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足を斬られてダンジョンに置き去りにされた少年、強くなって生還したので復讐します(習作2)  作者: 田中寿郎
冒険者編

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第79話 【決闘】リュー vs ハリス王子

確かに、ハリスの目の前で転移を使ってしまったリューであった……。

 

ただ、ハリスは何があったのか認識していなかったようであったのだから、黙っていればバレなかったかもしれないのにとリューは虫の良いことを考えていたのだが……

 

冷静に考えれば、目の前に突然人間が現れたのだ、仮に王子が見ていなかったにしても、目撃した騎士たちも多くいるはず。いずれ気付かれてしまうのは一緒かと、リューはすぐに諦め切り替えた。

 

そもそも、リューは割と無頓着に人前でも転移を使って見せている。王族にバレたくないと言っても、リューの能力が世間にバレ、やがて王宮に伝わるのは実は時間の問題であったのだ。

 

ソフィ 「転移魔法があれば、戦もすべてが変わる。敵の背後に軍隊を出現させる事だって可能になるのだぞ? そのような者が敵に回らないよう、王宮に留めておく事は有益であると思わんか?」

 

ハリス 「た、確かに、転移魔法が本当なら、国にとっては有益ではあるが……本当なら、な。」

 

ソフィ 「本当じゃ、今、目の前で見たであろうが。(わらわ)達はダンジョンからリューの転移で出てきたのだぞ?」

 

ハリス 「だ、だからといって、ソフィと結婚する必要はないだろう?」

 

ハリス(リューに向き直って) 「おい、貴様。王都でお前に相応しい結婚相手を私が用意してやる。ソフィの事はあきらめろ」

 

リュー 「いや、別に俺はソフィと結婚する気はないのだが……」

 

ハリス 「何?! ソフィに魅力がないと言うのか?! 不敬であるぞ!!」

 

リュー(コイツも面倒臭い奴か……)

 

ソフィ 「いや、妾はリューが気に入った! もちろんリューの気持ちは尊重するがの。そのへんは、これからじっくりと、時間をかけて妾の魅力をリューにも知ってもらうつもりじゃ。だから、妾は王宮にはまだ帰れぬ」

 

リューに撓垂(しなだ)れ掛かかるソフィ。

 

それを見て、ハリスが激昂する。

 

ハリス 「貴様、ソフィに触れるなど無礼であるぞ!! 離れろ!!」

 

リュー 「いや、くっついて来てるのはソフィなんだが……?」

 

分かっているが、だからこそ余計にイラつくハリスであった。

 

(ソフィはこの男に惹かれておるのか? こんな平民の冴えない男に? そんな事認めるわけにはいかん。こうなったら…私がこの男を倒して弱い奴だと分からせればソフィも考え直してくれるだろう、そして私の強さを見てソフィも私に惚れ直してくれる! そうだ、それがよい!)

 

ハリス 「おい、リュージーンとか言ったな? 貴様に決闘を申し込むぞ! 俺が直々に、貴様がソフィに相応しい男かどうか確かめてやる」

 

リュー 「なんなんだ突然? なんで俺が決闘しなければならんのだ? 言ってる事がさっぱり分からんぞ、オマエ……」

 

ソフィ 「つまり、リューが勝ったら結婚を許してくれるのじゃな?」

 

ハリス 「認めない。この男がお前が相応しい男ではないと言う事を証明してやると言っておるのだ! さぁ、正々堂々と俺に斬り殺されるがよい!」

 

リュー 「だから結婚する気はないと言ってるんだが……」

 

気の毒そうに近くに居た騎士が言った……

 

騎士A 「……平民のお前の意志など関係ないのだ……気の毒だがあきらめろ」

 

ソフィはわくわくした顔で、リューにやっちゃって! と煽っている。どうやら、王女と王子のダブルワガママなので、騎士たちもお手上げという事らしい。

 

やれやれとリューは肩を竦めた。

 

 

 

 

剣を抜いたハリス王子。

 

だがリューが丸腰なのを見て、騎士に剣を貸してやれと言う。

 

リューは収納魔法で剣もすべて亜空間に置いているため、武器を身につけていないように見える。いつも使っている魔剣(フラガラッハ)も亜空間収納の中にあるが、今回はわざわざ魔剣を使う必要がないので、普通の剣を騎士から借りる事にした。

 

(今度、普通の剣も買っておこうと思うリューであった。)

 

剣を構え対峙するリューとハリス。

 

ハリスがリューに斬りかかる事で、二人の決闘は幕を開けた。

 

 

 

 

激しく切り結ぶリューとハリス。

 

ハリス王子も幼い頃から文武両面で英才教育を受けてきており、剣の腕もなかなかのものであった。王宮騎士団の騎士と比べてもトップレベルの実力があるのは間違いない。

 

だが、その程度でリューに敵うわけがないのであった。

 

初めは、時空魔法の発動を抑えつつ、適度に相手に合わせていたリューであった。リューの反射神経と筋力であれば、時空魔法を使わなくとも、リュー自身の剣の技量が剣聖ほどには優れておらずとも、ハリス程度であれば十分互角に相手ができるのであった。

 

逆に言えば、ハリスがリューと互角に戦えているのは、ハリスの剣の腕もかなりのレベルであるとも言えるのだが。

 

十数合斬りあう間、様子を見ていたリューであったが、ついにハリスの実力に見切りをつけ、徐々に速度を上げていく。

 

先程ハリスは、アイガ達がリューを襲ったのはアイガ達の勘違いだと言った。実は、本当にアイガ達がそそっかしい性格で、勘違いだった可能性もなくはない。

 

だが、客観的事実はどうあれ、ハリス自身がどう思っているかは、ハリス自身の心を覗けば分かるのである。

 

リューの瞳はダンジョンの中では周囲を警戒するため常時金色のまま(神眼発動状態)であったが、ダンジョンから出た後もずっとそのままの状態であったのである。

 

当然、ハリスの心を読み、ハリスがリューを殺せと命じた事をリューは見抜いていた。

 

リューは、自分を殺そうとした人間を簡単に許す気はない。

 

 

 

 

時空魔法によってリューの動きが徐々に加速されていき、やがてハリスをリューが圧倒し始める。リューの速度がハリスの3倍に到達する頃には、王子はもう対処できなくなり、ついに片腕を切り落とされてしまったのであった。

 

さらに返す刀でもう片方の腕も斬り飛ばすリュー。

 

「うぉぉぉ! 腕がぁぁぁぁ!」

「兄上!」

「王子!!」

 

だが、まだ終わっていなかった。腕を斬り飛ばしたリューの剣は、そのまままっすぐハリスの胸に突きつけられていた。

 

リュー 「終わりだ」

 

リューはそのままハリスの胸を剣で貫いてしまったのである。

 

 

 

 

心臓を貫かれ、倒れたハリス。

 

ソフィ 「兄上!!」

 

ソフィは慌ててハリスに駆け寄る。性格に問題のある王子であったが、ソフィにとってはそれなりに優しい兄であったのだ。やっちゃってとはリューに言ったものの、まさか本当に殺すとは思っていなかった。

 

思わずリューを睨みつけるソフィ。

 

「リュー!! 殺す事はなかったであろう?!」

 

 


次回予告

 

加速の魔法は相手に掛ける事もできます

 

乞うご期待!

 

 


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