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センエース  作者: 閃幽零×祝百万部
第A章 この絶望的な地獄をタイムリープで乗り越える!!

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8/20

8話 300万もらって、美少女中学生を引き取ることになりました。


 8話 300万もらって、美少女中学生を引き取ることになりました。


 俺の困惑を置き去りにするように、少女は淡々と自己主張を続ける。


「迷惑はかけません。どうか、よろしくお願いします」


「……いや、えぇ」


 朝一番で聞かされるには、あまりにも重すぎる話だった。


 彼女は続けて、矢継ぎ早に、


「閃先生……あなた以外に、頼れる人がいません。あなたに見捨てられたら終わりです。いいんですか、私が終わっても」


「……いや、あの……俺、君とは今日が初対面なんだけど……」


「父が、もし自分に何かあったらあなたを頼れ、と言っていました」


「俺、あいつとも、そこまで仲良くなかったけど……」


 困惑を隠せないまま、俺は素直な疑問を口にした。

 だが、少女は表情ひとつ変えずに続ける。


「父には、あなた以外に知人が一人もいませんでした」


「……どういうやつなんだよ、あいつ……てか、すげぇモテそうなやつだったけど……」


 なんとも言えない気持ちになりながら、俺は、


「ちなみに、いつ亡くなったの?」


「二週間ほど前です。ずっとお葬式の対応に追われていて、ようやく片付いたところです。ちなみに母は、私が生まれてすぐに亡くなっています」


 二週間。

 その間、この少女はたった一人で、父親の死という現実と向き合い続けていたということか。


 ……朝っぱらから、きつい話を聞かせんなよ。

 そういう重い話、嫌いなんだよ……

 心がキューってなるんだよ……


「……だからって……引き取れってのは……なかなかぶっ飛んでないか?」


「このままだと、私は遠い親戚に引き取られることになっています」


 少女は淡々と続けた。


「噂によれば、あまり素行のよくない人だそうです。あちらに行けば、私はおそらく、夜のお店に売られることになると思います」


「えぇ、いや、それは考えすぎじゃ……その親戚のことなんか知らんから、テキトーなこと言えないけど」


 そこで少女はカバンから一通の封筒を取り出し、俺に差し出した。


「これは、父の遺言ゆいごんと、香典こうでんなどをまとめた全財産です」


 受け取った封筒はずっしりと重い。

 中を確認すると、便箋びんせん一枚と、帯封おびふうのついた札束が入っていた。

 便箋には、たった一行だけ。


 ――娘をどうかよろしく。信頼できる人は、あなたぐらいなのです。どうか、お願いします。


 俺は、しばらく無言でその文字を見つめた。

 ここまで信頼されるようなことは絶対にしていないんだが……

 あと、お前、娘いるなら、生命保険ぐらい入っておけや……


 封筒の中身を数えてみると、ちょうど300万円。


「……300万か」


 『他人の子供をあずかる額』としては話にならない安さだが……

 ちょうど今、ノドから手が出るほど、まとまった金が欲しかった。


 この金があれば、いちいち闇金を回らなくてすむ。


 ……正直、女学生の世話なんか、自分にできる気がしないが……

 失敗したときは、タイムリープしてやり直せばいいし……

 うん、まあ、なんとかなるかも……

 タイムリープ最強だし。


 とにもかくにも、この300万は絶対にほしい。


「……んー……よし、わかった。君の保護者になろうじゃないか」


 俺は封筒を力強く抱きしめながら、頷いた。


「……ありがとうございます」


 ユウガは、小さく頭を下げる。


 こうして、俺は思いがけない形で、一人の少女を引き取ることになった。


 俺の人生、だいぶ変な方向に向かってダッシュしているが……まあいい。

 とりあえず、軍資金はできた。

 これで心置きなくタイムリープできる。



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