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悪夢の体育祭  作者: 3442
本編

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4/8

三九の復讐

三九が、母親に性転換薬を使って復讐をする話。

 私には、産まれた時の記憶が有る。

 私は、産まれた時は、男の子だった。

 母親と病室に戻った時、母親は、私に、何かの液体の入ったスプレーを吹きかけた。

 液体を吹きかけられて、私は、女の子になってしまった。

 私は、女の子が欲しいという自分勝手な考えで、私を男の子から女の子に変えた母親を許せないでいる。

 あれから、七年の月日が流れた夏休み前のある日曜日に、母親の鏡台の引き出しから液体が、たくさん入っているスプレーを見つけた。

 私は、それが、何か、すぐにわかった。

 試しに男の子の人形にかけてみた。

 すると、丸一日が経って、男の子の人形は、女の子の人形に変化した。

 試しに、性転換薬を水に溶かして、女の子の人形にかけてみた。

 やはり、丸一日が経ったら、女の子の人形は、男の子の人形に変化した。

 やはり、七年前に私に使った、性転換薬だった。

 私にもかけてみたが、一日が経っても、男に戻らなかった。

 人形にもかけてみたが、一日経っても何も変わらなかった。

 どうやら、この薬は、一回しか効かないみたいだった。

 そこで、私は、母親に仕返しをすることを思い付いた。

 夏休みに入ると、一日だけ、私と母親の二人だけになる日がある。

 その日に、私は、母親に性転換薬を使おうと考えた。


 決行の日の夕方。

 憲兄(けんにい)は、大学のセミナー合宿で昨日からいない。

 法兄(のりにい)は、高校の部活の合宿で、一昨日からいない。

 パパは、今日から社員旅行で明日までいない。

 夕御飯後、私は、母親に、「お母さん。一緒にお風呂に入らない?」と聞いた。

「珍しいわね。三九ちゃんから、一緒に入りたいだなんて。いつも私が誘っても『パパと入る』とか言うのに」と母親の幹子(みきこ)が言った。

「うん。今日は、二人だけだからね」と私は言った。

 その後、小さな声で、私は、それに、最後だしねと付け足した。

「何か言った?」と母親は言った。

「何も言ってないよ。入る?入らない?」と私は言った。

「じゃあ、入ろうか」と母親は少し嬉しそうに言った。

「わかったわ。用意してくるから、先入ってて」と私は言った。

 私は、バスタオル、替えの下着、パジャマとパパ達とお風呂に入る時に持っていく玩具を持って、脱衣場に向かった。

 その中に、性転換薬を入れた水鉄砲も持って。

 私が、お風呂場に入ろうと脱衣場にいると、シルエットで、身体を洗っているのがわかったので、お風呂場の扉を少し開けて、「隙あり」と言って、水鉄砲の中の性転換薬を母親の背中に向けて、入っている性転換薬すべて放った。

「冷た。何するのよ」と母親が言った。

「あはは。ごめんなさい」と形ばかり、謝り、シャワーを借りて、身体を流し、浴槽におもちゃと共に入った。

「遅かったわね」と母親は言った。

「おもちゃを取りに行ってたからね」と私は言った。

 本当は、水鉄砲に性転換薬を入れていたのだが、なかなか上手く入らずに、遅くなったのだった。

 明日のお母さんの反応が楽しみだと私は、思った。

 お風呂を出て、脱衣場で、髪をドライヤーで乾かしている時に、母親に、「今日、一緒の布団で寝ない」と言われた。

「えーっ。パパから聞いた事があるんだけど、私が、まだ小さい時に、『お母さんの布団で寝ていた時、お母さんが、寝相悪くて、押し潰されて、死にかけたことがある』って、聞いたことがあるよ」と言って、私は、一緒の布団で寝るのを拒んだ。

