学園に嵐来る~狩人と猟犬~
外にいた者たちは、何が起きているのかわからなかった。
残っているの大きなクレーターとその衝撃で吹き飛ばされたであろう仲間達。
どこらか飛んできた何かによってたった一撃でもたらされた被害に、彼らの身はすくむ。
「や、屋根のあるところ逃げろ、この攻撃は空から降ってきているんだ。こちらをどこからか見ているに違いない。急げ!!」
言うが早いか、その言葉に弾かれたように屋根の下へと移動する。
先に入った者たちが入れなかった者たちを押しのけていたが、それが悪手であった。
目ざとくそれを見つけた何者かは、その追い出された者たちめがけて何かが飛んできた。
のちに彼らの証言からそれがバリスタで使うほどの大矢だとわかったのは、この襲撃事件が終わってしばらくしての話である。
無論のことながら、その何者かは聖女である、今は狩人というべきか。
彼女は転生してからもその衰えない技術によって魔法を駆使して、もはやミサイルとも言える狙撃を行っているのだ、ちなみに彼女は必中、誘導系魔法は使っていない。これは彼とは違う特徴である。
本人の能力からすれば必要のないことだということだろう。
こんな恐怖が学園の敷地内で起こっていた時、学園内部の人間は更なる恐怖に襲われていた。
遠吠えから始まった、死に物狂いの鬼ごっこに。
聞いたものは、驚いて振り向きそして何者かと目があった。
視界には何も入ってきていないのだが、なぜか目があったという事実だけが彼らの頭に刻み込まれた。
そして、目が合ってしまったのならばそれから逃げることはできないということもなぜかわからないが分かってしまった。
恐怖が一人また一人と彼らに浸透してゆく、理解し尚且つ逃れる術を思いつかない優秀な思考が彼らを苦しめる。
いっそ諦めることができたならばどれほど楽だろう。それをすれば自分たちの一生は終わってしまう、無駄だと分かっていても抗わざるえないのだ。
しかし、目に見えぬ死刑執行人は確実にこちらを視界に捉え、ゆっくりと、だが確かに追い詰めてくるのだ。
ある者は食堂に閉じこもった、その食堂にあった椅子や机をバリケードのように扉という扉に押し付けて、救援を待った。
またある者は、自分の足でその遅い何かから逃れようと校舎中を走り回った。
多くの者がそのどちらかに似通ったことをし、やがて彼らの声は占拠したはずの校舎から彼らの居た気配は途絶えた。




