第一話 驚愕の事実。猫と男。
いつも応援いただきありがとうございます。 「猫と男と友人」シリーズに混ざっていた「クマちゃん小話」は、よく考えた結果、独立させることにいたしました。 イイネを押してくださった読者様、クマちゃんのためにブックマークをしてくださった読者様、ほんとうにありがとうございます!ですが、せっかく押してくださったのに大変申し訳ございません!心よりお詫び申し上げます。 今後、こちらは「猫と男と友人」シリーズのみの掲載となります。 引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
世界は驚きで満ちている。たとえば「ニャーニャーニャー」
「……あのさ、俺、今ちょっと考えごと」「ニャーニャーニャー」「だよね」
男は考えごとを数秒で諦めた。
なぜなら、猫には勝てないからだ。
可愛い猫は「ニャー」と言いながら、彼を見上げた。
言葉が通じなくても分かる。
これは、撫でてくだちゃい……という意味だ。
仕方ないな、とため息をつく。
怠そうに腕を持ち上げ、愛くるしい猫に手を伸ばす。
もふ……と柔らかな毛が、指のあいだをすりぬける。
「猫ちゃん可愛いでちゅねー。よちよち」と猫を撫でる、クールぶっている男は、自分の顔がどうなっているのか、まるで想像していなかった。
世界は驚きに満ちている。驚きは、すぐそこににある。
たとえばそう、鏡の中に――。
「うわっ顔キモっ!!」
「ニャー」