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法務部部長、東雲の証言

……。



……なんだい?



……君は誰だい?



……ああ、君か。

月白ちゃんの件で内部調査してるっていう探偵君。



……ん?

新橋の部屋で何をしてるかって?



……何をしてると言えるほど何かをしてるわけではないが、何もしてない訳じゃないんだ。

ちょっと説明が難しいんだが……。

君には今、僕がソファに寝そべってタブレットを見ているように見えるだろ?

人によっては僕がサボってると思うかもしれない。

だが実際はそうじゃないんだ。



……情報収集?

収集してると言えるほど、情報は頭に入っていない。

今見てるのは漫画だしね。

それも初めてではなく、何回も読んだ漫画だ。



……いや休んでいる訳でもない。

休んでいると言えるほど、頭も体も休んではいない。

見てくれ、この硬いソファを。

木製の肘掛けはさっきから僕の後頭部を痛めて止まないし、この中途半端な大きさは僕が脚をのびのびと伸ばすのを許さない。

体が休めなければ頭だって休めないさ。

そういうことで僕は休んでないと言える。



……そうだな。

わかりやすく言うと、僕は最初、ボールペンを探しに来たんだ。

ただのボールペンじゃなく、ドイツ製のお高いやつさ。

考えられるところは全部探して無かったものだからもうここしか無いと思って探しに来たんだが、これがまた見つからない。

そもそもそのボールペンは実は新橋が会議室で落とした物なんだが、返す前に少し使ってみたら凄くしっくりきたものだから愛着が湧いてしまってね。

でも2、3日使っているうちに今度は僕が無くしてしまったんだ。

もしかしたら新橋が僕に黙って回収したんじゃないかと疑ってここに来たんだが、肝心の新橋が留守だったんだ。

新橋が持ってるんならいいんだけど、持ってないならまた探さなくちゃいけないだろ?

だから僕は今、ボールペンを探しているわけでもないんだ。



……新橋を待っているわけでもないな。

別にあいつが戻ってくるまでここにいるつもりもないし、ただ戻ってくるまでに帰りたい訳でもない。

僕はもうボールペンなんてどうでもいいんだ。

そもそも新橋が僕に行き先を告げる訳が無いしいつ戻ってくるかなんてわかるわけが………



……あれ?どこいくの?

ここに用事があったんじゃないの?


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