【実況】山に行ったらトラが出てきたんだが!?【山月記】娘へ
ある日のことです。
りょうたは、わくわくしながら山へ探検に出かけました。
「今日は山をたくさん探検するぞー!」と、元気いっぱいに歩いていきます。
てくてく、てくてく。
「何かおもしろいアイテム、落ちていないかなあ」
そう思いながら歩いていると……ガサッ!
突然、目の前の草むらが大きく揺れました。
「……え?」
りょうたが驚いて立ち止まると、
「ガオオオオオオ!!」
草むらから、大きなトラがとびだしてきたのです。
「うわあああああ!!」
「ちょ、ちょっと待って! こんなところにトラがいるなんて、おかしくない!?」
パニックになるりょうたを、トラは怖いくらいにじっと見つめて言いました。
「……お前、りょうたではないか?」
「え……? 誰だよ!?なんで知ってんの!?」
不思議がるりょうたに、トラはぽつりと言いました。
「俺だ。実はな、昔は人間だったんだ」
あふれる情報量に、りょうたの頭は追いつきません。そんなりょうたを気にせず、トラは昔の話を始めました。マイペースなトラです。
「昔の俺は頭がよくて、勉強も文章を書くのも得意だったんだ。だから『自分は特別な人間なんだから、誰よりもすごくなって、絶対に失敗なんてしたくない』って、胸を張って頑張っていたんだよ」
トラは寂しそうに耳を小さく下げて、言葉を続けました。
「だけど……失敗するのが怖くて、笑われるのが嫌で、だんだん人に会うのが嫌になってしまったんだ。そうやって『自分はもっとすごいはずだ』と思い続けていたら……気がついた時には、こんなトラになっていたんだ」
「つまり……プライドをこじらせちゃったんだね」
りょうたが納得して頷くと、トラは「そうなんだ」としょんぼり答えます。そこで、りょうたはトラの目をまっすぐ見て言いました。
「ルールさえ守ってればさ、なんだって好きなことしていいんだよ? だったら、やりたいことやったほうが絶対に楽しいじゃん!」
りょうたは一生懸命考えて、心の中の思いを言葉にのせました。
「失敗したっていいんじゃない? うまくできないことがあってもさ。人に笑われて、へこんだらちょっと休んで、またやったっていいじゃんか。好きならやっていいんだよ。すごくならなくたっていいじゃん! それよりもさ……明日から一緒に遊ぼうよ」
思いがけないりょうたの言葉に、トラは目を丸くしました。
「俺、トラだぞ? 怖くないのか?」
「ちょっと怖いけど……喋るトラなら大丈夫!」
りょうたが笑うと、トラも「なんだそれは」と、思わずぷっと笑い出してしまいました。
その夜、山の上にぽっかりと浮かぶ月に見守られながら、りょうたは家に帰っていきました。でも、家に着いたら夕方でした。ミステリーです。
次の日、りょうたは約束通り、また山へ向かいました。
「トラー! 今日は何して遊ぶ?」
大きな声で呼びかけると、トラはのんびり答えました。
「……昼寝だ」
「トラなのに?」
「トラだからな」
二人は大きな木の下で、仲良く並んでごろりと横になりました。
月が出るころ、トラは静かな空を見上げながら、昔の自分を思い出していました。
「もっとすごくなりたい」「失敗しちゃいけない」と、一人で肩に力を入れていた頃のことです。
でも、隣で気持ちよさそうに眠るりょうたを見て、トラは小さく微笑みました。
「まあ……これくらいで、いいのかな」
夜の山に、やさしい風がふわりと吹き抜けていきます。
そして空の月は、何も言わずに、仲良くなった二人をそっと照らし続けていました。
――完――
【今回のまとめ】
・失敗してもゲームオーバーじゃない。
・人に笑われても人生終了じゃない。
・「もっとすごくならなきゃ!」と思いすぎなくていい。
・一人で全部頑張らなくていい。
・友だちと遊ぶのは楽しい、一緒にいるだけで楽しい。
・そして、トラになっても昼寝はできる。できることは意外とある。
副題:HSP気味な娘、少し前まで夢かわいい系が大好きだったが、今年から動画投稿サイトのゲーム実況や解説動画にハマって超笑っている。あと、カクカクしたマス目のゲームやアバターを使って多種多様なゲームができるオンラインゲームにはまった。どちらも布教したのはパパです。ママはゲーム画面を見ていると子どもの頃からなぜか船酔いみたいになるのでたまにチラチラ見ています。「ゲーム実況のテンポ」「ツッコミ」「ちょっと男子っぽい会話」を意識してママ作ってみた。
ママは法律と公共の社会福祉ルールの枠の中でなら、なんでも好きな事をしていいと考えています。
山月記だから、どうしても夜の山に書きたくなりますが、そうなるとりょうたの親御さんは心配して捜索願いを出したり山狩りをすることになる。りょうたが家に変える時は昼間や夕方の都合のいい時間になっているご都合主義になっています。




