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異能部  作者: KAINE
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取材の日常その2

 「皆さんおはようございます、今日は見ての通り取材入ってますが基本的に社長室に籠るんで無視して何時も通り安心安全にお願いします、本日の予約状況ですがかなり多めですので気合いを入れて取りかかって下さい」

 「では、朝イチですが、予約が一件のみ、飛び込み無ければ1便なんでダラダラしつつ脳ミソをベットの上から連れて来ておいて下さい」

 『どのように予約等の管理を?』

 「パソコンで、ですね、専用にシステム組んで貰って社内共有できるようにしてます、飛び込みのお客さんも受付済んだら事務所が打ち込むんで多少のラグは有りますけど便数とか人数とかの管理は可能ですね、あとコイツだけはさらにシステム入れて何番が使用中か、何番が清掃中か、何番が帰還の時間かみたいなのも解るように設定してもらってます、流石に時計だけじゃ把握しきれないんで」


 「第一便も行ったので銀行行きます、流石にそこはご遠慮下さい」


 『毎朝銀行に?』

 「昨日の売り上げ預けるのとお土産売場の小銭確保するのとで営業日は毎日ですね、土日祝日くらいかな行かないのは」

 「まぁだからって深夜に窃盗に来てもバリアー有るんで入れませんが、一応金庫も有りますしね、セキュリティとして警備会社も入れてますし、行き来を襲うにしても相手を選べだ、鉄砲持ったゴロツキなんかじゃ話にもならないしな」

 「それにどう頑張っても売り上げの上限決まってますしね、一度に飛ばせる便数、1日に飛ばせる便数、乗せられる人数と貸し切りオプション、全部キレイに乗っても億には届かないですから」

 『十分過ぎると思うんですが?』

 「あのコンテナ一つウンゼン万しますからね、土地と建物のローン考えると繰り上げ返済で消えますし維持費も人件費も税金も在りますし、三か月くらいそれが続けば後はウハウハでしょうけどね」


 「社長、すいません、少しよろしいですか?」

 「うん? 何か有った?」

 「それが営業に来られてまして」

 「飛び込みで? そっちで対応すれば良いんじゃ無いの? どっちにしろ話し半分になるだろうけど」

 「いえ、アポは有るんです、ただ向こうの社長が来ていてトップ会談だと」

 「ちょっと待って、それ聞いてないんだけど? 言ってた?」

 「いえ、私の方でも何時もの営業だと思ってました、社長が見えるなんて一言も」

 「あー、じゃあ無視で、流石に社長クラスがアポ無し会談とかいくら新興の小さい会社で俺みたいな若造相手でも舐めすぎでしょ、俺らだって行く時はちゃんと行くって伝えて対応は営業の方だけでお話だけでもって伝えてアポ取ったんだし、ビビって条件呑ませるつもりか偶然近くに来たって線は薄いだろうし、って言うかどこの社長?」

 「旅行代理店です、それもそこそこ大手の」

 「あー、俺らの回った先の何処かか、とりあえずお断りで、粘るようなら内線頂戴、対応考えるから」

 『宜しいのですか?』

 「ありがたい事にそろそろ大手の立ち入る隙がない繁盛っぷりだからね、それにバス会社とか観光系って立ち上げてCM流す前後くらいに回ってるんだよ、まぁ追い払われたけど、話を最後まで聞いてくれたのって数社だけで契約したのは一社だけだからね、関東近縁で30は回ったし営業担当だけなら足を伸ばして東北信越中部にまで行って100は越えてる、旅行代理店加えるならさらに倍か、後は門前払いか話半分、名刺だけ渡してはいさよならだ、大手はまぁ話は聞いてくれたけどなぁなぁって言うのかな、暖簾に腕押しって感じで検討します、そのままオープンしてからしばらく連絡すら無し、房総陽気屋さんが動画上げてバズッてからすり寄って来たんでガン無視だね、予約だけは受け入れてるけど値段交渉は無しってのが方針」


 「はいもしもし、あぁ、そう、了解了解、じゃあとりあえず丁寧に帰って貰うようにお願いして、10分経ったら営業妨害になるからって強めに言って、それでも帰らないならもう一回連絡頂戴、んで悪いんだけど受付に行って契約書はしばらくそっちにプールで、流石に個人情報目の前でファイリングとかできないし」

 「え? もう指示出した、流石仕事が早い、帰るまで他の客対応難しいだろうけど、差し迫って契約しなきゃならない予定とかないからどっしり構えてて良いよ、どうせ何時ものように値段交渉と保険の営業だけだろうし」

 『随分と強気ですね?』

 「んー、まぁこの会社って俺の手持ちの金で起こしててローンとか有るけど払おうと思えば一括で払えるんだよね、税金とか維持費人件費とか考えて安全マージンでローンにしてるってだけで、極端に言うと宇宙事業や核開発のバイトだけで食い繋ぎながらプラプラする半ニート的なのが嫌だから起こした道楽みたいな物だし、株式会社とかでもないから横やりも無いし、自由気儘勝手気儘、せいぜいが社員バイトに給料払って税金とか払って、その上で食っていけるだけの売り上げ欲しいなって感じで、言ってしまえば野望とかそういうのが無いんですよね、現状維持で良いって言うか、そりゃあ稼げるに越したことは無いですけど重要でもない、だからワンマンだって叩かれようが恨まれようが潰しに来ようが、続ける気は有るんでお客さんさえ来てくれるならそれで良いんです、それにこれ以上手広くすると流石にキャパシティオーバーですよ、個数も重量も余裕ですけどずっとジャグリング続けてるみたいな物ですから」

 『危ないんですか?』

 「危なくはないよ、疲れるってだけで、今の百倍とか言われたらそりゃあミスを起こす可能性大だけど、用地的に1.2倍くらいが限度で適量なら2倍くらいまでかな? それ以上はコンマ%単位でケアレスミスが出てくるしヒヤリハット理論なら回数が増える以上は重大なミスが起こるのは秒読みになるってだけ」

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