断した。別の手を繰り出すことにする。
左手の指と指の間に鞭を挟むと、残りの空いている指を使って、銀色のストローを取り出した。
それで紫色のシャボン玉を大量生産、石化少女たちを包囲するように展開させていく。
「一つ忠告しておこう。これらのシャボン玉、割ると大変なことになる」
ウソをついた。ただのシャボン玉だ。色以外には、特殊な仕掛けをしていない。
しかし、問題ないだろう。石化少女たちが真偽を確かめるには、シャボン玉を割ってみるしかないのだ。
この状況で、彼女たちにそれができるだろうか。
おそらくは無理。
となると、これ以降、あの二人はすべてのシャボン玉を警戒した上で、鞭にも対処しなければならない。
そうなれば当然、石化少女たちは集中力を分散させるしかなく、そこには必ずや生まれる。防御の綻びが。
エピテリカはストローを仕舞うと、再び鞭を握った。攻撃を再開しようとする。
だが、ある種の気配を感じ取った。振り上げようとしていた手を、瞬時に止める。
その直後に、真横から突風が来た。
エピテリカは体に力を入れて、強烈な風をやり過ごす。
もしも、あのまま鞭を振り上げていたなら、まともに影響を受けていただろう。態勢を大きく崩していたに違いない。
(誰だ、邪魔をするのは)
今の風、自然由来のものではなかった。人為的な風だ。
あれのせいで、こちらのシャボン玉はすべて、風下へと消え去ってしまった。
エピテリカは風の起点へと目を向ける。
そこには、身の丈が八メートルはありそうな、パンダのぬいぐるみが立っていた。




