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日常で世界を変える(伊東編)  作者: mei


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5月20日 資料

 まさかな。休みの日まで資料作りさせられるとは思ってもいなかった。けど、これも仕方がない。残り営業ロープレでレベル10まで行っていないのは、俺のところにいる石木と中丸、そして今市のところにいる遠山だけだったからだ。特に、俺のところにいる石木と中丸がなぜこんなにも成長が遅いのか全然納得がいかない。どちらも、そんなにダメなやつじゃあないんだけど。教える前から伸びるイメージが全くわかないというのが本音だった。

 対する遠山は、まだ高校生。入社式で会ったよりも随分と成長しているように感じた。まぁ、教えてるのがあの今市だからな、仕方ないけど。ただ、高校生というのは大きいのかもしれないな。ある意味素直でスポンジのように言ったことを次々に考えてくれる。石木や中丸は、どちらかというと言ったことをイチイチ考えて行動しないという弱点があるのだ。たしかに思考できることはいいんだけど、それは臨機応変にしなければならないスキルくらいわからないのかな?

 俺が新人だった頃とは随分違うし、今さらいろいろ言っても仕方がないけどいろいろ思うことはあるな。そう言えば、あの頃いろいろ教えてくれた片川さんは、今何をしているのだろうか?俺は、資料作りをしながら1年目のことを思い出していた。あの頃は、営業の仕方や資料作成なんて全く教わる時間なんてなかった。結局、自流でいろいろ学ぶしかない。怒られるのは大抵ダメなことをした時。その怒りは凄すぎて、俺だけではどうにもならなかったな。まぁ、そんな片山さんが辞めてしまってから随分この会社も変わってしまったというのは事実だろうな。俺はスキルうんぬんよりも精神論を唱えていた片川さんは好きだったな。

 片川さんが辞めたのは、昨年だったかな。建前上は体調不良で仕事をやめるということにはなったが、それはあくまでもオモテ向きの答えだ。全てを伝えると、本当にいろいろあり過ぎて、大変なことになってしまうな。22日の研修で俺は、何を言おうかとても迷っていた。正直、スキルなんていくら伝えても性格が変わらなければダメな部分は多い。結局、営業にかかわらずなんでも、自分でPDCAをどれだけ回せるかこれに限ってるんだよな。少なくとも、今の石木や中丸はそれを一人でできるレベルにはなかった。そうだ、またあの日みたいに片川さんに連絡してみようかな?俺は、パソコンの手を止めスマホを取り出し、連絡を送ったのだった。

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