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飽きない日々を求めて ~異世界で最強になってみた~  作者: 夢幻
7章 僕は世界を知る(ノーゼン~)
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そして、いつか

まさか月曜日になるとは思ってなかった。

正直、「これくらいなら昨日かけたんじゃね?」と思う自分もいる。


本当に申し訳ない。

「今更なんだけどさ…」


 次の日。帰るまでの時間が余り、気になったことがあったのでアテンに訊いてみることにした。


「なにかあった?」

「実は今すぐにでも帰れたんじゃね説」

「…」


 アテンが黙ってしまった。えっ、どうして?


「それちょっと古くね?」

「知らねえよ!」


 そんなことにために間をあけたのか! ちょっとは真面目に話を聞いて欲しかったよ!


「で、どういうこと?」

「! ………この間、世界を超えるときは人の死にあわせて行うって言ったよね?」

「ええ言ったわ」

「でもさ、僕らは自分たちが転移したところに上書きするんだろ? なら、そもそも転移がなかったことに変えればいつでも帰れたんじゃないの?」

「…」


 ちょ、黙らないでくれますか? 困るんすけど。


「………いや、たぶん無理だわ」


 そして、急に真面目になるのやめてもらえますかね。温度差に困るんすけど。


「どうして?」

「あくまで仮説だけど、これは私たちの世界限定なのかもね」

「どういうこと?」

「私たちがいるこの世界と他の世界との間でしか超えたことがないからわからなかったけど、もしかしたらこの世界にそういう制約がかけられているのかもね。他の世界と違って時間の流れが存在しないからか、神に好き勝手されたら困るからか…。いずれにせよ、他の世界同士でだとどうなるかはわからないけど、この世界を使用する場合はこの制約は適応されるわね」


 なるほど。あくまでこの世界では適応されるものなのか。ていうか、なんでたぶん(・・・)なんだろうか。知らなかったのか?


「あまり言ったらいけないけど神は基本アホなんだよ。不死ってやっぱり退屈にもなるしさいろいろあるんだよ。で、頭が退化していくわけ。知識とかあっても応用に生かせないんだよ、マジで」

「………地球の会社に入社したらリストラされるな」

「ほんとよ。実際、あの世界は上下の付き合いを大事にしすぎるから大変なのよ。ご機嫌取るのもただでさえしんどいってのに…」

「その………すみません」


 なんか、元住人として申し訳なくなった。




「それにしても世界を超える、か」

「なに? やってみたいなって思ったの?」

「まあな」


 そういうスキルが欲しくなるよな。子供の時の夢の一つだろ? ………違うか。それは『時間をとめる』か。


「止めといた方がいいわよ。行った世界の先が何なのかは設定できないことがほとんどだし、そこでの流行病にでもなったら終わりだしね」

「……行く先を決めれないのか?」

「スキルの能力によってかわるけど、どういう世界に行ってみたいかそれをイメージして飛ぶという曖昧なスキルの場合もあるわ。中には時空のはざまに一度飛んでから行きたいところに飛べる、なんていうのもあるみたいだけど」


 後者のスキルの方はだいぶ便利に聞こえるな。


「同じ種類でも能力が違うことがあるのか?」

「ええ。オリジナル魔法とそれと同じ現象を起こす魔法も存在するしね。まあ、その場合威力でオリジナルが勝るけど」


 中にはオリジナルの方が弱いやつもあるという。………それ、意味あるのか?


「つまりスキル次第、か。でもやめた方がいいのかな。帰った先に治療法があるかわかんないし」

「そういうこと」


 案外いろんな問題がありそうだな。異世界転移。






「荷物、ちゃんと預けたか? 持って行ったら大問題だぞ」

「大丈夫。全部アテンに渡したから」

「ていうか、個別のアイテムボックスで管理してくれるって、また来る前提だよな?」

「まあ、いつか来ることもあるでしょ」

「…困る」

「どうしてだ?」

「…平穏が保t」

「どの口が言うんだ、どの口が。今から慌ただしくするんだろ」

「…すまん」


 ちゃんとトレイルに行くことは忘れていない。約束だしな。


「てか、移動の方法が常時発動している転移陣とはな…」

「いったい構造はどうなってるんだろうね」

「さあ………ただ、解析には3週間はかかりそうだな」

「………それは遅いのか早いのかわかんねえな」


 仮にも神の作ったものなんだしもっとかかりそうな気もするんだが。


「てか、みんな同じ事するとはな」

「? ……ああ、確かにな」

「そりゃあ、やらねえと良心というか、まあ気分がな」

「感謝することは大事ですよ」

「だな」


 みんな笑顔になる。ここにはアテンがいなくて、さっきお別れもした。帰れる嬉しさと喜んでもらえるかの期待、お別れの悲しみ。いろんな感情でいっぱいだ。でも、帰らなきゃな。


「帰ったら次はユウだな」

「確か王城に入るんだっけ? 変な問題起こすなよ」

「それよりも入れるのかが問題ですけどね」

「………大丈夫、問題ない」

「不安だー」


 いつもこんなんだからユウは心配だよ。


「けどまあ、」


 何があっても、


「やり遂げろよ、目標」

「…ああ」



「じゃあ、行くぞ」



「「「「「「「せーの!」」」」」」」




-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-




「帰っちゃったか…」


 夜。執務室で椅子に座りコーヒーを飲みながら今日帰った人らのことを考えていた。


 周りは私を慕ってくれる人達だけだし、生の人間と会うのも久しぶりだから心がぴょんぴょんしていた。みんな個性的でちょっと頭がおかしいときもあったけど、みんなといると楽しかった。いつのまにかおわかれになっちゃったし。もうちょっといて欲しいかった気もするけど、私のわがままで引き留めるのもわるいしな。


 特にアキには驚きだよ。考えてこなかったこととはいえ、あんなことを思い付くとは思わなかったよ。おかげでこちらの研究(・・)もはかどりそうだ。


 …さて、そろそろ部屋に戻るか。今日はちょっと早いが寝てしまお………なんだこれ?


「………箱?」


 一体誰がこんなところに置いたんだ? 結界を張っているのだから私の自室に入れるのなんていないはずなんだが…。まあ、何か怪しいものでも入っているわけでもなさそうだし開けてみるか…。

「こ、これは………勿忘草にシトリンか?」


 中には黄色味を帯びた水晶と青色の花が入っていた。


「てことはあいつらか…」


 勿忘草とシトリンには同じ意味がある。それは――


「友情、か。全く、あいつらはどうしてこういうことを」


 口ではそう言いながら口元は笑っていた。


「それに勿忘草は『私を忘れないで』だったか………使う相手間違ってるぞ、まったく」



 それでも――



「ありがとな」


 嬉しさばかりがこみあげてくる。


「ほんとに――



 ありがとな!」

やっとは話が進みそうだ。私も安心です。






話が適当ですみません…。

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