 だから、それを理由に、私は、それ以来、母親と同じ布団で、寝ていない。

「じゃあ。同じ部屋ならどう?」と母親が言った。

 それなら、大丈夫かな?と思い、私は、「それならいいよ。ただし、ある程度、布団を離してね」と了承した。

 押し潰されては、たまったもんではないから、そう言い、最後だしね。と心の中で呟き、ある程度、我が儘を聞いてあげようと思っていた。

 母親と寝室に向かい、布団を二人で敷き、寝る準備をした。

 母親は、自分の布団に、私の布団をつけようとしていたので、「ちょっと。ある程度離してって言ったでしょ」と言い、私は、自分の布団と母親の布団を離した。

そして、私達は、眠りについた。

 眠りについて、しばらく経ち、私は、何か息苦しさと体に重みを感じ、目を覚ました。

 すると、私の上に母親の身体があり、退かそうとしたが、子供の力では、どうしようもなく、思いっきり、母親の左頬を叩いた。

「痛っ。何するの。三九ちゃん」と母親は、左頬を押さえながら言った。

「重たかったから、退かそうとしても、ビクともしなかったなら、頬を叩いたの」と私は言った。

「でも、思いっきり、叩かなくても」と母親は左頬を擦りながら言った。

「そんなことより。早く退いて。重いから」と私は言った。

「あ。ごめん」と母親は、言って、退いた。

「って。何で、私の布団が、お母さんの布団の近くにあるの?」と私は、電気をつけて、気付いて言った。

「貴女が、寝た頃に、近づけたの」と母親は言った。

私は、自分の布団を部屋の奥に移動し、母親の布団を入り口近くへ移動させた。

「何で、こんなに離すのよ」と母親は言った。

「念のため。次、私の方に来たら、違う部屋で寝るからね。おやすみなさい」と言って、眠る体勢に入った。


 それ以降、何事もなく、朝を迎えた。

 ラジオ体操参加の為、私は、母親を起こさないように、家を出た。

会場に着くと、「おはよう」と声をかけられ、そちらを向くと、幼稚園からの友達で、クラスメートの(まな)ちゃんがいた。

「おはよう」と私も挨拶を返した。

「ねえ。三九ちゃん。今日、何か用事ある?」と愛ちゃんが言った。

「予定は、無いよ。何で?」と私は言った。

「一緒に宿題しようと思って」と愛ちゃんが言った。

「いいよ。じゃあ、ご飯食べて、9時位に行くね」と私は言った。

「わかった」と愛ちゃんが言った。

 ラジオ体操が終わり、家に帰ると、母親は、起きていて、朝ご飯の用意をしていた。

「ただいま」と私は言った。

「もうすぐ、ご飯出来るから、手を洗って待ってて」と母親は言った。

 洗面台に向かう途中に、母親の方を見ると、背が少し伸びているような気がした。

 あれから、約半日が経つから、かなり変化が、起きているようだった。

 ご飯を食べていると、「ねえ。三九ちゃん。私、何かおかしくない?」と母親は言った。

「おかしくないと思うけど」と私は、変化に気付いていたが、そう言った。

「愛ちゃんの家で、宿題をする約束したから、8時30分に出るから」と私は言った。

「そういうのは、昨日のうちに言いなさいよ」 と母親は言った。

「ごめんなさい。ラジオ体操前に、愛ちゃんと約束したから。夕方までには、帰ってくるから」と私は言った。

「わかったわ。気を付けていってきてね」と母親は言った。

 夕方には、かなり男性化が進んでいるだろうから、どんな男性になっているか、楽しみだと思いながら、「ご馳走さま」と言って、流しにお皿などを片付けて、歯を磨いて、宿題を持っていくための鞄と宿題を取りに、勉強部屋へと向かった。

