6月2日 トレーニング
俺の人生は、これからどうなるのか?俺は、時々そんなことを考えてしまっていた。もし、今、会社辞めたら、少しは幸せになれるのだろうか?俺は、これからどうすればいいか一人になった時はいつも思う。もう少し、充実させたいな。彼女と別れてから、俺はなんかプライベートの方向性がよくわからない状態だった。仕事は、それなりに成果も出て、責任者もさせてもらってるけど、その分プライベートは疎かになって、どうすればいいか路頭に迷っている気がした。そんなこともあり、俺は今日パーソナルジムに来ていたのだった。
ここは、機材の金属音と心拍だけがリズムを刻んでいる。少し離れた鏡に映る自分は、呼吸を整えながら腰をひとひねり、ダンベルの冷たい感触を掌に感じ取る。なんだろう、この感覚は。「もう一回、できるよ」と声が聞こえてくる。俺は、息を整え、再び負荷を受け止めると、筋肉の糸がピーンと張られる感覚が走る。このトレーニングがすぐに成果として見えるのかはかなり疑問だ。肌の下で確かに積み重なり、日常の自分を少しだけ強くさせる。
トレーナーの山口さんの声が遠くから届く。「もう一段階深く、呼吸を止めずにいきましょう」。俺は、滴る汗を感じながら続けていた。脚立の影が床に長く伸び、ベンチプレスの台は眠れぬ獲物のように静かに身を沈める。俺の体は、自分の限界を少しずつ押し広げながら、山口さんに言われたフォームを意識していたのだ。お疲れ様です!!目標の回数を終えた俺は、大きく息を吐いたのだった。
トレーナー「どうですか?」
俺 「いやー、キツイっすね」
タオルをとり、汗を拭いた。
トレーナー「でも、よく頑張ってますよ」
俺 「そうですかね?」
ここのトレーニングジムは、パーソナラルジムということもありとても働きやすかった。これまで行っていたジムとは少し異なっていた。特に、このトレーナーの山口さんって人はとても話しやすいな。
トレーナー「初回でこれだけできるのは、なかなかいないですよ?」
俺 「そうですかね?」
トレーナー「伊東さんは、好きなマンガとかありますか?」
俺 「そうですね、スポーツ系とかはよく読んでますね」
トレーナー「いいですね」
最近、休みの日はもっぱらマンガを読むことが多くあったのだった。山口さんは、ホントになんでも知ってるな。さすがだな。俺は、思わず感心してしまっていた。




