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そして鐘は鳴るのか?~今、それは鳴った~

鐘が鳴った、建国以来毎年一度しかならないはずの鐘が鳴ったのだ。

無論今日がその日などということはない。

何が起きたのかさえわからない、しかし鐘は鳴り続けた。

その鐘の音が止んだ時、その鐘を鳴らしていた者は影も形もなかった。

一体何が起きたのだろうか。

それはこの国中の誰もが思ったことだろう。

当事者と関係者を除いて。




「これで全てが丸く収まったのですか?」

「いいえ、全てではないわ。この解決策には角が立ちすぎる」

「でも彼はもう何もできない、彼らも何がなんだかわからないうちにことが終わっているでしょうから」

「それ以外の人たちを警戒すべきかな」

「そうですね、注意だけはしておくべきかと」

「ありがとう面白い話が聞けたわ」

「構いません、私も面白い話が聞けたので」

「では、さようなら」

「失礼します」





鐘の音が鳴る少し前、

小瓶をじっと眺めていると、突然ドタドタという音が鳴り響き。

「君が雇われの魔導師か?」

いきなり入ってきた騎士風の男にそう聞かれた。

「いえ、「はいこの方がそうです」

否定しようとしたら、執事のほうが先に肯定した。

「そうか、ならばすまんが、事情を説明してもらいたい。王の前で」

「わか「少々お待ちください、こちらの方が準備があるそうなので」

「・・・そうかでは部屋を出てまと執事のかたも、女性の部屋に長居しているのはどうかと思います」

そう言って騎士の人が促そうとするが、かたくなに拒否し仕方なく騎士が折れ騎士たちは退出した。




「時間がありません、お飲みになってください」

「・・・それがあなたの忠義ですか?」

「時間がないのです、さあ早く」

「洗脳されているのですか?」

有無を言わせず飲ませようとする、執事の目を見て尋ねる。

「洗脳など、そんなことをするような方などいません」

「忠義が笑わせるね、本当に死にたいの?無駄死にだよ」

「お飲みになってください」

虚ろになっていく執事の目が、何よりも雄弁に事を物語っていた。

「わかりました」

その言葉を聞いた途端に、その目が笑った。

ほんの数秒、しかし目が笑っていた。

無論のこと気づかないはずがないし。

遠慮なく無色透明になった小瓶の中の液体を飲み干す。

そして、一言言った言葉は、鐘の音に紛れて誰一人聞こえることがなかった。

この時苦悶の表情を浮かべて倒れる、男を除いて。

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