 時間になり、私は、「いってきます」と言った。

 玄関で、靴を履いていると、「いってらっしゃい。暑くなるから、水筒を持っていきなさい」と水筒を私に渡して、母親は、言った。

「ありがとう」と言って、水筒を受け取り、玄関を出た。

 私は、自転車に股がって、愛ちゃんの家に向かった。

 出掛ける時は、いつもパパの昔の携帯を持ち歩いている。何かあった時に連絡する用にと渡された物である。

 愛ちゃんの家に着き、愛ちゃんと一緒に宿題し、午後からは、図書館へ行き、読書感想文用の本を借りに行った。

 しばらく、図書館で、借りた本を読み、図書館を出た時、携帯の電源を点けると、何件も着信があった。

 登録されていない番号だが、何となく、伯父さんだろうと思った。

「ごめん。伯父さんから、着信があったみたいだから、ちょっと待ってて」と私は、愛ちゃんに言い、折り返した。

 私も4時を過ぎて、母親を伯父と認識し始めたようだ。

「うん」と愛ちゃんは言った。

 留守電になったので、電話を切り、愛ちゃんに「出なかったから、何か心配だから、もう帰るね」と言い、自転車に股がった時、

 愛ちゃんは、「うん。またね」と言って、手を振ったから、

 私も、「またね」と言って、手を振って、別れた。


 家に着いて、「ただいま」と言ったら、奥から、朝の面影がない、母親だっただろう男の人が玄関に現れた。

 伯父さんは、「何で、電源切ってるの?何度も電話したのに」と言って、私の左頬を叩いた。

「何するの?図書館で、本借りて、借りた本を読んでいたから、電源切っていたの。それに、《《伯父さん》》に、叩かれるようなこと私した?」と私は、惚けて言った。

「お、おじさん?」と伯父さんは驚いて言った。

「ちょっと。荷物置いてくるから」と言って、私は、階段を上がって、勉強部屋へと向かった。

 私は、性転換薬の入っていたスプレーを手に、下へと向かった。

「伯父さん。いいえ、お母さん。これ何の容器かわかる?」と伯父さんに渡して尋ねた。

「何、この容器?」と伯父さんは言った。

「わかっているはずよ。自分の姿を見れば、何が入っていたか」と私は言った。

「え?やっぱり、性転換薬を浴びたの?私」と伯父さんは言った。

「ええ。昨日、かけたわ。大分、変わったわね。朝のお母さんと全然違うからビックリしたわ」と私は言った。

 身長は、朝よりも伸びてるし、何より、体型が男の人みたいだし、体毛も生えている。顔つきも面影はあるが、男っぽくなっている。

「い、何時浴びたの?」と慌てたように伯父さんは言った。

「昨日のお風呂の時よ」と私は言った。

「お風呂?」と伯父さんは言った。

「そう。お風呂の時にかけたの」と私は言った。

「かけた?まさか、水鉄砲の中に、入っていたの?」と伯父さんは言った。

「そうよ。水鉄砲の中に、性転換薬を入れておいて、お母さんの背中にかけたの。遅くなったのは、入れるのに手間取ったから」と私は言った。

 伯父さんは、「性転換薬を見つけた時、もう一本無かった?」と言って、慌てているようだった。

「あったわよ。でも、人形にかけても、何も起きなかったから、捨てちゃったよ」と私は言った。

「す、捨てた?」と伯父さんは、力なく、座り込んだ。

「あれは、何だったの?」と私は尋ねた。

「あれは、解毒剤よ。貴女にかける時に、私にかかった時のための」と伯父さんは言った。

 解毒剤ね。いいこと聞いた。私は、もう一つの容器は、捨ててなんかいなかった。

 私は、ニヤッと笑い、「認めたわね。私に性転換薬を使った事を」と伯父さんに言った。

「ええ。使ったわ。女の子がどうしてもほしかったから」と伯父さんは言った。

「まさか、その娘に、性転換薬を浴びせられるなんて、夢にも思わなかったでしょ」と私は言った。

「何故?何故そんなことしたの?」伯父さんは、泣きながら言った。

「何故?私を女にした仕返しよ」と私は言った。

「え?私、貴女に、性転換薬を使ったって、今、始めて言ったのよ」と伯父さんは言った。

「ええ。お母さんから直接聞いたのは、初めてよ」と私は言った。

「じゃあ。何で?」と伯父さんは言った。

「七年前、人体実験を行ったよね。その時、貴方に協力した、女性教師がいたよね」と私は言った。

「え?何故、それを」と伯父さんは言った。

「貴方の教え子で、元同僚だったという山本という女性から聞いたの。体育祭の時に、男子高の教職員と生徒にかけ、女子高にしたことをね」と私は言った。

「確かに、人体実験に協力してくれた先生はいたけど、山本という名前ではないわ」と伯父さんは言った。

「記憶が変化したのよ。貴方の教え子の山本という女性は、私が、性転換薬で、男の人に変えたから」と私は言った。

「え?」と伯父さんは言った。

「性転換薬とわかって、私にもかけたけど、一日経っても何の変化がないから、それでわかったの。一人一回しか効かないとも聞いていたから」と私は言った。

「そう。あの薬は、一回しか効かない。だから、自分にかかった時用に、解毒剤を作ったの」と伯父さんは言った。

「私は、この七年間、ずーっと男になりたいと願っていた。でもその術がなく、今まで来たわ。まさか、あのもう一本が、解毒剤で、それで、元に戻れるとは、思いもしなく、捨てた私も馬鹿だったわ」と言った。

