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言の刃~停止された世界~  作者: 御影慧
10/91

気付かない幸せ

誰かに思う感想

とても幸福な節穴の瞳

不自然さを異常と思わず

良いものと感じる心



手がかからない子ども

それが良い子どもだったと

その人は口にする

幸せな人だと思う



物わかりが良すぎる子ども

手がかからない子ども

親からすれば最高かもしれない

現実から考えれば

これ程に気持ち悪い存在はないだろう



子どもが大人並みの物わかりがよい存在であること

我儘も言わない存在であったこと

考えれば簡単に気持ち悪い

異常すぎることに

今だにきづかないのだ

反抗期もなく過ぎた子どもだったなんて

あまりに気持ち悪くて異常であること

実は当たり前のこと



諦めは早くに知った

無駄なことと理解した

出来上がったのは従順な子ども

もはやそれを子どもと呼ぶべきかすら怪しい

子どものふりをして大人になり急いだ異常者




ささやかなその事実に気づいているのは本人のみ

大人になってようやく覚える理不尽

憤りは深く黒く醜い

子どもの頃には戻れないとわかっていて

今ようやくそれが生まれ暴れだしている



大人としての遠回しの言葉を伝えても

決して伝わらない

子どもの頃ならば我が儘と

大人であれば大人気ないと

ただ否定しかされない

ならばそれは必要かどうかを

思考すれば結論は一つ

必要なのだろうが不要なものなのだ



全てにおいて該当はしない

それでも細分化された小さな一つに

不要なのだと知る

伝えても伝わらない

理解されないことを理解し演じ続けるしかない



疲れても疲れても終われない良い子

どす黒い良い子であり続ける義務づけが消えない



気づかれないように

調和を乱さぬ形で壊さなくては生きていけない

気付かれたいけれど気付かれてはいけない

誰かの心を壊すから

だから壊せるものが限られる



自壊して守る世界に意味があるのか?

答はを探す気力も失った

寧ろ答を出さないこと

それが一番の最善なのだということを

僕は知っている


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