高潔という欲望の白馬
Ayumitales by Souji Yamato
朝方、アユミとセシルが結ばれてからの午前9時‥‥アユミたち冒険者パーティーは、所在地『モルフィン神殿』前を、通り掛かりました。
ところが、昨日まで在ったはずの神殿が、何処にも存在しません。
一同の背筋を、戦慄が駆け抜けます。
「馬鹿な‥‥神殿は、昔から、ここに在った筈なのに!」
「けど、ミトンさん‥‥最近ですよ、いきなり、神殿が出現したのは」
「そうなのセシル?」
「そうですよ、ミトンさん。町では、女神の奇跡だと言われてました」
セシルの答えで、一同、安心しました。
そのあと、アユミたちパーティーは、冒険者ギルドに到着して、本日も、クエスト『薬草採取』を受注しました。
それから、小一時間後、薬草採取の現場『カレイドの森』に着いて、作業を開始します。すると、白き一角馬『ユニコーン』に遭遇しました。
ユニコーンは、様々な『おとぎ話』で『処女を守護する聖獣』として登場する馬です。どうやら、ユニコーンの目当は、処女のミトンだと思われます。
ですが、天才魔道士ミトンは、自分の周囲に、無杖無詠唱で『光の矢』を十数本も展開しました。すぐさま、ミトンが叫びます。
「光の矢よ、敵を射貫けぇーっ!」
いきなり、ユニコーンが、十数本の『光の矢』に射貫かれて、絶命しました。
システム音声が響きます。
『淫獣ユニコーンの討伐で、全員のレベルが、大幅アップしました。
――アユミの召喚士レベルが、かなり上がりました。
アユミが、各種スキル/コマンドを習得しました。
詳しくは、ステータス画面を、ご覧ください!』
それから、間もなくして、ミトンが言い放ちます。
「あんたたち、危なかったわね!
もう少しで、処女と馬との交尾なんて危機に、陥るところだったわよ。
‥‥あれ?
そう言えば、処女って、私だけなのか‥‥」
この言葉は、皆を、奇妙な沈黙で、支配しています。
ともあれ、程無くして、皆で、ユニコーンから『一本角や魔物コアなど』の素材アイテムを採取しました。
さらに、クエスト『薬草採取』を達成してから、冒険者ギルドで『ユニコーンの素材アイテム』を買い取ってもらうと、全員の装備を新調できるだけの現金が、手に入りました。そこで、早速、色々な店で、新装備を揃えます。
結果、全員(初心者)の見栄えが『上級冒険者』並みに良くなりました。
召喚士アユミは、黒と白の配色のコートに、魔法の杖『ストライク・スタッフ』です。この杖は、太くて長いので『木の棍棒』よりも、打撃力があります。
また、蛮族戦士ウルガは、エナメル革の半裸甲冑と、鉄刀木の棍棒です。おかげで、見た目が、野蛮な風俗女王になりました。
そして、治癒士セシルは、白い可憐系ローブと『聖なる杖』で、魔道士ミトンは『可愛いは正義』を具現化したような『歌姫ローブと歌唱ロッド』です。
ちなみに、最高値はミトンの装備で、最安値のアユミの装備の2倍もします。
こうして、アユミたちは、見た目ばかりが、立派に変わりました。
Ayumitales by Souji Yamato




