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希う  作者: 樒 七月
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12 行動の理由

「じゃ、連絡先を交換しておくか。赤外線は使えるな?」

 近くに置いていた携帯電話を取り、既にこっちに向けられていた携帯と向かい合わせにした。まずは受信。その後に送信。自分のプロフィールは入れてないから相手が名前を登録するのが手間だけど、ケータも同じだった。番号とメールアドレスしか入っていない。俺がプロフィールを入れないのは面倒という理由ではなく、個人情報をなるべく保存したくないからだ。連絡先も、20件に満たない。もう使わないと判断したものは、削除している。

 久しぶりのアドレス登録だ。ケータ、と名前を入力して、すぐに呼び出せるように登録した。

「放課後に公園で待ち合わせでいいか?」

「ああ。図書館だと教えてもらうのにうるさくなるし、外だと運動もできるから良いと思う」

 公園には、ベンチだけじゃなく、テーブルがあるところがある。そういう場所だと、うるさくしても問題ないし、手合わせするにも丁度良い。それに、クリーガーと出会った時、戦闘場所に移動しやすい。ベンチとテーブルは衛生上問題があるから、ビニールシートでも持っていくか。

 ぼんやりと考えていると、ケータはパンッと手を合わせた。

「じゃ、そういうことで。さ、寝るか。どこで寝れば良いんだ?」

「客間でも良いし、俺の部屋でも良い。どっちにする?」

「あーお前の部屋で。人の家で一人って苦手だ」

 勢いをつけてソファから立ち上がった。寝るとなったら行動は早い。部屋に布団を運んでベッドの横に敷いた。まだ午後10時だけど、身体的、精神的疲労ですぐに眠れそうだ。まだ両親は帰ってきていない。両親と顔を合わせなくて良かった。ケータのことを説明するのに困る。知人というには重く、友達というには深い関係は、適当な言葉が見つからない。いっそのこと、汐里の知り合いにした方が楽だ。

 そんなことを考えながら、いつの間にか思考は沈んでいった。ケータの声が聞こえたけど、何を言ったのかわからなかった。



 もう大切なものを失いたくない。

 死んだ者が生き返るなら、取り戻せるなら、それを望んだのに。

 それが望めないのに、戦いに参加するのは、きっと。

 お兄ちゃん。俺はあなたに近付けているのかな。

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