新しい日々~目覚めは最悪かそれとも~
そのあと何を言われたのか正直覚えていない、わかったのは自分のことを見ず知らずの人に把握されているということだ。
そのまま時間になったらしく、庭園が白に包まれた。
目を覚ますと、そこは見慣れた自室の天井ではなく。
「おはようございます。ずいぶんと遅いお目覚めですね」
ついぞ、学校案内以来、来ることのなかった保健室だった。
「あれから何日たった・・・何時間たった?」
ここは保健室なのだ、あまり長居できるはずがない。そこで近くにいたリルファに聞いた。
「今は夜、無理を言って残してもらいました」
「そう、ならさっと起きないとね」
私は起き上がりながらそう言った。
「手伝いますか?」
「……ありがとう」
リルファに肩を貸してもらい、すこしではなく一ヶ月ほど眠っていたかのように鈍い体を動かす。
一歩、二歩と歩く頬にまるで油を挿した機械のように徐々に歩けるようになってきた。
長い廊下を抜け、校舎を出る頃には普通に歩けるようになっていた。
そのまま部屋に戻り、自分のベットの上にぽふんと寝っ転がる。
そのまま見慣れた天井を眺めて、今日のことを反芻する。
「いろんなことがあったなぁ」
どっか行って、バカと戦いになりかけて、あの子が外に出て、私だけ強制帰宅して、
「本当に、明日からどうなるんだろ」
悩みもそこそこにまぶたは落ちていった。
翌日、その日はかねてからの休みではなくまだ皆は未だ合宿場のほうにいる。
私も行きたいとは思ったのだが、前日の一件により許可がおりずみんな出払ってしまう事となった。
存外人は孤独になることに慣れていないのだ。
孤独に苛まれる中で、私は瞳を閉じた。
「それなりの成果は得られたみたいだね」
そこは庭園、そこにいるのは二人。
「こっちとしても最悪の事態は避けられたよ。ま、最悪の事態だけはだけど」
「それでも十分よ。高望みはしないほうがいいに決まっているわ。理想は高くされど現実は低く無理はしない。これが基本方針よ」
「そうだね。・・・彼女の方、どうしよう?何か見た限りだとキノコ生えそうなくらい暗いムードなんだけど」
「それは帰ってきてから対処するしかないわね」
「一難去ってまた一難。私のほうがめんどくさのかな」
「こっちは、楽でいいわ。暗殺者や毒ごときじゃどうしようもないし」
「いいなぁ」
「くる?」
「手をわきわきしながら言わないの」