「ねえ。何時、何時捨てたの?」と伯父さんは言った。

「夏休み前だから、もう、跡形もないでしょうね」と私は言った。

「そんな」と伯父さんは落ち込んだの顔を見せた。

 さらに、私は、「そろそろ、パパが帰ってくる時間だから、もう帰っていいよ」と言った。

「え?何処に?」と驚いた顔をした。

「何処にって。ここは、私たちの家だから、伯父さんの家に帰っていいよ。と言ったの」と私は言った。

「何、言ってるのここは、私達の家よ」と伯父さんは言った。

「私達?って誰の事」と私は言った。

「何、言ってるの。ここは、私とパパと憲ちゃんと法ちゃんと貴女の家でしょ」と伯父さんは言った。

「伯父さん。何言ってるの。ここは、パパと私達三兄妹の家よ。それに、伯父さん。何で、女言葉使ってるの?いつも、男言葉使ってるのに。貴方は、五年前に事故で亡くなったママの兄で、私の伯父さんでしょ。昨日は、私が、一人だと心配だからという事で、ここに泊まったんでしょ。パパや憲兄達の認識もそうなっているはずよ」と私は言った。

「そ、そんな」と伯父さんは、泣いていた。

 男の泣き顔なんて、見れたものじゃない。と私は、思った。

「それに。ちょっと来て」と言って、私は、伯父さんの手を引いて、仏壇に連れていって、

「仏壇に写真があるでしょ。その人が、私のママ。そして、貴方の妹よ」と私は言った。

 そこには、女だった頃の伯父さんの写真があった。

「この写真、私じゃない」と伯父さんは言った。

 その時、携帯が鳴り、パパからメールが来た。

 メールを確認し、私は、伯父さんに、「パパからメールで、今、駅に着いたから、買い物したら、帰ってくるって」と言った。

「パパが、帰ってくるまで待ってる」と伯父さんは言った。

 もしかしたら、性転換薬を渡して、パパが帰ってきたら、かけるかもしれないと思っていた。

 だから、性転換薬は、水鉄砲に入れる用の少量だけを残し、残りは、また、悪用されないように、違う容器に入れ、捨てて、水で、他の人が、性転換しないように、入念に洗い、ただの水をスプレー容器に入れたのだった。

「伯父さん。私、二階で、借りてきた、本を読んでるから」と言って、二階の勉強部屋へと向かった。

「うん。わかった」と伯父さんは、返事をして言った。

 しばらくして、「ただいま」とパパの典文(のりふみ)の声が聞こえた。

 私は、階段を大急ぎで降りて、「おかえり」と言って、パパを迎えた。

 パパは、「ああ。ただいま。それより、三九。急いで、降りてきて、転んで階段から落ちたら危険だから、かけ降りないように」と言って、私の頭に手を置いて、何度か頭を優しく叩いた。

「うん。わかった」と私は言った。

「おかえりなさい」と伯父さんが奥から出てきた。

「ただいま帰りました。幹男(みきお)義兄(にい)さん、三九の世話ありがとうございました」とパパは、他所他所しく言った。

「み、《《みきおにいさん》》」と伯父さんは、自分の呼び名に驚いて言った。

「三九。伯父さんの言うことを聞いて、お利口にしてたか?」とパパは私の頭を撫でて、言った。

「うん」と私は言った。

「ちゃんと宿題したか?」とパパは言った。

「うん。今日ね。愛ちゃんの家で、一緒に宿題して、図書館で、読書感想文の本を借りて、読んでたの」と私は言った。

「そうか」と二人で、伯父さんを無視して、会話をしていると、伯父さんが、「暑かったでしょ?はい。水」と言って、水の入ったコップをパパに差し出した。

「ああ。ありがとう。義兄さん」と言って、コップを受け取り、パパは、飲み干した。

「あなた。その水飲んだわね。」と伯父さんは、高らかに言った。

「ビックリした。伯父さん。急にどうしたの?」と私は言った。

「三九ちゃん。あなたの負けよ。今、パパに飲ませた水には、貴女が渡した、性転換薬を溶かしてあったの。これで、パパは、明日には、女性になっているはずよ」と伯父さんは勝ち誇ったように言った。

