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いつか夢見た百合の世界  作者: 朝乃 永遠
ブルームーンストーンの世界
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島探検!

朝食を食べ終えて自室でのんびりとした時間を過ごしている。

食事のあと、モカさんは用事があると言ってすぐに帰ってしまった。

あいかわらず忙しそうだなぁ。


後から起きてきたマロンちゃんはかなり驚いてたね。

モカさんは神出鬼没だから。


でも、もっとゆっくりしていって欲しかったなぁ。

こうしてのんびりタブレットでマンガを読んでいられる私は幸せかも。


私はかわいい女の子たちの何気ない日常を描いた4コママンガが好きだ。

ここには私の理想とする日々が詰まっている。

見ているだけでも私の心は満たされていく。


早くアニメ化しないかな。

そんなことを思いながら布団の上でゴロゴロしていると、ドアをノックする音が聞こえた。


「はい、どうぞ~」

「お姉ちゃん、遊びましょう~」

「バニラとチョコか、いいよ~」


そういえば約束してたんだった。

危ない危ない……。

完全に忘れてたよ。


「何したいとかある?」


私は布団を片付けながらバニラに希望を聞く。

するとバニラは両手を上げてピョンと飛び跳ねながら言った。


「島探検!」


島探検?


「急に探検とかどうしたの?」

「急じゃないですよ~、まだ家の近くしか行ったことないです~」


ああ、言われてみればそうかも。

この島で行ったところといえばファミレスのある商店街くらいか。

まだ本土の方がいろいろまわってるかもしれないなぁ。


この島は私でもまだ行ったことないところが結構ある。

と言っても行く必要のなかった山の奥とかだけど。


うん、いいかもね、島探検。


「チョコもそれでいいの?」


さっきから静かにしているチョコにも一応確認を取る。


「……」

「チョコ?」


あ、立ったまま寝てる!




私たちは出かける準備を済ませると、みんなに声をかけて遊びに出た。

チョコとバニラは仲良く手をつなぎながら私の前を歩いている。


とりあえず二人の行きたいところにむかうことにしよう。

私も一つ気になるところがあるけど、時間があれば行ってみよう。

無理だったら明日にでも一人で行けばいいし。


今は二人におまかせしよう。

そう思ってしばらく歩いていると、バニラが立ち止まった。


「お姉ちゃん、山の方に行ってもいいですか?」

「え? 別にいいけど……」


山に行くのか。

てっきり街の方とか海沿いの方に行くと思っていたから意外だった。

チョコは山を登っていきそうだけど。


「ちょっと気になるところがあるんですよね~」

「私も少しそう思っていたんだ」


バニラもチョコも何か引っかかるというような表情をしている。

そして実は私の気になる場所というのもこの山の頂上付近だった。


なぜ今になってそう思うのかはわからないけど。

こういうときは大体何か起きるからなぁ。


「マスター、もしかしたらすごいものが見つかるかもしれないぞ」


チョコがニヤッと楽しそうに笑った。

嫌な予感がしてくるなぁ……。


「行こうか」


チョコが先陣を切って山を登っていく。

私はこっちの方はほとんど来たことがない。

ただ、入り口みたいに小さな鳥居があるのは知ってたので、そこから山へ入ることにした。


鳥居の後ろには石の階段がくねくね曲がりながら続いている。

もしかしたら上には神社か何かがあるのだろうか。

まぁ、行けばわかるか。


そして登り始めて30分位すると、先に行ったはずのチョコは最後尾を歩いていた。


「チョコ~、大丈夫~?」

「うう、疲れた~」


チョコが疲れるのも無理はない。

この石階段、かなり登りづらい。


ただバニラが平然と登れてるのが不思議だ。

すごいなぁ。

意外と体力あるんだなぁ。


「くっ、この山が私の魔力を吸い上げているのか……」

「え? 嘘……」


チョコが怖いことを言い始める。

それが本当なら、やっぱりこの先に何かあるんだ。

一度気合を入れ直そうと思ったとき、バニラがチョコの言葉を否定した。


「そんなわけ無いでしょ、普段から魔力の無駄遣いするからじゃない」

「うぐっ」


なんだそりゃ。

一体何に魔力使ってるんだろう。

それのほうが気になる。


「あ、そうだ、飛んでいけばいいんだ」

「へ?」


チョコ、何を……。


と思ったときには、チョコはモフモフの姿になっていた。

久しぶりに見たな、この姿。

寝てるときも戻らないもんね。


「なるほど、チョコ賢いですね」

「え、まさかバニラまで?」

「えへ、後はよろしくです、お姉ちゃん」


そしてバニラもモフモフの姿になり、二人とも私の肩に乗ってきた。

いや、飛んで行くんじゃなかったの?

別に軽いからいいけどさ。


あれ、そういえば服はどこ行ったの?

服ごと変身できるようになったの?

元に戻ったときのサービスシーンはないの?


そんなぁ……。


急に両肩が重くなった気がするよ。

しかも何だか一人ぼっちになった気分。

遊びも兼ねてるんだからおしゃべりしようよ。


「さ、お姉ちゃん、レッツゴーです!」

「ええ!? その姿で喋れるの!?」


なんか君たち成長してるね。

じゃあまあ、先に進むとしますかね。

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