人形パラダイス
久しぶりの投稿です。
「え・・・おい、ちょっと待てよ。それ本気で言ってるのか?」
ハデスの言葉を聞き俺は動揺した。
まず冥界の王が自分を助けたこと自体認識しづらかったにもかかわらず挙句の果てに戻れないと言い出した。
「本気だよ!だからこっちは困ってんじゃねーか!!!」
「うん・・まあ・・・そうなのか?」
しかしこれ以上追及しても自分の求めている回答は来なさそうなので一応納得するふりだけをしハデスに反してくれるように頼んだ。するとあっさり、
「いいぜ!俺はおまえんちに行っとくからなー。」
と、返ってきた。しかしどうやって帰るのだろう・・・?という疑問に駆られていると突然ハデスが立ち上がる。そして掛け声のようなものを聞いた瞬間俺の意識は途絶えた・・・
「・・・・・・・・・・か」
「・・・・・か・・・・ろ」
「しっか・・・ろ・・・」
「おい!大丈夫か!!」
気づくと目の前には知らない男性の顔があり周りには野次馬であろう人たちがたくさんいた。
「・・・・・・ん?あれ・・・さっきまで・・・」
たしかハデスと名乗る少年が現れいろいろと喋ったりしていたのだ。しかしよく見渡せばここは自分の知っている町だった。先ほどの空間と違いほかの人間だっている・・・自分の町だった。
「おお!目を覚ましたか!大丈夫か?にしても運が良かったな。トラックに掠っただけとは言え殆ど無傷だからなぁ・・・」
どうやらこの男性が言うには俺はトラックにかすったようだった。
しかも気絶している時間もそう長くなくさっきのは夢だと思えた。
「まあ、心配だから病院に行こう!」
この男性が言っていることも一理あるのだが、とりあえず家に帰って本当にハデスが居るのか確認したかった。なぜそう思ったのかはわからないが体がそういっているように思えた。
「あ、大丈夫っす。一旦家帰るんで。」
俺はその場を抜け出し自分の家に急いで帰った。
自分の家の扉を開けるとそこには・・・
「なんだよここー。人形パラダイスか?」
俺の人形に埋もれるようにハデスがいた・・・