「な、何だって」と驚いたのは、パパだった。

 やっぱり。と思い、私は、「負けは、伯父さんよ。あの液体は、ただの水。伯父さんに、性転換薬を渡したら、絶対にパパに使うと思っていたからね。パパ。安心して、性転換薬なんて入っていないから」と言った。

「三九ちゃん。貴女、嘘ついたの?」と伯父さんは言った。

「嘘?私は、嘘は、言ってないわ。貴方が、勝手に勘違いしたのよ。私は、あの容器に入っているのが、性転換薬だなんて、一言も言ってないよ」と私は言った。

 伯父さんは、私との会話を思い出しているのか、少し間を置き、「そういえば、言ってなかったような」と言った。

「あと、余った性転換薬は、解毒剤と共にごみとして、捨てたから、この家には、無いから」と付け加えて、私は言った。

「何の話だ?パパには、何の事かさっぱりわからないけど」とパパは言った。

「パパと憲兄達は、知らないと思うけど、私、産まれた時は、男の子だったんだよ」と私は言った。

「産まれた報告を受けて、翌日、三人で行ったけど、女の子だったぞ」とパパは言った。

「記憶が変わったのよ。性転換薬を浴びて、一日経つと元からその性別だったと記憶されるみたいだし」と私は言った。

「じゃあ。三九は、男の子として、生きていくはずだったっていうのか」とパパは驚いて言った。

「ええ。ちなみに、伯父さんは、私に昨日、性転換薬をかけられ、男になった、元私のお母さんで、パパの元奥さん。お母さんは、女の子が欲しいということで私を女にしたの。私も、私を女にした、性転換薬が、家にあるとは、思わなかったけど」と私は言った。

