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07.お昼寝タイム



 天気のいい昼下がり。日当たり抜群なクレアのベッドの上。

 いつものように僕はそこで丸くなり、寝る体勢を整えていた。


 あれから五日。

 村に特に変わりはない。のどかな空気が流れている。

 まあ、唯一違うことと言えば、数名の騎士が駐在するようになったくらいだ。


 というのも、あの後――すべての兵士を倒した後、僕の耳にまたも複数の足音が届いた。

 金属がぶつかり響く、兵士特有の足音。しかも、聞こえてくるのは村の方向から。

 瞬間的に、最悪の光景が頭に浮かんだ。

 まさかこれで全員じゃなかったのか、もう村に辿り着かれていたのか、と。

 だから、すばやく茂みに身を隠し、とりあえず様子をうかがうことにした僕だったが、やってきた彼らは想像とは少し違うものだった。

 武装した集団ではあった。だが倒れている兵士とは装備が違うし、それに何より、鎧の胸元には見覚えのある紋章が。

 結論から言えば、彼らはこの国の騎士だった。

 そして騎士たちは、恍惚の表情で動かない兵士を不思議(もしくは不気味)に思いながらも拘束。村の人たちが騒然とする中、彼らを馬車で村の外へと連れていった。


 と、ここまでが僕の知っているところだ。

 その後、兵士たちがどうなったかは分からない。村の人たちや居残った騎士たちも、それについて特に何も言わないから、知りようがないのだ。結局、テレパシーの魔法は使えないままだし。

 だけどまあ、あれだけの人数をわざわざ輸送するのだから、それほど酷い扱いは受けていないだろう。

 というか、そうであってほしい。自衛のためとはいえ、その原因となったのは確かなので、乱暴なことが起きたとなると、呑気に昼寝もしてられない。

 だから頼む。どうか平和的解決を。


 と、そんなことを願いながらも、ついに日差しの暖かさに負け、僕は目を閉じた。

 ……っと、そうだ。

 目と言えば、もう一つ変化があったんだった。

 森の王の力を取り込んだ影響か、いつの間にか左目の色が、青から緑へと変わっていた。いわゆる、オッドアイというやつだ。

 だから家に帰ってきたときは、クレアもかなりびっくりしていたが、相手が猫ということもあってか、一日も経たずにいつもの対応に戻っていった。

 ホント、いつも通りが一番だと痛感する。

 何もない毎日こそが幸せ。

 それを守るために、とても偉大な、そして唯一の話し相手を失ってしまったが、悲しめば森の王の言葉を裏切ることになる。

 それに、彼の力はまだ僕の中で生きている。結局、溢れるような魔力は完全に身体に馴染み、自覚できるほど大きな器の中で安定した。

 だけど、これをあんな風に使うことは、もう二度と無いだろう。

 これからは平和に、昼寝し放題の生活を送り続けるのだから。


 ――と、まどろみに意識を手放そうとした瞬間だった。

 コンコンと、扉をノックする音に、僕の耳がピクリと反応したのは。


「突然申し訳ない。騎士団の者だ。こちらに住まう猫の神獣に、お目通り願いたい!」


 ……おや?

 おやおやおや?

 何やら嫌な予感がする。


 そして嫌な予感のときに限って、二割増しの悪さで的中するのが、僕のはずだ。



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