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46 スーツがッ

世紀末集団が地下3階を進むと人影を目撃。身を隠しながら壁越しに覗き見る。


「あいつらは先に行った剣道集団じゃねえか。おーおー、やりあってんねー」


どうやら大量の敵が湧いている場所に入ってしまったらしく、捌くのに必死になっている。

敵は2階で追加されたスケルトンとそれに武器を持たせたタイプの混合で二十数体。

幸い囲まれておらず後ろを取られていない。

いや、よく見ると魔石が転がっているので、最悪なことにならないよう、退路を確保したのだろう。

実力と連携が備わったチームだと世紀末リーダーは察した。


「チャンスだな。あいつらの実力は相当なものだが全部を片付けるには時間がかかる。

今のうちに進んで俺たちがお宝をいただくんだ」


ダンジョン内には宝箱が設置されていた。世紀末集団が見つけた物はすべて開封されていたので、

剣道集団が得たのは明白だ。どんなお宝が入っていたのだろうか。

うらやましくて仕方がないと嫉妬心が燃えたものだ。


(ここで奇襲するなり恩を売ってお宝をせびってもいいが、気に食わねえあいつらの焦ってる姿が面白いからこのまま遊んどいてくれ。どうせ俺たちにはこの最強のスーツがあるしな)


世紀末リーダ―はモンスターと戦ったなかで、剣道リーダーが言った【痛くない】の意味を実感した。

元々打たれ強い身体だったので初めは気のせいかと思ったが、子分が誰も傷を負っていない、殴っても拳が傷まない。原理なんてどうでもいい、着てるスーツのおかげだと結びつけた。

一方的に蹂躙できる。血の気の多い世紀末集団は法のないこの場所を大層気に入り、楽しくなってしまった。

突っ込み叩き壊し、掴み投げ飛ばす。読みどおり宝箱からアイテムを入手し、地下3階も難なくクリアーして4階に降りた一行の前に2つの扉が出迎えた。


「力と知って書かれてますぜ」

「そのようだな……ハハーン、なるほど。試練ってやつか。チカラを使って男らしく戦うか、頭を使ってお利口さんぶるかってことだろ。なら話は早い。俺たちは当然力の扉を選択するぜ。知を選択するもやし野郎なんかくそくらえだ!」

「ヒャッハー! 酒・暴力・セックスが俺たちだー!」

「イエーイエーイエー!!」


扉の向こうに強い敵が待ち受けている。世紀末集団は感情を高め戦いに挑んだ。

ゴゴゴと重い音を鳴らし開かれた先には空間が広がっており、5人が入ると扉は自動的に閉まる。

そして連動するように対面にある扉が開き、中から出てきたのは身長2メートル超えの二足歩行する大きなイノシシだった。


「うっ――くせえ」


反射的に身をそらすほどの獣臭さが漂ってきた。だが目をそらしてはいけない。なにせイノシシの手には恐ろしい斧が握られていたからだ。

今まで出てきたモンスターには扱えないサイズの巨大な斧を両手で持ち、鋭い目で世紀末集団を捉えていた。


「ブォオオオオオオッ!」


獣特有の重低音が身体に響く。すると地面からスケルトンが生成された。


「やべえ! 骨が3体増えたぞ!」


これで準備完了といったところなんだろう。イノシシは斧を振り上げ巨体に似つかわしくない速さで距離を詰めてきた。


「うおおお! あぶねえ!!」


ブオンと空を切る音。(すんで)のところで避けれたヤンキーは大きく後ろに身を引いていく。


「んなぁろオオ!」


リーダーが隙きを突きボーンブレイドで攻撃すると、イノシシの厚い皮膚に思ったほどのダメージを与えれなかった。次いで斧が横薙ぎに振られたのでボーンブレイドで防ぐも、重い衝撃に吹き飛ばされそうになる。


「強えッ強えッホォーウッッ」


今までにない刺激の強い戦闘に自然と歓喜の声が漏れた。脳が熱くなり、もっともっとと刺激を渇望する。興奮を抑えられず常に口角が上がりっぱなしだ。


「うっひゃー! 殺す殺す殺すうううう! いくぞおめーら!! ぶっころせええ!!」

「うおおおお!!」


リーダーの抑えきれないテンションが仲間に伝播し、イノシシの見た目に怯える者はなし。

火を灯したギラギラの目はまさに狩人。原始人がマンモスに立ち向かう姿を彷彿とさせた。

リーダーがイノシシを相手にしている間に邪魔なスケルトンは排除され、5人で囲って少しずつ

削っていく状況にもってこれた。

勝利は目の前。誰もがそう思った時事故は起きた……


「ぐえッがはッ」


ヤンキーが集中的に狙われてしまい防ぎきれず直撃。赤く光っていたブレスレットからビープ音が鳴り、吹き飛ばされながらスーツが弾け壁に激突。肩に受けた傷から血が吹き出した。


「な、ばかな!? スーツが壊れただと!? くそッお前助けに行け! 残りは近づけさせないように攻め続けろ!!」


リーダーが指示を出す。無敵のスーツがおしゃかになってしまったことに動揺が走ってしまい、先程までの勢いが落ちてしまったが、リーダーがインファイトの距離で戦ったため注意をそらすことに成功。

仲間がヤンキーに駆け寄る――が、


「ひでえ怪我っす! 血が止まんねえ! どうすれば」

「手で抑えとけ!!」


男の泣き言に即座に返す。リーダーも処置の仕方など知らないのだ。

早くこの戦いを終わらせなければならない。

敵の正面で、剣で、拳で、蹴りで果敢に攻め、スーツがダメージを受けるも恐怖を払い除け、ずしりと構え踏ん張った。その間にも仲間が後ろから攻め続け、振り回しの攻撃に当たるも心は同じ。

不格好に、だが確実に弱らせ、ついに止めをさした。


「ブオォォ……ォォ……」


巨体が音を立て倒れると砂になり青い魔石が2つ、黒い魔石が1つ埋もれていた。


「はぁはぁはぁ。勝ったか。おい! 血は止まったのかよ!」


怪我をした仲間に駆け寄るリーダー。


「だめだぁ。溢れてきちまう」

「くそっ。今から全速力で撤退して間に合わせるしかねえ! おい! がんばれよ!」

「うう……」


リーダーが背負って運ぼうとした時、部屋の中央に下り階段が出現。また、イノシシが出てきた扉とは違う扉も開き、中からきらきらと光る小さくて可愛い妖精が飛んできた。


「4階突破おめでとうございま~す♪ 私はダンジョンサポーターのピクシー・リボン。

リボンちゃんって呼んでね♪」

読んでいただきありがとうございます。

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