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9話

コピー機能が直ったので全部更新あげます。文字数も増えかと……。

いつまでもここにいるわけにも行かない。

あまり減ったようにみえないリンゴの籠はいつもとかわらなかった。ただ、お婆さんが飢えないでいてくれるならそれでいいと思ったのだ。


「お嬢さん、落としたよ」

「ああ、ありがとうございます」

今日はお婆さんに縁がある。今度は真っ黒なローブをきたお婆さんだ。まるでさっき会ったお婆さんが言ってた魔女そのものだった。

フードに覆われて顔は見えなかったが、細い指に大きめな指輪がついていて、失礼なことだけど不釣り合いに思ってしまう。

気づいたときにはお婆さんの手からリンゴがひとつ籠に戻された。

「ありがとございます」

「なあに、気にしなさんな」


大量のリンゴを持って帰るとお兄さんは馬鹿にしたような顔でみてきた。


「また余ったのか? 」

「別にみんなで食べようと思っただけだよ」

テーブルに雑に置くと、バランス悪くのっていたいくつかがテーブルから転がりドワーフの頭に当たった。

「そうか。そりゃいい! 一つもらうか」

「ちょっと、ご飯が先だよ」

止める間もなくかじられていくリンゴから良い音が鳴るとやっぱり村のリンゴは美味しいのだと感じる。

「あ、スノウもダメだよ。食後に……え、」

お兄さんの影に隠れて見えなかったけど、スノウもリンゴに手を伸ばしていて、かじりついていた。


ただ、何が駄目だったかは分からない。

スノウは一口リンゴをかじっただけだったから。


床に身動き一つせずスノウは倒れた。


お兄さんが駆け寄って表情を険しくさせて、気付いたらわたしは後ろ手に縛られていた。

ドワーフやお兄さんじゃなくてよく分からない男の集団がわたしを囲み、何かを言っていた。

「毒リンゴ、でしょうね。彼女が紛れさせたのかもしれません」

「それなら俺も食べた! 何もなかっただろ! 」

「ですが、スノウは倒れています。彼女が怪しい」

「決めつけるのは早いといっているんだ! エラがそんなことするわけが、! 」

「例え彼女が毒リンゴを紛れさせた訳ではないとして、ではこのたった一つ紛れていた毒リンゴはどう紛れたのでしょう。籠にたくさんのリンゴ。その中で毒を含むのは一つだけ。彼女が魔女ならば、スノウがそれをとるように暗示をかけるだけでいい。簡単なことです」

「そんな馬鹿な話があるかよ!? そもそもおまえは誰なんだ! 勝手にきて意味の解らないことを! 」

「失礼、自己紹介が必要だとは思いませんでした。わたしはエルフの地を治める長を父にもつ、名をローウェン。お見知りをきを」

優雅な動作で頭を下げられ、特徴的な耳が髪からのぞいた。

そこからが早かった。お兄さんを止めるのも聞かず、わたしを集団で囲み、歩かせる。

迷うことなく進んだ先は、わたしがさっきまでいた村だ。リンゴを売りにいった村だ。

そこには王国軍が列をなしていた。

ローウェンは迷うことなく、その中の一人と話し出す。

「スノウは死にました。あなた方が行ったようにこの者の仕業なのでしょうね」

「だから言っただろう。女王の予言は外れない」

外れてるもなにも当たってすらいない。

わたしは女王にはめられたのか。それとも、この男達か。分からない。

「おい、王女がいない。王女も引き渡すのが条件だったろう」

「王女ならわたしたちで葬りました。死んだ王女がどうなろうがあなたたちには関係がないのでは? 死んだかどうかはあなたたちの主が分かることだ」

人間がエルフよりも優位に立っているような会話がおかしかった。わたしたちよりも身体能力が高い彼らが何故彼らに条件を持ちかけられ、従っているのか。


分からないことだらけだ。


でも、分かっても状況は変わらない。

わたしの犯してもいない罪は消えないのだ。



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