盗人の論理(ぬすびとのろんり) その4
ええと~~~・・・ともう一度整理すると
一日目:壱一が買い物に出かけた。何事もない。
二日目:次二が買い物に出かけた。何事もない。
三日目:誰かが買い物に出かけた。六人全員で女性を口説き、博打をしながら、酒盛りをした。
銭があれば→壱一は→酒を買って飲む
銭 →次二→賭け事をする
銭 →参三→女を口説く
銭、酒 →肆四→女を口説く
銭、賭け事→呉伍→女を口説く
銭、女→陸六 →賭け事をする
を日付に沿って書き換えると
一日目: 銭、?→?→何事もない
二日目: 銭、?→?→何事もない
三日目: 銭、?→?→ 女、賭け事、酒
ということが矛盾なく起こるように一日目、二日目、三日目に当てはめればいい。
上のような図を書いて睨めっこしてると若殿が
「一日目と二日目には何も起こらなかったのが最大の手掛かりだな。」
ともう謎が解けたような口ぶり。
ええと、じゃあ例えば
一日目に壱一が銭を盗んだとしたら、その日に『壱一が酒盛りをする』はずだが何事もなかった。
一日目に壱一は銭を盗んでいない。
同様に次二と参三も一日目に銭を盗んでいない。
もし一日目に陸六が銭を盗んだとしたら、
『陸六は銭があり女がいると賭け事をする』ので、銭はあるが女がいないので何も起こらない。
これは正しい。
二日目に参三が銭を盗んだとしたら
『参三は銭があれば女を口説く』
ので参三が女を口説いて連れてきて、一日目の銭を持っている陸六がそれをみて女を口説き賭け事をするので、『女性をはべらした博打』が起こるハズ!
二日目に『女性をはべらした博打』が起こってないから、これは違うという事か。
上の例を模式的に書くと
一日目:
銭、(女)→陸六→何も起こらない
二日目:
銭→参三→女
銭、女→陸六→賭け事
→二日目に『女性をはべらした博打』が発生。
これは事実と矛盾。
別の例を考えてみる
一日目:
銭、(賭け事)→呉伍→何も起こらない
二日目:
銭、(女)→陸六→何も起こらない
ここまでは条件を満たしてる。
三日目:
銭→参三→女
銭、女→陸六→賭け事
銭、賭け事→呉伍→女
または
三日目:
銭→次二→賭け事
銭、賭け事→呉伍→女
銭、女→陸六→賭け事
または
三日目:
銭→壱一→酒
銭、(女)→陸六→何も起こらない
銭、(賭け事)→呉伍→何も起こらない
となり三日目に『女性をはべらした博打』が発生、または『酒盛り』が発生。
これは事実と矛盾。
三日目に『女性と博打のある酒盛り』が起こるためには誰が何日目に銭を盗めばいいのか?
(*作者:さて皆さんはもうおわかりですね?一体だれが何日目に銭を盗んだんでしょう?)
(その5へつづく)