クサレ新橋の証言
やあ、また来たね。
どうぞ掛けて。
またお茶でもだそう。
……それで?
何かわかったかい?
何か上に報告出来るようなことがあればいいんだが。
……裏口のことか。
まぁ鍵さえあれば出入りは自由だ。
業者でもない限り、なかなか使うことはないがね。
あそこの鍵は普段は私が預かっているよ。
ほら、そこのキーボックスを見てごらん。
……他に適切な部署があればいいのだがね。
メンテナンス部は、ビルの保守管理とシステム管理で手一杯だ。
……ここだけの話、このビルは見た目以上に古くてね。
常にメンテナンスしなければいけないほどボロボロなんだよ。
ご存知の通り、彼処は常にイライラしている。
無理もないがね。
これ以上彼らの仕事を増やすことなど出来ないよ。
その他の部署となるともっとあり得ない。
彼らは自分たちのことしか考えてない利己的で……
……鍵が無い?
ちょっと見せてくれ。
……ああ、本当だ。
まぁ……、きっとメンテナンス部だろう。
地下がどうこう言っていたから。
以前にもこういうことがあったんだ。
そうだな……、君、メンテナンス部へ行くだろう?
鍵を返して貰ってきてくれ。
そこに戻してくれれば報告してくれなくても構わないから。
……鍵を管理してないって?
そもそも私が留守の時には、月白くんが僕の代わりに管理することになっているんだ。
言っただろう、留守だったって。
……ああ、なるほど。
彼女が持ち出した可能性もあるのか。
……さて、そうなると……。
……まぁ、これは君の仕事だな。
……さて、他にも報告することはあるかな?
……緊急連絡先か。
それは法務部で管理している。
最近はコンプライアンスだなんだってうるさいからね。
何度か月白くんの家族に連絡しているようだが……。
……行方不明者届は、このまま家族と連絡が取れないようなら、うちで出すべきだろう。
その辺も法務部と相談してくれ。
まぁ、出したところで警察に何か出来るとは思わないがね。
……君のほうが優秀だ、という意味だよ。
さて、そろそろいいかい?
うちの部署で打ち合わせがあるんだ。
……?
もちろん山吹くんも出席する。
何かあるのか?
……ほう。
……ああ、伝えておこう。
では、引き続きよろしく頼むよ。




