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帰途
帰りの車の中でも
とくにいろいろと話すわけではなかった
夜景が車窓を流れていくのをぼーっと眺めながら
ゆうは海辺で高瀬が言った言葉を思い返していた
(「それは…僕もです」)
あの時…
ほんとは彼も緊張していた
全くそうは見えなかった
振る舞いはスマートで
私を気遣う余裕があるようにすら見えていた
カッコつけるタイプではなさそうだし
自分の緊張が私に伝わらないように気遣ってくれたのかもしれない
(まあ…会話は弾まなかったけどね…)
でも今日の一言で
彼の優しさの正体が少しだけ見えた気がした
砂浜に寄せる波のような、そんな静かな優しさ…
ゆうは高瀬の横顔を見つめていた
(さりげなさすぎで…伝わらないよ…)
そんなことを思ったりしていた




