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墓穴を掘る

お久しぶりです・・・

大学生活に四苦八苦している作者でございます。


ふぅ、サンドイッチで時間を作ることには何とか成功したが、どう説明したものか。全てをペラペラと喋る訳には行かないし、だからと言って今の姿が本当の姿だと思い込まれるのも癪に障る。


だって俺、男だからね!?


取り敢えずはなんかの魔法だと誤魔化しておこう。猫を喋らせる魔法があるんだから猫の獣人になる魔法もあるだろう。そうに違いない。


ということで名前と合わせてそう説明したのだが・・・


「そうなんですね! ハルさんは変化系魔法が得意なんですね! 何か他に出来る魔法とかってあります!? 私興味があるんです!」


墓穴掘った・・・

今すぐに使える何かを変化させる魔法は塩を塩コショウにする魔法ぐらいなもんだ。この世界、やっぱり胡椒高かった。旅に出る前に作っといて助かったよ。

えっ? 魔法の創成者で作ればいいだろだって?


・・・これは俺の毒が完全に抜けきってからの話だ。俺は反省した。俺はこの世界のことを知らなさすぎる。今回のこともあの憎き囲い魔女のことを俺が知らなかったせいで起きたと言っても過言ではない。

そこで! 俺は旅に出ることにした! 自分の見識を広げるための旅だ! しかし、これをあの暴力メイド(シャルル)や博識バカ(ディアンヌ)達に知られてはまた力づくで引き戻される。


そこで、俺は必要最低限のスキルだけを島の欠片に移動させて海を漂い旅をすることにした。


その際俺が選んだスキルは、地形変更、ロストマジック、保管庫だ。


地形変更は今現在の体を保つために必須のスキルだ。実際、海を漂う際も適当にイルカの形をかたどってここまでたどり着いたのだ。ちなみに、スキルが進化してニャルになった。


ロストマジックも護身のために必要だ。物理攻撃は地形変更のお陰で全て受け流す、または散り散りにされても元の形に戻れるため一切のダメージを受けない。しかし、何らかの魔法で存在自体を消されてしまうと、流石の俺でもどうなるか分からない。意識はこっちの体に移してしまってるから。これは犬の姿をしているヌーマが担当している。すっごい愛想の悪い犬だが、ちゃんと言うことは聞くので今のところ飯を抜かれた回数がいちばん少ない。


そして、最後の保管庫。これも必須だ。だって重いもの持ち運ぶのは面倒だもんね。これは蛇の姿のミルが担当している。お上品だが少しプライドが高い。本当の自分の姿は美少女だけど、今は俺のために蛇の姿でいてくれてるらしい。多分嘘だけど。


てことで、今魔法の創成者のスキルは使えない。使ったら絶対に位置バレるからね。まぁ、そろそろ帰ろうと思ってるからもうバレてもいいんだけどさ、、、 やっぱり自分から出頭するのと位置バレて捕まるのじゃ罪の重さが違うと思うんだよね。日本の法律もそうだったはずだ。


もういいや。塩胡椒の魔法使ったらなんかファンタジー的な要素が加わって「すっごーい!」ってなるかも知んないし。それで行こう。うん、それがいい!


(ご主人、それはやめておいた方がいいと思いますよ?)


(えっ? ミル。それはどういうこと?)


(物質を変えるのは少しやりすぎだということです。現在この世界で流通している魔法の中に物質自体を根本から変える変化魔法はありません。せいぜいが見た目を偽造する、何かを集める、個体から液体に変えるなど性質を変化させるのどれかです。塩を胡椒に変えるなど完全にオーバーテクノロジーです。)


・・・詰んだわ。えー、どうしたらいいんだろう? これどうしようもなくない?

そんな感じで悩んでる俺の肩からひょこっとご機嫌そうなミルが顔を出した。


(いいえ、簡単な方法があります。塩を蒸発させる魔法を使えばいいのです)


えっ? そんな魔法俺もってたっけ? んー、思い出せない。


(はぁ、ほんとーにご主人は頭が弱いのですね)


なんだと! ミルよりは頭良い自信あるわ!


(むっ! はいはい、そーですか! ならご勝手にどーぞ。私は協力しませんからね!)


そう言うとミルはプリプリしながら俺の肩から飛び降りてった。最近ミルが俺のこと見下す機会が多かったからな! ここらでちゃんと反抗しとかなければ!

まぁともかくミルの言ってた魔法を考え・・・あっ、、、えっ? もしかしてバレないように保管庫に閉まってそれっぽくするってこと? そゆことならミルが協力してくれないと出来なくないか? 俺そんなに上手に保管庫の操作出来ないよ。


(ふん、今頃気づいたって協力しませんからね!)


あーーー! 不味いです! これは不味いですよ! 完全にミルが怒っちゃってる! な、なにかご機嫌をとる方法はないか? てか、本人に聞くのが1番早い気がする。・・・そうしよう!


(ね、ねぇ、ミル。俺に出来ることならなんでもするから手伝ってよ! お願いだって!)


俺がそう小声でミルに話しかけると、ミルはクルッとこっちを振り向きニヤニヤしながらこちらに近づいてきた。


(なら島に帰ることですね! ご主人もそろそろ島に帰らないと帰った時ただではすまないことが分かっているでしょう? というよりはディースの祈りが解けるまでに帰らないとほんとに知りませんよ?)


うっ、そう来たか・・・。実はもうとっくに祈りは解除されてることをミルに言ったらどんな反応するんだろうか?


(ね、ねぇ、ミル? 前々から言おうとは思ってたことなんだけどさ・・・祈り、もう解けてるよ?)


(・・・ご主人、死なないようにだけ頑張って下さいね。あっ、それでも私からの要求は絶対に変えませんから!)


ミルは一瞬気の毒そうな顔をしたが、俺への制裁を緩める気はないらしい。てか、俺そんなにやばいことされちゃうの? 怖いんだけど・・・


でも、背に腹はかえられぬ。朝三暮四って言われるかもしれない。でも、確実に起こる未来が少し早く訪れるだけなんだから今目の前の見栄のために、その後訪れる地獄を受け入れるべきだと思う。


ここまでご覧いただきありがとうございます。

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