信じた通りだ。
「それはできない。」
影の恵瑠はほんの少し驚いた顔をした。
「何で!?憎いんだろ!?」
「憎いよ。でも、復讐なんてしたら、自分があいつらと同じ、いや、それ以上になってしまうから。」
影の恵瑠は何も言わずただ恵瑠を睨む。そのまま恵瑠は言葉を続けた。
「それに、復讐なんてしたら、なにか大事なものがなくなってしまう気がするんだ。そして今、守りたいものがある。だから私は・・・・・」
「‘レッドスプライト‘」
恵瑠にめがけて赤く光る雷の光線が飛んでくる恵瑠は左手を構え、光線と、それを発している影に向ける。
「何としても、お前を止めて見せる!!‘ブルージェット‘」
恵瑠は青い光線を放つと、向かいの赤い光線とぶつかる。
煙が舞うと同時に、恵瑠の右手は強い白い光を出す。
恵瑠はそこに更に強い魔力を込めれば、その光は、雷をまとった槍に変化した。
一度見たことがあるが、この前見たのは槍型の雷。だが、今見ているのはどこから現れたか誰も知らない金属の槍は、バチバチと白い雷をまとっていた。そう、これが、恵瑠の奥義の完成体だ。
「‘ホーリー・アッサル‘」
恵瑠は槍を煙で見えない影の元へ投げる。宙を進む槍は五本に分かれ、それぞれが先ほどよりも強い雷をまとう。
煙を突き抜ければ、次の構えをしていた影が目の前に飛んでくる槍に息が止まったような顔をする。
五本の槍は影を突くと、槍自身も光の雷となり、影の身を焦がす。影の足元の青い炎は大きくなり、影を飲み込んだ。
蒼い炎から黒い気が出てきた。恵瑠の周りをクルクルと回り、恵瑠の中に戻るように消えていった。
すると、空の黒が恵瑠の真上を中心に消えていく。出てきた太陽は、悪夢の終わりを告げるような朝日だった。
一方、蒼い空が出てくると同時に、陰陽の里から人があふれ、人々はそれぞれリトル街、マジョノ町等に帰っていく様子を春香、ミア、翼は静かに見つめた。
ほら、信じた通りだ。
この後は、リトル街では街の復興だったり、マジョノ町は祭りを開いていたり、陰陽の里はいつもの様に修行の再開が始まってるのであった。
空、蒼い方がいいでしょう?
そう思えて来たかも。
また、平和な日常が帰ってきたのであった。




