注文が多いかもしれない料理店
ある日、エナとクロエは、テンカから印の付けられたダンジョン地図を渡されて明日ここにきてくれと言われた。
また変なこと企んでるんたろうなーと思いつつ翌日印のある場所へ行くと、一軒の小さな店があった。
木造の古びた扉には、こう書かれている。
『ようこそおいでくださいました。こちらは、《注文が多いかもしれない料理店》でございます。
どなた様もどうぞ、あたたかいスープと、あつあつの骨の祝福を――』
「へえ、面白そうね」
「嫌な予感しかしません」
ノリノリで入るエナに、クロエは仕方なくついて行った。
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■最初の部屋《注文の部屋・壱》
扉を開けると、奇妙な張り紙があった。
『まず、そちらに用意されている清潔感のある服にお着替えください』
二人は服を着替えて進む。すると、また張り紙。
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■二番目の部屋《注文の部屋・弐》
『次に、顔と手をよく洗ってください。』
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■三番目の部屋《仕込みの部屋》
『食中毒予防のため、皮膚にウイルスを予防する薬を塗ってください。』
薬を塗ると、部屋の奥から――コトリ、コトリ、とまな板を刻む音が聞こえてくる。
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『さあ、主菜の時間です。
本日の鍋:迷い人の骨すき鍋 ~友情風味で~』
「あら、いらっしゃい。準備は万端のようですね」
現れたのは――
フローラ(メイド姿)と、リオン(包丁片手)と、満面の笑みを浮かべたテンカ。
「テンカ君、何やってるの?」
「ダンジョン内にレストラン開いてみたんだが、全然人が来ないからパーティーの女性陣にメイド服で接客してもらえば宣伝になるかなーって思って!」
そう、エナとクロエは最初の部屋でメイド服に着替えさせられていた。
「うふふ、お前らが着て接客しろや」
エナはテンカを殴りつけると、テンカとついでにリオンにメイド服を着させた。
こうして、ダンジョン内レストランに女装メイドがいるという噂が広がり、一部のマニアックなファンができてそこそこ繁盛したのだった。




