表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Tender Liar  作者: 時雨
第0章
3/66

第0章

初めての恋だった。

だからもちろん、ふられたのも初めてだった。

私は未熟だった。

とんでもなく、自分本位な人間だったかもしれない。

それが故に、別れを切り出されたのかもしれない。

と、今の私なら、そう思う事ができる。


今でも不意に、彼を懐かしく思う瞬間がある。

その瞬間は突然現れ、すぐに消える。

カメラのフラッシュがその光の残像を見せるように、不意に現れた「彼」もまた、同じように余韻を残して去ってゆく。


たとえば、彼の口によく馴染んでいた、関西弁を耳にしたとき。

たとえば、彼の好きだったこの星空を眺めているとき。

たとえば、彼に似た匂いを嗅いだとき。

そんな時に私は、ふと彼を思い出す。


なぜだろう。

彼は私にとって、最後の恋人などではなかった。

それなのに、どうしていつも、思い出すのは彼なのだろう。


今でもまだ、彼が好き?想ってるから?

ううん、違う。

彼への想いは、別れた時にきっぱりと捨て去ったはずだ。

だったら、なぜ。

最初の恋人だったから、という理由でもない。


――ユズ。


記憶の中の彼はいつも、笑顔で私の名前を呼んでいた。

別れ話をした、あの日でさえも。

だから、なのだろうか。

だから、思い出してしまうのだろうか。彼の事を。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