「義兄さんが、お、俺の元奥さん?」とパパは驚いて言った。

「そうよ。あなた。私は、妻の幹子よ」と伯父さんは言った。

「今は、伯父さんだけどね」と私はクスリと笑って言った。

「俺の妻は、五年前に事故死したはずだ。それに、妻の名前は、幹子ではない。俺の妻の名前は、葉子(ようこ)だ」とパパは言った。

「パパも帰ってきたことだし、伯父さん。帰っていいよ。もし、家がわからないなら、パパに送ってもらったら?」と私は言った。

「そうだな。送ってやるか。ついでに、送り届けたら、夕飯を久しぶりに、どこかで食べるか?その前に、愛ちゃんの家に、電話しないとな」とパパは言った。

「ヤッター!私。準備してくる」と私は言って、二階へと向かった。

 その後を、伯父さんが、ついてきているのに、気付き、「伯父さん、何でついてくるの?」と私は言った。

「いや。本当に解毒剤は、ないのかと思って」と伯父さんは言った。

「解毒剤って何の?」と私は言った。

「何のって。しらばっくれる気?性転換薬よ」と伯父さんは言った。

「性転換薬?もしかして、伯父さん、女の人になりたいから、女言葉使ってるの?」と私は言った。

「え。もしかして、私が、貴女のママだったの忘れたの?」と伯父さんは言った。

「伯父さんが、私のママ?パパから、ママは事故で亡くなったと聞いてるけど」と私は、驚いて言った後、

「伯父さん。おなべさんなの?」と私は言った。

「おなべじゃないわよ。性転換薬で、貴女が男に変えたんじゃない?」と伯父さんは言った。

「私が?伯父さんを男に?何時?」と私は驚いて言った。

 私には、もう、伯父さんが、元母親だったという記憶はない。

 私が、物心ついた頃からよく、私の世話を焼く、伯父さんという認識に変わっていた。

「昨日のお風呂の時、貴女、私の背中に水鉄砲に入った、性転換薬をかけたって言ったじゃない?」と伯父さんは言った。

「確かに、昨日、伯父さんが、お風呂に入っている時、水鉄砲の水を背中にかけたよ。でも、あれは、ただの水。性転換薬があったなんて、今、知ったわ」と私は言った。

「え?」と伯父さんは、驚いて言った。

「部屋着から着替えてくるから」と言って、私は、二階へと上がった。

 私が、何を着ようか悩んでいると、「朝着てたやつでいいじゃない」と伯父さんは部屋に入ってきて言った。

「ちょっと。ノックもしないで入ってこないで。それに、朝着てた服は、汗をかいたから、着たくないの」と私は言った。

「じゃあ。私が、コーディネートしてあげる」と言って、伯父さんは、私の服の入っている引き出しを漁り出した。

「ちょっと。伯父さん。人の服を漁らないでよ。自分で決めるから、出て行って」と言って、伯父さんを部屋から追い出して、鍵をかけた。

 私は、パパと二人で、久し振りの外食ということで、お気に入りの服を着て、下に向かった。

「お待たせ」と言って、私は、パパ達の待つ、部屋に入った。

「お気に入りの服を着たのか」とパパが言った。

「うん。パパと二人で外食は、久し振りだからね」と私は言った。

「私も行くわよ」と伯父さんは言った。

「ええ!伯父さんも一緒なの」と言って、私はがっかりした顔をした。

「何?嫌なの?」と伯父さんは言った。

「嫌じゃないけど。パパと二人だと思ってたから。伯父さんが払ってくれるなら、私は、一緒で構わないよ」と私は言った。

「わ、私が払うの?」と伯父さんは言った。

「当たり前でしょ。伯父さんは、結婚してないし、パパは、私達三人を一人で、育ててるからお金がかかるんだから、伯父さんが、払うべきよ」と私は言った。

 6時半が過ぎ、私達は、車に乗り、パパの運転で、伯父さんの家の近くのファミレスに、向かった。


 ファミレスに到着した後、私は、お子さまランチとドリンクバーを頼み、久し振りの外食を楽しんだ。

「久し振りの外食もいいね。今度、皆で外食しようね」と私は言った。

「そうだな。4人で、外食するか」とパパが言った。

 すると、すかさず、伯父さんが、「5人でしょ」と言った。

「5人?まさか、伯父さんまた来るの?」と私は、嫌な顔をして言った。

「え?駄目?」と伯父さんは言った。

 そう。伯父さんは、何かと私達家族がどこか行こうとするとついてこようとするのだ。

「義兄さん。三九の世話をしてくれるのは、ありがたいですが、我が家が出掛けようとするとついてこようとするのを止めてくださいませんか?」とパパが言った。

「いいじゃない。また、私が払うから」と伯父さんが言った。

「それなら、良いけど。今日みたいに、女性の言葉遣いは、やめてよ」と私は言った。

「そうだな。そのしゃべり方で出歩かれると、一緒にいるこっちも嫌なので」とパパは言った。

「わかったわ」と伯父さんが言った。

「わかってないじゃない。今から、女言葉は、やめてね」と私は言った。

「わ、わかった」と伯父さんが言った。

 服装は、出掛けの時に、女の格好で、出掛けようとした、伯父さんを、私とパパで説得し、パパの服を貸して、服装は、男の服に変えたのだった。

 食べ終わり、ファミレスを出て、伯父さんの家に着いた時には、性転換薬をかけてから丸一日が経過していた。

 こうして、私の仕返しは終わった。


 そして、夏休みが明け、学校が始まる日の朝。

「三九。今日から、学校だろ?早く起きなさい」と下の階から、パパが声をかけた。

「はーいっ」と返事をして、私は、パジャマから、洋服に着替え、下に向かった。

「お早う」と私は、三人に挨拶をした。

「お早う」と三人は、返事を返し、四人でご飯を食べたのだった。

 私は、私自身に解毒剤を使わなかった。

 実験で、性転換させた人形たちに使い、それっきり、使っていない。

 なぜなら、友達の愛ちゃんとの関係を壊したくなかったから。

本編は、これが最終話です。

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