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電話にて、藤隊員の証言

やっと出たな。

簡潔に言うが、月白先輩はここにはいない。

ここに住んでいたという老夫婦は既に亡くなっていた。



……隣に住んでいるばあさんが親切でな。

色々教えてくれたんだ。

日本人男性とドイツ人女性の夫婦で、長いこと病気だったそうだ。

五年前に亡くなった後は生前からの希望通り、特に葬儀は行わず、匿名で葬られたそうだ。



……普通に考えたらな。

だが、月白先輩が家族のことを話したがらなかったことを考えると、良い関係では無かったのかもしれない。



……ああ、娘が一人いたそうだが、家を出てからは一度もここへ戻ってきてないという。

普通に考えれば、その人が月白先輩の母親ってことになるが……。



……家に入ったが写真は無かった。

関係ありそうな書類も見つからなかった。

隣のおばさんは孫がいることも知らなかったという。

家具は殆ど遺されていたが、ずっと放置されているらしく埃と蜘蛛の巣まみれだった。



……ドイツでのこれ以上の捜索は無謀だ。

あまりにも情報が無さすぎる。

そちらは何か進展があったか?




……柳?

何処かで聞いたことがあるような……。

というか……。



……噂をまるっと信じて、聞いた話を総合すると……。

……柳ってやつが生きてても死んでても、まだ建物内にいるってことにならないか?

出ていくのを見てないってことは、誰も知らない場所でもあるのか……?

月白先輩もまさかそこに?

もしくは運ばれた……どこに……誰に?



……駄目だ。

わからないものを考えたって仕方ない。

隠し部屋があるとは思えないが、お前が探せ。

うちで一番あの建物に詳しいのはメンテナンス部だ。

パイプスペースや地下ピット、天井裏なんかにいつも潜り込んでる連中だからな。

あと、建物の設計図も残っているはずだ。

おそらく法務部にある。

とにかく不自然な物が無いか徹底的に調べろ。

いいか。

無いとわかるまで調べろよ。



……ああ、頼んだ。



……疑って悪かっただと?

お互い様だ。

まあ俺はまだお前を完全に信用してる訳じゃない。

勘違いするな。

他に用が無いなら切るぞ。



……ホワイト教授のゼミのことか?

S大で人工知能の意識について研究していたが、今はもう辞めたと聞いている。



……AIの研究をしていたはずなのだがいつの間にか実学的な物は何もなくなり、何だか良くわからない議論をふっかけられては古典哲学を読まされる日々だった。

正直、月白先輩がいなければさっさと辞めていただろう。



……数年前に定年になったはずだ。

もうやらなくていいことしかやりたくない、もう辞めたいといつも言っていた。

今頃何処かで晴耕雨読の生活でもしてるんじゃないか。

卒業してからも連絡を取っている様子は無かったから彼女が何か知っているとは思わないが……。



……えっ!?



……どうやって祖父母の家に入ったかだと?



……何だか急に電波が……悪い……な…聞……ない。

すま……が……切るぞ。




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