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冒険のあゆみ  作者: 大和奏時
アレクサンドル子爵家

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召喚士の価値

Ayumitales by Souji Yamato

 魔道《まどう》士《し》ミトンの実家《じっか》『アレクサンドル子爵《ししゃく》の屋敷《やしき》』での出来《でき》事《ごと》です。



 結局《けっきょく》、あれから、2時間《じかん》は、応接《おうせつ》室《しつ》で待《ま》たされています。

 ふと、召喚士《しょうかんし》アユミが、ミトンに言《い》います。


「そう言えば、衛兵《えいへい》に詰問《きつもん》された時《とき》‥‥

 冒険《ぼうけん》者《しゃ》カードを提示《ていじ》すれば、良《よ》かったんじゃないか?」


「冒険者カードは、あくまでも『冒険者ギルド窓口《まどぐち》カード』だから‥‥

 相手《あいて》に、失礼《しつれい》にしかならない」


「そっか‥‥」


 アユミは、納得《なっとく》しましたが、残念《ざんねん》そうな様子《ようす》です。

 そうして、あれこれ話《はな》していると、アレクサンドル子爵ミトスが現《あらわ》れます。


 その子爵ミトスは、恰幅《かっぷく》の良い中年《ちゅうねん》男性《だんせい》です。

 子爵が、実娘《じつじょう》ミトンを見《み》て、言います。


「おお、確《たし》かに、私《わたし》の可《か》愛《わい》い娘《むすめ》だ」

「お父《とう》さま、お久《ひさ》しぶりです」


 再開《さいかい》した親子《おやこ》は、和《なご》んでいます。

 こうして、各自《かくじ》の挨拶《あいさつ》と、これまでの経緯《けいい》が話されました。



 しかしながら、ミトンが、アユミ(美《び》男子《だんし》)の従属《じゅうぞく》者《しゃ》になった事《こと》に、子爵ミトスは、冷静《れいせい》な態度《たいど》のうえ、嫌悪《けんお》の類《たぐい》を示《しめ》していません。

 子爵が、アユミに告《つ》げます。


「ミトンのことは、大事《だいじ》にしてやって欲《ほ》しい。

 これは、父《ちち》としてだけでなく、貴族《きぞく》としての望《のぞ》みでもある」


「ミトンのことは、大事にしています」


「だったら、一向《いっこう》に、好《す》きにしてもらって、構《かま》わない‥‥

 夜《よる》には、しっかりと、情事《じょうじ》に励《はげ》むが良い!」


 子爵は、至極《しごく》、真面目《まじめ》に語《かた》っています。

 やがて、食堂《しょくどう》の方《ほう》で、夕食《ゆうしょく》の準備《じゅんび》が整《ととの》ったことが告げられました。



 アレクサンドル子爵家(け)の夕食は、オサーカの館《やかた》のものよりも、残念《ざんねん》ながら簡素《かんそ》です。しかし、肉《にく》料理《りょうり》が中心《ちゅうしん》のため、蛮族《ばんぞく》戦士《せんし》ウルガが満足《まんぞく》しています。

 しばらく、アユミが、食事《しょくじ》を摂《と》ると、子爵ミトスが話し掛《か》けて来《き》ます。


「ところで、アユミ殿《どの》、私の長女《ちょうじょ》『ヘレン』にも、種《たね》付《つ》けしてくれないか?」

「え‥‥」


「ヘレンは、跡《あと》継《つ》ぎだ。優秀《ゆうしゅう》な子孫《しそん》を、産《う》ませたい!」

「あの、俺《おれ》なんかで?」


「君《きみ》は、召喚士という貴重《きちょう》クラスの価値《かち》が、分《わ》かっていないのか?

 それは、どうあれ、ヘレンは、処女《しょじょ》だと思《おも》うのだが。

 ‥‥君が望めば、どんな変態《へんたい》ハレンチ行為《こうい》をしても構わない。

 無論《むろん》、今後《こんご》は、この屋敷を訪《おとず》れる度《たび》に、ヘレンを孕《はら》ませても良いのだ」


「‥‥」


 余《あま》りのことに、アユミ(18才《さい》)が沈黙《ちんもく》しました。見れば、子爵の令嬢《れいじょう》『ヘレン』(清楚《せいそ》美女《びじょ》22才)が、赤面《せきめん》しながら、恥《は》じらい震《ふる》えています。

 子爵ミトスが続《つづ》けます。


「しかし、ヘレンは、6才ほど年下《としした》の『伯爵《はくしゃく》家の5男《なん》』と婚約《こんやく》しているが‥‥

 ――相手が、成人《せいじん》する前《まえ》で、良かった。

 その話《はなし》は、丁重《ていちょう》に‥‥金品《きんぴん》をもって、お断《ことわ》りする。

 ただし、アユミ殿、ヘレンは跡継ぎだ。従属させないで頂《いただ》きたい!」


「わかりました」


 アユミは、照《て》れながら、話を承諾《しょうだく》しました。

 一方《いっぽう》のヘレンは、恥じらい涙《なみだ》ぐみながら、俯《うつむ》いてしまいます。



 こうして、召喚士アユミは、子爵令嬢ヘレンと子《こ》作《づく》りをする事となりました。

Ayumitales by Souji Yamato

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